ラグルさんより小説「イレギュラーハンターズ」
第1話『ラグズランド島出動命令』
ドップラー博士がレプリロイド達をシグマウイルスでイレギュラー化させ、人類に奮戦布告した『シグマウイルス事件』から4ヶ月後・・・。
最近、突如レプリロイドのプログラムが消滅して、そのレプリロイドは鉄屑になってしまう『イレイズ現象』が多発し、世間を騒がせていた。
イレイズ現象が発生する1ヶ月前に設立されたレプリロイドのみの軍隊『レプリフォース』はイレギュラーハンターと共にイレイズ現象を調べていた。
そして、シグマが最初に起こした『イレギュラーハンター反乱事件』、イレギュラーハンター反乱事件の後、
密かに生きていたシグマがイレギュラー製造工場で開発したイレギュラーと元イレギュラーハンター達を世界各地に送り込み、
反乱を起こさせた『シグマ復活事件』、ハンターベースのマザーコンピューターが不正アクセスを受け、
書き換えられた偽りのデータにより世界中が混乱に陥った『サイバー事件』、
そして、シグマウイルス事件を解決させた英雄『エックス』と『ゼロ』は・・・・・・。
第1話『ラグズランド島出動命令』
エックス「・・・・ここは・・・・。」
エックスは暗闇の中にいた。正面に大きな光があり、エックスの右横には漫画で登場人物のセリフを囲むあの白くて丸いあの物体とそっくりの物体があった。
その物体は平らで表面には映像が映し出されている。エックスが映像を見ると、その映像には緑色のレプリロイドの少年とエックスが映っていた。
エックス「これは・・・・ミディと・・・・俺・・・・!?」
声は出ていないが、少年は赤面して怒るエックスを指差して、笑っていた。
エックス「これは・・・・ミディがエイリアの事をどう思ってるか俺に聞いて・・・。」
エックスがそう呟くと、エックスは横にシュンという音に気付いて横を見渡すと、またあの白い物体が浮かんでおり、
その映像には、あの緑色のレプリロイドの少年・・・・ミディが、空いた腹から赤いオイルを出して倒れている紫色のレプリロイドの側に駆け寄り、
泣きながら何かを叫んでいる。
エックス「これは・・・・ミディとテクノ・・・!?」
次の瞬間、エックスは真上のシュンという音に気づき、真上を見るとやはり白い物体が浮かんでいた。その映像には、力が抜けたように椅子に座るミディと、
その側に駆け寄り、何かを叫んでいるエックスの姿が映っている。
エックス「ミディ・・・。」
エックスは哀れんでいるような表情で映像を見つめていると、光がある方向のボゥ・・・という音に気付き、その方向を見ると、
そこには大きな光と共に、幽霊のように透明のミディの姿があった。
エックス「ミディ・・・・!?」
ミディはエックスに微笑むと彼に背を向け、光に向かって歩いていった。
エックス「ミディ!」
エックスはミディの後を追うが、光は遠ざかっていく。
エックス「ミディ、待ってくれ!ミディ!」
エックスの呼び声に反して、やがてミディの姿は光の中に消えた。
エックス「ミディ!ミディ!」
エックスはそう叫びながらやがて追いついてきた光に手を伸ばし、光に手が差し込まれると光は発光し、光が辺りを包む。
エックス「ミディーーーーーーーー!!」
エックス「はっ・・・・・!」
エックスは目を開け、目に差し込んだ光景はさっきまでの暗闇ではなく、水色の天上と自分の鼻先から数pほど離れたガラスだった。
どうやら、エックスは任務での傷を癒すため、ライフセーバーの補給ポッドに眠り、夢(記憶データの一時的な錯乱による幻覚)を見ていたようだ。
「大丈夫ですか?」
横からライフセーバーの声が聞こえる。
ライフセーバー「大分うなされてましたよ。身体の傷より、頭の傷を治すのが先です。あ、他のライフセーバーでも頭の傷を治すヤツはいませんよ。」
ライフセーバーは冷静に言う。
そして、カタカタというコンピュータのキーボードを押す音が聞こえ、補給ポッドのガラスが展開し、エックスは補給ポッドから出る。
エックスの身体は傷一切1つ残っておらず、磨かれたように綺麗な物となっている。
ライフセーバー「まぁ、気持ちは分からなくは無いですけどねぇ、昔の事を背負っていかないで下さいよ。今後の任務に刺繍が出ますから。」
エックス「・・・・・わかってる。」
エックスはそう言うとライフセーバーの部屋から出ていった。
ゼロ「・・・なんだこれは?」
ゼロはハンターベースのベンチに腰掛けながらエロ本を見て、その内容が殆ど理解できず、それを渡した張本人ダグラスに説いた。
ダグラス「近くのコンビニで売ってたから、オマエに見せようと思ってなぁ。」
ゼロ「・・・・何故、こんな訳の分からない本を俺に見せようと思うのかさっぱりわからんのだが・・・・。」
ゼロは女心とかエロ本とかそういう物を知らず、エロ本を見ても興奮する所か、内容に頭を悩ますだけだった。
ダグラス「いやなぁ?オマエに勉強させようと・・・・おっと、用事を思い出したわ、じゃ。」
ダグラスはそう言ってどっかに行った。
ゼロ「おい、ダグラ・・・・。」
ザシュァッ!!
ゼロ「!?」
ゼロは正面からの気配に気付き、エロ本を離してベンチを立ちベンチの横に立つ場所を移す。
次の瞬間、エロ本ごとベンチは真っ二つに切れ、壁にも斬れた痕跡も残された。
「ゼロォォォ・・・・貴様ァァァァ・・・・。」
ゼロ「・・・この前はお前の勝ちだっただろうが。ライフサブタンクぶっ壊した事ならもう謝ったぞ。それなのに、何故、俺に斬りかかる?カーネル。」
ゼロの前には軍人風のレプリロイド・・・カーネルがビームセイバーを柄にヒビが入るほどに強く握り締め、赤黒いオーラを身に纏い、鬼の形相でゼロに迫る。
カーネル「貴様がそのいかがわしい本を読んでいた姿が目に映ったからこうして立っているんだ!!」
カーネルがビームセイバーの剣先をゼロの横の真っ二つのエロ本に向けた。
ゼロ「いかがわしい?」
ゼロはベンチごと真っ二つになったエロ本を見る。
ゼロ「これいかがわしい本だったのか・・・。」
ゼロがそう呟くと、斬りかかってくる気配に気付き、カーネルのビームセイバーの斬激をかわし、ゼットセイバーを構える。
ゼロ「俺はダグラスに言われてこの本を読んでただけだ、初めて見る本だったから訳が分からなかったが、いかがわしい本とは思わなかった!」
カーネル「いくらお前が鈍くても、この本を表紙だけ見たら初めてでも誰だっていかがわしいって気付くわボケェ!!」
ゼロとカーネルは斬り合いながら言い合う。
2人の斬り合いは一歩を譲らず、火花が散りまくる。
イレギュラーハンターA「すげーな、あの2人・・・・。」
イレギュラーハンターB「カーネル少佐もなかなか良い腕だな・・・。さすがは数々の武勲を立てた軍人さんだ。」
複数のイレギュラーハンター達がゼロとカーネルの戦闘を試合見物のように見届けている。ちなみにカーネルの階級は少佐(どーでもいいけど)
ゼロ(アイツら、見物してる暇があったら少しは手伝えって!まぁ、カーネルのヤツはコイツらに気付いてないだろうけどな・・・・。)
ゼロは自分達の闘いを見物してる部下達に腹を立てると同時に、自分に鬼の形相で攻撃するカーネルを見つめる。
イレギュラーハンターC「ゼロ隊長もすげーよ・・・・・ん?あの茶髪の娘、見た事ねーな。新人オペレーターか?」
イレギュラーハンターの1人が赤と青のボディの茶髪の少女に指を刺した。少女は悲しそうな表情でゼロとカーネルの闘いを見ていた。
ゼロ(ん?そういや、あの娘、見た事無いな・・・。・・・そういや、カーネルは何故、ここに・・・・。)
男性オペレーター「あ、俺、あの娘知ってますよ。確かあの子はカーネル少佐の“妹”ッスよ。」
ゼロ(・・・・・は・・・・・・?)
それを聞いた瞬間、ゼロは一瞬ゼットセイバーを手放しそうになった。
カーネル「どうした、ゼロォォォォ!!一瞬手が緩んだぞォ!!」
カーネルは容赦なくゼロを攻撃する。
イレギュラーハンターC「妹?・・・・同型機にしちゃ、全然似てねーな。」
男性オペレーター「いや、あの娘は少佐と同じCPUを使って作成されたって話らしいですよ。確か、名前はアリスって言ってたっけ?」
カーネルの妹「・・・・アイリスです。」
カーネルの妹は今まで閉ざしていた開けて言葉を出した。
男性オペレーター「え、あ、あぁ、そうでしたわ、悪い悪い。」
カーネル「そろそろ決着をつけようか、ゼロ!!」
イレギュラーハンター達のやりとりも聞かず、カーネルはゼロとの闘いに集中していた。
ゼロ「・・・・・ふざけるな。」
ゼロはカーネルとの戦闘中に静かにそう呟いた。
カーネル「ん?」
ゼロ「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ゼロはそう叫んだ瞬間、ゼットセイバーの動きは、より速くなり、荒々しくなった。
カーネル(動きが変わった!?)
ゼロ「何が妹だ!!何が貴様と同じCPUを使って作成されただ!!何がアイリスだ!!
何が、何が、何が、何が、なぁにが妹だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
カーネル「何!?何でお前がそれを知ってい・・・・・ん?」
カーネルは横を見ると、そこにあったのは自らの妹、アイリスと、ゼロよりも階級が低そうな大勢のイレギュラーハンター達の姿だった。
カーネル「いつのまにこんな大勢のイレギュラーハンターがいたのか!?しかもアイリスまで!」
アイリス「兄さん、気付いてなかったの!?」
イレギュラーハンター達(やっぱり・・・・。)
ゼロとカーネルの闘いを見学していたイレギュラーハンター達は全員呟いた。
ゼロ「オラオラオラァァァァ!!」
カーネル「くぅっ!!」
ゼロの攻撃をカーネルは抑えるが、次の瞬間、闘いは終わった。割り込んできた1人のレプリロイドの静止の言葉によって。
エックス「なにやってるんだ、ゼロ!カーネル少佐も!」
その言葉が試合終了のゴングとなり、ゼロとカーネルの攻防戦は終わりを告げた。
エックス「・・・・つまり、少佐はここにオペレーター研修生として配属される事になったアイリス君を見送りにここに来て、
ゼロがエロ本を読んでる所に鉢合わせした・・・と言うわけですね?」
会議室。事情を聞いたエックスがそう言った。
ゼロ「しかし、なんでお前が送る必要が・・・・。」
ゼロは机に足を掛けた行儀の悪い姿勢の状態。
カーネル「バカモノがァ!!イレギュラーハンターを信じていない訳ではないが、アイリスがどこかの悪漢にやらしい事をされるか心配で・・・・。」
エックス「・・・・・それで送ってきたと。」
アイリス「私は反対したんですけど・・・・。」
ゼロ(・・・・・カーネル・・・お前がシスコンだったとは・・・・。やらしい事ってのは何の事かは、わからんが・・・。)
ゼロは心の中でそう言った。
エックス「それにしても、ゼロがエロ本なんて、そんなバカな・・・・・いや、ありうる。」
カーネル「何故、そうなる!?」
カーネルは机をドンと叩いた。
エックス「いやな、多分、ケイン博士かダグラス辺りに薦められたんだろう。ゼロの前だから言いたくないが、あれ関係の物には疎いからなゼロは。」
ゼロ「・・・・?」
ゼロは話を聞いてはいるが、エックスの言った『あれ関係の物には疎い』という言葉の意味が分からず、頭を悩ますだけだった。
カーネル「ダグラス・・・・?あぁ、あのメカマンか。あの軽いヤツならともかく、何故、あの厳格なケイン総監がエロ本なんかゼロに薦める必要がある!?」
エックス「まぁ、あの人はああ見えて軽い所があるからな・・・・。」
さっき話に出てきたケイン博士というのは世界最初にレプリロイドを開発した偉人で、イレギュラーハンターの創始者にして総監である。
ゼロ「・・・・なぁ。」
机に足を掛けたままのゼロが講義中のエックスとカーネルに声をかけた。
エックスとカーネルは悪感がした。
エックス「・・・・言うな。」
ゼロ「なんでだよ?」
エックス「悪い予感するから。」
ゼロ「なんでそんな・・・」
カーネル「喋るな。」
ゼロ「おい、俺がこの部屋に来た意味がねーじゃねーか!あーもういい、言うぞ。」
エックス「ちょっ!」
カーネル「やめ・・・・。」
ゼロ「あの本、ただの裸の女の写真集じゃねーのか?」
しばらく沈黙が会議室を支配する。
ゼロ「お、おい・・・・・俺、そんなにおかしな事言った?」
沈黙を破壊したのはゼロの言葉だった。
エックスとカーネルはひそひそ話している。
エックス「少佐・・・・彼女・・・・怒るとどうなります?キレて暴走しますか?」
カーネル「確かにアイツは怒るが、暴走はしない。だが・・・・。」
エックス「だが・・・・何?泣き出して涙で大洪水ですか?」
カーネル「いや・・・スネて人の話を聞かなくなる。」
エックス「・・・・ちょっと安心っていうか、なんていうか・・・・。」
カーネル「安心ってなんだ、安心って・・・・。」
アイリス「・・・・・兄さんの・・・・」
カーネル「え?」
アイリス「兄さんの嘘つき!!」
カーネル「グハゥッ!?」
表面に『兄さんの嘘つき』と書かれた矢印がカーネルの胴体を突き刺す。
エックス「カーネルさん!?」
アイリス「兄さんの嘘つき!!ゼロは『短気でガサツな大バカ野郎だが、いかがわしい本と良い本の区別ぐらい出来る良いヤツだ』って言ってたじゃない!!
でも、これじゃ本の区別すらつかないただのバカ男じゃない!!」
アイリスが涙目でカーネルを訴える。
ゼロ「ば、バカ男・・・?」
カーネル「い、いや・・・・ゼロがあれほど鈍いとは思わ」
アイリス「言い訳しないで!!もう兄さんなんか知らない!!もう兄さんの声なんか聞きたくない!!」
カーネル「ガハゥッ、グブホァッ、ギブバァァァァァ!?」
『言い訳しないで』、『もう兄さんなんか知らない』、『もう兄さんの声なんか聞きたくない』とそれぞれ表面に書かれた3つの矢印に突き刺され、
カーネルは白目になりながら、仰向けに倒れる。
口からカーネル似の透明の天使(顔の表情は『ノォォォォ』って言ってそうな絶望的なハニワみたいな顔)が出てる。
エックス「ギャァァァァ、カーネルさーーーん!?」
アイリス「ふん!」
アイリスはカーネルから顔を背ける。
ゼロ「・・・・おい。」
アイリス「え?」
椅子から立ったゼロがアイリスに寄りかかってた。
ゼロ「誰がバカ男だ!!」
アイリス「ひぃっ!」
カーネルの口から出てる透明の天使を、カーネルの口の中に押し戻そうと奮闘しているエックスをよそに2人は深刻なムードに。
ゼロ「本の区別がつかねぇだけでバカ男だと!?ふざけんんじゃねぇ!!たかが、あんなわけのわからん本の事だろうが!!」
アイリス「だ、だって・・・。あれは女の子にとって、すっごく恥ずかしい物なんです!」
ゼロ「・・・そうなのか?」
アイリス「そうなんです!私も言うのも恥ずかしいですけど、女の人の○○○○○○○とか、女の人の○○とか、女の人の○○○とか、
そういうエッチなのはスケベな男の人が楽しむものなんです!・・・・・・女の子にはすごく恥ずかしいんですよ・・・・ああいうの・・・・。」
ゼロ「・・・・まぁ、少し分かった気がする・・・。だが、俺は本なんて剣術のヤツくらいしか読まんしな・・・・。」
アイリス「他の本も読んでみたらどうですか・・・・。」
アイリスは呆れながら言う。
カーネル「ほん・・・とに・・・な。っとと。」
カーネルは少々痛そうながらも起き上がる。
因みにエックスはさっきまで掴んでた透明の天使がいきなりカーネルの口に吸い込まれると同時に天使を掴んでた自分の手もカーネルの口に吸いこまれかけた所。
カーネル「お前はあれ関連の物を知らんからアイリスが襲われる心配はないが、思春期のエックスに襲われるかもしれん。」
エックス「んなっ!?い、いえ、俺はそんな・・・・!」
エックスは赤くなりながらカーネルに反論する。
ゼロ「エックスの顔が赤くなってんのかは知らんがとりあえず・・・・。アイリス、さっきの続きだが・・・。」
もうそろそろ書いてる人(ラグル)がネタ思いつかなくなったのでこれで会議室の所は終わりです。
その後、カーネルがエックスに説得されて帰っていったため、エックスとゼロとアイリスの3人は司令室に戻った。
・・・ゼロとアイリスはなんか嫌悪なムードだったが。
ケイン「あー、エックスとゼロは聞いてると思うが、彼女がオペレーター研修生として一時的にこのハンターベースに配属される事になった、アイリス君じゃ。」
アイリス「は、はい。皆さん、よろしくお願いします・・・。」
アイリスが御辞儀をする。
司令室のオペレーター達がひそひそ話し始める。1人の女性オペレーターはアイリスの少し小さい胸を見て、自分の平べったい胸をさわり、にっこり笑う。
エイリア「オペレーターに胸の大きさなんて関係ないわよ・・・・。」
その女性オペレーターの隣の席にいたエイリアが言った。女性オペレーターはエイリアの大きな胸を見てため息をつく。
ケイン「あ〜〜〜〜、オホン。・・・・いいかな?」
ケイン博士の一言でさっきまで騒がしかった司令室は静まり返る。
ケイン「早速じゃが、諸君らに任務を申し渡す。シグナス。」
シグナス「はい。」
イレギュラーハンター副総監にして、第3特務部隊隊長シグナスはシグマと並んで、ケイン博士の最高傑作と言われている。
シグナス「みんな、『イレイズ現象』は知っているな。」
ホーネック「はい。レプリロイドの行動プログラムが全て消滅して、そのレプリロイドは鉄屑になってしまう現象・・・・ですね?
現象ではなく、裏組織が開発したウイルスである説もありますが。」
シグマウイルス事件の際にイレギュラー化した経験のあるホーネックが答える。
シグナス「そうだ。そして、そのイレイズ現象が、南洋にある『ラグズランド島』で大量に発生した情報が入った。」
ゼロ「何だと!?」
エックス「大量のレプリロイドが一度に・・・!?」
ゼロとエックスは驚く。特にエックスは大量のレプリロイドがイレイズされた事だけでなく、ラグズランド島という言葉に反応しているようだった。
シグナス「そうだ。その調査のため、ラグズランド島には、エックス、ゼロ。お前達が行く事になる。」
エックス「俺達が・・・ですか?」
シグナス「そうだ。今回は・・・イレギュラー製造事件や、シグマウイルス事件のように兄さ・・・シグマが現れる・・・・そんな予感がしてな。」
ゼロ「任せてください。もしも、またシグマが現れた時は俺達が倒しますよ。」
シグナス「・・・・ああ。その時は頼む。・・・・・出撃時刻は今日の16時20分・・・・2時間半後だ。それまでに準備をしていくように。」
エックスとゼロ「了解!」
シグナス「尚、今回のサポートオペレーターはエイリアと・・・さっき紹介した研修生のアイリス君の2人だ。」
エックス「へ?」
ゼロ「え?」
2人はアイリスが今回の作戦のオペレーターを行う事に驚いた。
シグナス「2人共・・・・。いろいろ言いたいのはわかるが、彼女がこの作戦のオペレートを行うのは、この作戦を彼女の研修試験という事になっているんだ。
まぁ、理由は書いてるヤツ(ラグル)が考えるのが面倒なのでとりあえず無いんだが・・・。」
エックス「・・・・・はぁ。」
ケイン「えー・・・・以上、ミーティングを終了する。」
ケイン博士の終礼を持って、ミーティングは終了した。
準備室
エックスとゼロは武器の手入れや、ライフパックの装備など、支度を進めながら話していた。
ゼロ「まさか、あのガキがオペレーターなんてなぁ・・・。ちゃんと出来るのかね?」
エックス「まぁ、そういうな。あの子だって勉強したみたいだし。」
ゼロ「そういう問題かね・・・・。」
エックス「・・・・そういえば、ラグズランド島の事なんだけど・・・。」
ゼロ「ん?どうした。」
エックス「その島の事をイレギュラーになる前のVAVAがよく話していたんだ。」
ゼロ「VAVAが?」
エックス「ああ。その島にはレプリロイドの研究所があったそうなんだ。VAVAはそこで開発されたそうだ・・・。」
ゼロ「へぇ・・・・・・それで?」
エックス「最初にイレイズ現象が発生した場所は・・・レプリロイド研究所なんだ。」
ゼロ「なに!?」
エックス「ラグズランド島のとは違うそうだが、そこでやっていた研究はラグズランド島と同じだったそうだ・・・。・・・内容まではわからなかったが・・・・。」
ゼロ「・・・偶然にしては出来すぎるな・・・・。」
エックス「イレイズ現象が最初に発生した研究所と、ラグズランド島の研究所をエイリアに調べさせれば何か分かるかも知れない。」
ゼロ「ああ、そうだな・・・・。」
2人はそのまま、支度を進めていた。
研究所跡地
エックスの話に出ていたイレイズ現象が最初に発生したレプリロイド研究所跡地・・・。今は取り壊され、廃墟となっているが、地下研究所はまだ動いていた。
その地下研究所の1室『第1倉庫』で、1体のレプリロイドがソファーに腰掛けて、部屋の中央に設置した通信機
(操作は通信機と繋がれたキーボードで行う)で何者かと会話している。
因みに、そのレプリロイドの容姿は短い紫色の髪、赤い瞳、アーマーではない紫の魔術師の服、
横から見れば首を除いたカラスの頭に見える黒いショルダーアーマーと、それについている赤いマント、
ローブの下と服の上に装備された黒いブレストアーマーと、その中央に埋め込まれた赤い宝石、黒い手とその手の甲の中央に埋め込まれた赤い宝石、
先端が上に尖った黄緑の足・・・そういったものである。
通信機の画面には西洋の魔女を思わせる格好をした人間の女性の顔と、甲冑の騎士を模したアーマーのレプリロイドの半分が鎧で隠れた顔が移っている。
魔術師のレプリロイド「・・・ええ、後はエックスのコピーDNAデータとリミテッドを組み込めば完璧です。」
魔女の女性「仕事が速いわね・・・・。まぁ、良いわ、それが終われば『イクス』は完成するんでしょう?」
魔術師のレプリロイド「ええ、そうすれば、DNAソウルはより多く集められます。これであなたの目的も無事果たされますよ、ベルカナさん。」
『ベルカナ』と呼ばれた魔女のような女性は魔術師のようなレプリロイドに怪しい微笑みを見せた。
騎士のレプリロイド「しかし、エックスのDNAデータとはいえ、コピーだろう?とてもではないが、シグマに勝るとは・・・・・・。」
チッチッチと魔術師のレプリロイドは人差し指を上に向けたまま左右に動かす。
魔術師のレプリロイド「ガレスさん、このエックスのDNAデータはただのコピーではありません。
コピーした上で6倍に強化したDNAデータ・・・・・・シグマとは互角以上に渡り合う事になりましょう。」
『ガレス』と呼ばれた騎士のレプリロイドは口をつぐんだ。
魔術師のレプリロイド「しかし・・・貴方達と出会った時に言ったと思いますが、シグマが力に服従するとは思えません。計画をちょっと変更した方が良いのでは?」
ベルカナ「私は一途なの。一度考えついた物は一切変えずにそのまま実行する・・・。もし失敗したら汚点を修正して繰り返すだけよ。」
魔術師のレプリロイド「じゃぁ、今すぐ、あなたのその“一途”という汚点を修正して頂きたいですね。」
魔術師のレプリロイドは呆れながら言う。
ベルカナ「・・・・一途なのは生まれつきよ。その生まれつきの物を消すなんて無理よ。それに・・・・依頼者にそんな口叩くなんて失礼じゃない?アベル・・・。」
ベルカナは怒りが混じった怪しい笑みを自分が『アベル』と呼んだ魔術師のレプリロイドに見せた。
アベル「これは失礼しました。しかし・・・。イレギュラーハンターがあなた達の島に来るのは時間の問題ですよ。」
ガレス「・・・・思ったより少し早いな。」
アベル「僕の調べによると派遣されるハンターはあのエックスとゼロ・・・・。シグマを4度も倒した彼らです。」
ベルカナ「何ですって?」
アベル「さて、どうします?ここまで来たら汚点の修正は不可能です。後は計画を中止するか、それとも、計画を早めて続行するか・・・。」
ベルカナ「計画を早めて続行するわ。」
アベル「ありゃりゃ・・・・。ホントに一途ですね・・・・。まぁ、幸運を祈りますよ。ベルカナさん。」
ベルカナ「貴方も早くイクスを完成させなさい。研究所で合流しましょう。それじゃ・・・。」
ブツンと通信は切れた。
アベル「・・・では、そろそろ作業に取りかかるとましょうか。」
アベルは部屋の隅に置いてあった杖を取り出し、部屋から出て、左に向かった所にある『第4研究室』の扉を開ける。
アベル「さぁ・・・・お目覚めの時間ですよ。イクス。」
エックスと酷似したレプリロイドが身体を周囲にある研究設備から伸びたコードで繋がれた状態で立っていた。
このレプリロイド・・・・『イクス』は電子頭脳は組み込まれておらず、DNAデータも存在しない。つまり、何も入ってない空っぽのボディという事なのだ。
アベルは研究設備を操作し、イクスにエックスのコピーDNAデータ、そして、半有機物質・・・・『リミテッド』を組み込む。
そして、すぐさま杖に搭載された小型転送装置を起動して、地上に行った。
飛行機内
エックスとゼロを乗せた飛行機。
通路側の席でゼロは煙草を吐き、ゼロの後ろの窓側の席に座っていたエックスは窓に見える外の光景を見ていた。
ゼロ「ったく、なにが『どっかのガサツな人のサポートなんかしたくありませんよーだ』だ。こっちだってテメーのサポートなんざゴメンだぜ!」
エックス「おいおい、ここにはいないとはいえ、少し言い過ぎじゃないか?」
ゼロ「いないから言って・・・ん?」
ゼロは何かの気配を感じ取った。
ゼロ「・・・・おい、エックス。何か感じないか?」
エックス「・・・・ああ・・・・どこからか威圧感か胸騒ぎみたいなものが波になって心に当たったような・・・!?」
エックスは通路の向こうの席の窓を見ると、席を外し、その席に移り、窓を見た。
ゼロ「エックス?おい、どうした、エックス・・・おわっ!?」
ゼロはエックスの近くに行くが、エックスはゼロを押し退け、この席から2つ後ろの席に移った。
ゼロ「どうしたんだ、一体・・・・!?」
ゼロは窓を見て、その光景に驚愕した。
ゼロ「なんだ、これは・・・・・!?」
ゼロが見たその光景とは
クレーターの跡の中心に大きな光の柱が立っているという驚くべき物だった。
そして、この柱は多くの人間の目に映った。
レプリフォース本部
ジェネラル「あれは・・・・!?」
カーネル「ジェネラル元帥・・・・!」
ジェネラル「うむ・・・まるで神が地に槍を突き刺したか・・・・それとも、悪魔が地から目覚める予兆のような・・・。」
ハンターベース
アイリス「な・・・なにあれ・・・!?」
エイリア「・・・あの場所って・・・・・。」
ダグラス「いや〜、デカいねぇ〜。」
ハンターベース司令室
シグナス「な・・・・なんだ、あれは・・・。」
シグナスは窓の外の雲に突き刺さる光の柱を見上げていた。
ケイン「シグナス・・・。」
シグナス「お父さん、あれは・・・。」
シグナスは開発者であるケインを父と呼んでいる。
そして、ケインはスコープで光の柱を見る。
シグナス「お父さん?」
ケイン「・・・シグナス・・・・。」
ケインはスコープをシグナスに渡した。
ケイン「あの柱をそれで見なさい。」
シグナスは訳もわからずにスコープで光の柱を見ると、人影が目に映った。人影の形までは見えなかった。
シグナス「!?」
シグナスはスコープを下ろし、光の柱を見る。
ケイン「どうじゃ?」
シグナス「・・・・人影が・・・・見えました。」
ケイン「そうじゃ。あの人影はあの柱を立てて何をしようとしているのかは分からんが・・・。もし、あれがシグマなら・・・とんでもない事になるのぉ・・・。」
廃墟ビル
5階建ての廃墟ビルの5階、眼帯のレプリロイドが、鎌を胸に突き刺されて仰向けに床に倒れたイレギュラーと思しきレプリロイドの前に立ったまま、
顔を窓の方に向け、無言のまま、光の柱を見つめていた。
3階でも顔に×字の傷がついたレプリロイドの少年と、腰まである長い金髪のレプリロイドの少女と、人型の結晶体のようなメカニロイドがあの光の柱を見ている。
ラグズランド島
ベルカナ「これは・・・イクスの暴走?」
あの光の柱をテレビのニュースで見ていたベルカナはそう呟いた。
ガレス「だとすれば、アベルは死んだのか・・・。」
ベルカナ「マズいわね・・・・。アベルが死んだら誰がイクスを・・・・。」
荒野
サングラスをかけた男性が光の柱を見て驚愕していた。
目の下に赤いメイクのある長身痩躯のレプリロイドと黄色い鎧を纏ったレプリロイドも光の柱を見ていた。
刃の黄色く銃部分が赤い銃剣型の武器『ザンガン』を右手に持った赤いコートの金髪の青年も無表情で眺めていた。
ジープで走っていた黒がかった灰色のレプリロイドと、紫色のレプリロイドと、冷酷な表情の老人のレプリロイド、少年型レプリロイドも光の柱を見ていた。
ギガンティス島
この島でも光の柱は確認されていた。
喫茶店
テレビのニュース「突如地面から出てきた光の柱・・・あれは一体何なのでしょうか。また、光の柱が出た場所にはレプリロイド研究所が・・・。」
黒い帽子をかぶった青年のレプリロイドが喫茶店でテレビを見ながらオイルミルクを飲んでいる。
ガウディル研究所
テレビのニュースを見て、小柄なカモノハシ型のレプリロイドは大変驚いていた。
助手らしき病院の看護婦か白衣の天使のような外見のレプリロイドの少女はテレビを見ずに眠っていた。
荒野
ピンクのくの一の姿をした女性型レプリロイドはバイクに乗って荒野を走り、バイクに搭載された小型テレビのニュースを見ていた。
バイクに乗ったレプリロイドと通り過ぎたレプリロイドの青年はバイクに乗っていた彼女に惚れるが、
緑色の大柄なアーマーを纏ったレプリロイドに呼ばれて、すぐに彼の元に向かう。
地下兵器工場
何らかの兵器の製造をしていた怪物の顔をした赤いレプリロイドと、全身に武装を纏った紫の巨大なレプリロイドと、黒いレプリロイドもテレビで光の柱を見ている。
巨大要塞
顔を仮面で隠し、黒い鎧を纏った大柄なレプリロイドと、老人型のレプリロイドと、水色で細身のボディのレプリロイドと、
凶悪な顔つきの巨大な黄色いボディのレプリロイドもまた、あの光の柱を目にしていた。
光の柱の付近
柱の付近ではアベルが立っていた。
アベル「やれやれ、とんでもない事になりましたねぇ・・・。自分の半分のエネルギーを放出してあんなもの(光の柱)を立てるとは・・・。まぁ、想定内ですけどね。
ベルカナさん達も私が死んだと思っている頃でしょう。さて、私はこれで失礼しましょうか。」
アベルは人知れずしてこの場を去った。
飛行機内
ゼロ「一体、何でこんな・・・ん?」
ゼロは光の柱の中に人影がいる事に気付いた。この影の形は・・・エックス?ゼロはすぐさま、エックスが移った席に行くとそこには窓を見ていたエックスがいた。
ゼロ「エックス、あの人影は・・・・。」
だが、エックスは光景を見たまま返事をしない。
ゼロ「エックス!」
エックス「!ゼロ?」
ゼロ「・・・エックス・・・あの人影は・・・。」
エックス「・・・俺にも分からない。」
ゼロ「そうか・・・・。・・・・待てよ、ライト博士はエックスの他にエックスの同型のレプリロイドを・・・。」
エックス「それはありえない。」
ゼロ「なに?」
エックス「あそこは・・・イレイズ現象が最初に発生した研究所があった場所なんだ。」
ゼロ「なんだと!?・・・ちょっと待て、どういう事だ?エイリアが調べた所、研究所は取り壊されて無くなったと・・・。それに所員も爆発事故で全員死んだと・・・。」
エックス「・・・地下研究所?」
ゼロ「エックス?」
エックス「そうか・・・。これでつじつまが合う。」
ゼロ「エックス、どういう事だ?」
エックス「・・・・いいか、ゼロ。あそこに地下研究所があったとする。」
ゼロ「地下研究所?」
エックス「そうだ。研究所が取り壊された後も研究員がまだ生きていて、まだ研究所があった時に使われていた地下研究所、
あるいは新しく作った地下研究所で実験を行っていたとすれば・・・?」
ゼロ「そうか!あの人影はその地下研究所でさっきまで行われていた実験で生まれた・・・・!」
エックス「そうだ。その実験はおそらく、コピーした俺のDNAデータを使った物だろう。あれは今回の任務とは恐らく関係無いかもしれないが、
アイツを放って置けば、どんな事態が待ち受けてるか分からない。早く任務を終わらせて・・・・・・。」
「エェェェェックス!!」
エックス「!?」
エックスの頭の中に声が響いた。
ゼロ「どうした、エックス?」
エックス「今・・・頭の中に声が響いた。」
ゼロ「幻聴じゃないか?あんな物を見たんだ、電子頭脳に異常が生じたんだろう。」
エックス「あ、あぁ。そうだな・・・・。」
「逃げるな、エェェェェェックス!!」
エックス「・・・!」
ゼロ「エックス、またか?横になった方が・・・。」
「私と戦え、エェェェェックス!!」
エックス「・・・・違う、幻聴じゃない!」
ゼロ「エックス?」
エックスは第2乗降口に向かった。
ゼロ「エックス!」
エックスは乗降口の扉を開けて、風に耐えながら、光の柱の人影を見る。
エックスの目と人影の目が合わさった。
人影「やっとその気になったか、エェェェェックス!!」
エックスの頭に響いた声が耳に聞こえる。
エックス「お前は何者だ!!」
人影「私は、イクス!!貴様のコピーDNAデータにコピーボディ、そして、リミテッドが融合した、貴様のクローンだ!!」
エックス「リミテッド・・・・?なんだ、それは!」
イクス「はぁっ!!」
イクスは自らを包んでいた光の柱を消し、自分の姿を見せる。その姿はボディカラー、顔の独特のペイントを除けばエックスと瓜二つであり、
その容貌はまるで凶悪なエックスといった感じである。
ゼロ「エックス、どうし・・・!?柱が無い!?それにあれは・・・!」
駆け付けたゼロは目の前の状況を見て、驚愕する。
イクス「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
イクスは飛行艇のエックスに突進し、エックスはイクスに首をつかまれ、床に倒れる。
副機長「エックス隊長、どうし・・・こ、これは!?」
様子を見に来た副機長がエックスが2人という状況に驚いた。
イクス「部外者は黙ってろ!!」
イクスは片手を掲げると、副機長はうめき声を上げてすぐに倒れた。
エックス「!?」
ゼロは副機長の懐に駆け込む。
ゼロ「おい、大丈夫か!?おい!」
ゼロは副機長を抱え上げ、叫ぶ。
イクス「無駄だ、ソイツのプログラムは消去した!」
ゼロ「なに!?どういう・・・プログラムを消去?それはイレイズ現象と同じ・・・・!?」
エックス「一体、どういう事だ!?」
イクス「ククク・・・。貴様らに教えてやろう・・・。リミテッドを!」
ゼロ「リミテッド!?」
エックス「さっき、お前が言ってた・・・!」
イクス「ククククク・・・。リミテッドとは・・・・ここではない星『ディオード』から飛来した半有機物質型生命体・・・及び、それについている細胞!」
エックス「なに!?つまり、宇宙生命体か!」
イクス「リミテッドは機械と融合し、その機械を進化させる能力を持っている・・・・。
だが、レプリロイドがリミテッドと融合すると、プロテクトが崩壊し、ウイルス駆除プログラム(人間で言う免疫機構)が暴走し、
プログラムを全て消去し、DNAデータはリミテッドに取り込まれ、リミテッドはレプリロイドのボディに溶け込む・・・・。
それが貴様らが恐れているイレイズ現象の正体だ!」
ゼロ「・・・・・・!」
エックス「・・・・何故、何の関係のない彼を殺した。」
イクス「何の関係もないから、苛立つんだよ!!」
イクスはエックスを軽々と投げ、エックスはゼロの後ろに倒れた。
イクス「言っておくが、私のパワーは貴様の3倍となっている。俺が生まれる前は6倍に設定されていたらしいがな。」
エックス「半分で・・・あんな・・・・!?」
イクス「俺と本気で戦え、エックス!!」
イクスはゼロを蹴り上げ、副機長を窓に投げ落とす。
イクス「ウオォォォォォォ!!」
イクスはエックスに襲いかかり、エックスをぶん殴る。
ゼロ「エックス!」
エックス「ゼロ、キミは機長を脱出させて、この飛行機の操縦を!」
ゼロ「く・・・わかった!」
ゼロは操縦席に駆け込む。
ゼロ「機長、エックスにそっくりなイレギュラーが侵入してきた。操縦は俺がやるから、アンタは脱出しろ。」
機長「イレギュラーが!?わ、分かりました。」
機長は操縦をゼロに任せ、パラシュート付きの救命胴着を着て、飛行機を脱出した。
ゼロ「ラグズランド島まであと5分か・・・。・・・・よし、行くぞ!」
エックスはイクスとバスターの撃ち合いをしていた。
エックス(ヤツは俺の3倍の実力だけあって、ヤツのバスターのノーマルショットは俺のチャージショットと互角の威力だ。
だが、エネルギーの冷却に2秒だけ時間がかかる。その隙に、ノーマルショットの連射攻撃を叩き込む。だが、2秒間の間は席を陰に背もたれに隠れる。
なら、隠れる隙を与えずに攻撃を加えれば!)
イクス(アイツのバスターはエネルギーの冷却を必要としていない上に連射攻撃が強い。
生まれてから1時間も経ってない俺のエネルギーの冷却時間は2秒、その隙を突かれるとヤバい、冷却が済むまでの2秒間を背もたれに隠れて過ごし、撃つ。
だが、そのワンパターンではヤツにやられる可能性が高い。ならば、チャージショットでケリをつける!)
イクスは隠れていた背もたれから離れ、チャージを行いながら、エックスに突進する。
エックス(突進してきた!?パターンを変えたのか・・・?)
エックスはイクスの突進を避けるが、イクスは身体を捻り、エックスにバスターを向け、放った。エックスの後ろ
だが、エックスはスライディングでそれを避け、今度はイクスにしゃがんだ姿勢でバスターを向けた。
エックス「投降しろ、イクス。」(今のはチャージショット・・・。食らっていたら死んでいた・・・・。さっきの突進はチャージのための時間稼ぎだったのか・・・。)
イクス「・・・・何故、撃たない?」
エックス「・・・・破壊するのが嫌だからだ。」
エックスはしばらく顔をしかめてこういった。
イクス「・・・・ハァ?なんだよ、それ。あらゆる事件を解決させたイレギュラーハンターが『破壊するのが嫌』・・・・だと?
どんな冷静なヤツかと思えば、平和主義者だったなんてなぁっハッハッハッハッハッハ!失望させてんじゃねぇ!!」
ダン
エックス「がっ・・・!」
イクスのバスターの弾がエックスの胸に直撃した・・・・・。
イクスは倒れているエックスを上から目線で見ていた。
イクス(フン、オレのオリジナルがこんな甘っちょろいバカとはな・・・。まぁ良い、中央制御システムに直撃した。あっけないが、オレはコイツを超え・・・・。)
バシュッ
イクス「グゥッ!?」
イクスの左肩をエネルギー弾が貫通した。
イクス「き、貴様・・・何故・・・・!?」
イクスの前には胸に傷のついたエックスが立っていた。
エックス「中央制御システムを狙ったつもりだろうが、オレのボディの中のシステムにはバリアーが貼られているんだ。そのバリアーにはビームや実弾では通じない!」
イクス「な、何・・・・!?くそっ!」
イクスはバスターを構えようとした途端、イクスの顔のラインが黒くなった。
イクス「が、あぁぁぁぁぁ!?」
エックス「!?」
イクスは苦しみだし、倒れる。
イクス「が、あぁ、なんだ、ごればぁ!?身体がぁぁ・・・熱い・・・・まさか、マザーが・・・!?」
エックス(マザー・・・・?)
ピンポンパンポン
自動アナウンス「まもなく、ラグズランド島に到着します。エックス様、ゼロ様、お忘れ物の無いようにご注意下さい。」
エックスの耳に自動アナウンス(録音しておいた声を設定時刻にアナウンスとして流れる)が聞こえた。
エックス「もうすぐか・・・・。」
エックスはそう呟く。
イクス(ラグズ・・・ランド島・・・だと・・・・!?)
イクスはラグズランド島の言葉に驚いたような反応を見せた時、
ドガァァン
エックスの耳に爆発音が響き、飛行機は揺れた。
エックス「なんだ!?」
エックスは窓を見ると、飛行機の羽が煙を上げているのを見た。
エックス「まさか・・・爆弾!?一体、誰が!?」
空中
アベルは空中に浮き、羽から煙が吹いている飛行機を眺めていた。
アベル「こういう映画みたいなシーンは楽しいんですよね。」
飛行機内
エックス「くそっ、誰のせいにしても、ここから脱出しなければ!」
エックスは操縦室に向かった。
エックス「ゼロ!羽に爆弾が仕掛けられていたみたいだ!」
ゼロ「何だと!?」
エックス「このままだと、墜落する。格納庫のアディオンで脱出するぞ!」
ゼロ「あれは試作・・・いや、んな事言ってる場合じゃねぇな。」
エックスとゼロは荷物をまとめて、格納庫に向かった。格納庫に行く途中、イクスが倒れていたが。
エックスとゼロはライドチェイサー『アディオン』に乗った。
反重力ドライブで外に通じる壁の空間を歪め、切り裂き、右に落ちていく飛行機を脱出する。
外
2人のアディオンは水面を浮遊していた。
ゼロ「ラグズランド島まであと2q・・・。行くぞ、エックス!」
エックス「あぁ!」
エックスとゼロのアディオンはスピードを上げ、ラグズランド島に向かった。
飛行機内
イクス「ちくしょう・・・・。行きゃぁ、良いんだろ・・・・行きゃぁよ・・・。」
イクスは苦しそうに胸を抱えながら、傾いていく地面に起き上がり、チャージショットで壁を破壊し、そこから飛行機を脱出し、海面に落ちた。
外
イクスは海面に落ちた時のダメージに痛みながら、海面に浮かんでいたアディオンに乗り、最高速度でラグズランド島の方向に向かった。
エックスとゼロはイクスに気づき、イクスもエックスとゼロに気づく。
ゼロ「チッ、どうやら、コイツはどうしても『俺がお前を超えて、俺がオリジナルだ』って事らしい。・・・倒さねぇからだぜ?」
エックス「・・・・甘いかもしれないが、苦しんでる相手を攻撃するわけにはいかない。」
ゼロ「・・・・甘いもんだな。まぁ良い、振り切るぞ!」
エックスとゼロのアディオンは最高速度のスピードを上げた。
イクスはエックスとゼロにバスターを連射する。2人はそれを避けながら、目の前にあるラグズランド島の砂浜に着く。
イクス「くそ・・・・ん?」
イクスはアディオンの異常に気付くと、アディオンがさっき水に浮かんでいた時のダメージで故障し、暴走する。
イクス「く、うぅ!?ぶつかる!」
イクスはアディオンをジャンプで乗り捨て、アディオンは岩にぶつかり、爆発する。イクスは砂浜に着地する。
ラグズランド島
エックス「イクス・・・。」
イクス「倒さなかった事を後悔したか?」
エックス「そうまでして、俺を倒したいのか?」
イクス「あぁ、そうだ・・・・だが!」
イクスは高くジャンプし、エックスの後ろに着地する。
イクス「お預けだ。」
エックス「何?」
イクスは森の中に消える。
エックス「お預け・・・?」
ゼロ「・・・・リミテッドの事を聞いてからまさかと思ったが、ヤツは今回の件に関係しているようだな・・・・・。」
エックス「・・・・ああ・・・。」
ザ、ザザー
エイリア[エックス、聞こえる?]
エックスの耳に取り付けられた通信機からエイリアの声が聞こえる。
エックス「エイリア?今着いた所だ。」
エイリア[良かった・・・・。飛行機の反応が途絶えたから、心配したのよ。]
エックス「事情は後ではな・・・。」
ゼロ「今、なんつった、テメェ!!」
エックス「!?」
エックスはゼロの方を見ると、ゼロがいかにもキレてる顔で通信機の相手に怒鳴りつける。
アイリス[よく死なないで済みましたねーって言ったんですー。]
エックス(アイリスか・・・。)
ゼロ「ふざけんなよテメェ、帰ってきたらブン殴っぞ!!」
アイリス[レディにブン殴るって、ほんと、サ・イ・テー男。]
ゼロ「テメェ、言わせておけば・・・・!!」
アイリス[何よ!]
ゼロ「何だ!!」
エイリア[ちょっと、2人共やめなさいよ、大人げない・・・・。]
エックス「そうだよゼロ、ちょっと落ち着け。」
ゼロ「ぐぐぐ・・・・。」
アイリス[むむむ・・・。]
ゼロ「・・・・チッ!」
アイリス[フーンだ!]
エイリア[大丈夫かしら・・・・。]
エックス「ああ・・・。」
エックスとエイリアは2人に呆れていた。
どこかの基地
イクスはベルカナとガレスと立ち会っていた。
第2話『リミテッドとDNAソウル』
第2話『リミテッドとDNAソウル』
ハンターベース
スタッガー「ざけんなゴルァァァァ!!エックス隊長はともかく、何故に俺を含む第17精鋭部隊が居残りなんだァァァァ!!」
フレイム・スタッガーが両手で棒をへし曲げながら、叫ぶ。(何故、8ボスのコイツがいるのかはエックスに敗れた後、イレギュラーハンターに戻ったため。)
ホーネック「落ち着け、スタッガー。」
エクスプローズ・ホーネックもオイルカップをすすりながらスタッガーに言う。
(何故、8ボスのコイツもいるのかはゼロに説得されて、あと、ケイン博士が作ったシグマウイルス破壊装置で元に戻ったため。)
スタッガー「これが落ち着いていられるか!!俺は置いてきぼりにされて悔しいだよっ!!お前は悔しくないのか!?」
ホーネック「ま、命令とかは与えられてないからな。まぁ、俺は少し心配だが、隊長達ならきっと帰ってくる。そう信じてるからな。」
スタッガー「・・・・・・お前、あの時から少し変わったな。前は信じるとか言わなかったのに。」
ホーネック「ま、あの時の隊長の言葉を覚えてるからな。ケイン総監のシグマウイルス破壊装置が無けりゃ、お前とこんな話なんかしてねぇしな。」
スタッガー「ま、そうだな・・・・。」
ビービー
アナウンス「B-354地区の高速道路でイレギュラー出現!イレギュラーは旅行バスをバスジャックした模様!イレギュラーハンターは出動せよ!」
警告音とアナウンスがスタッガーとホーネックの耳に響いた。
ホーネック「ふ・・・コイツは良い暇つぶしになりそうだ。」
スタッガー「よぉぉし!ヒートナックルチャンピオンの恐ろしさを思い知らせてくれるわぁぁ!!」
ホーネックとスタッガーは現場に直行した。
ラグズランド島の森の中
アイリス[宇宙生命体って・・・・そんなのが存在するなんて・・・・。]
エイリア[論理的に考えられるわね。イレイズ現象もその話が本当なら説明はつくわね。]
エックス「ああ。イクスは確かにそう言っていた。」
エックスとゼロはハンターベースから通信しているエイリアとアイリスと通信機でイクスとリミテッドについて、会話していた。
ゼロ「おそらく今回の事件はどっかの誰かさんがリミテッドを使ってレプリロイドのDNAデータを吸い出してんだろう。」
アイリス[でも、その目的が・・・・。]
ゼロ「・・・・エックス。」
エックス「・・・ああ。」
エイリア[エックス?どうしたの?]
アイリス[ちょっと、聞いてます!?]
エックスとゼロは怪しげな気配に気付いた。
エックス「エイリアが気付かないなら、敵はステルスを使ってるな・・・・。」
ゼロ「対ステルスプログラムは今、ダグラスが作ってる途中だしな・・・・。」
アイリス[敵!?そんな、レーダーには・・・・。]
エイリア[まさか、ステルスを!?]
ゼロ「そのようだ。」
エックスとゼロはそれぞれの装備を構える。
そして、上から敵であろう黒い影がエックスとゼロに襲いかかる。
エックス「上!?」
ゼロ「くっ・・・・!?」
ゼロはセイバーを構えて上から来た黒い影を刺そうとするが、その姿に一瞬動揺する。
黒い影は逆立ち状態でエックスとゼロの間に着地し、その状態でエックスとゼロに蹴りを入れ、普通の体勢に立つ。
ゼロ「ぐ・・・・う・・・・。」
エックス「う・・・・お前は・・・・!?」
エックスは黒い影の姿に驚く。何故なら、それは・・・・。
「油断したな、相棒。」
黒いカラーリング以外はゼロと同じ容姿。同じ声。その男はシグマ復活事件でシグマが作ったゼロのデッドコピー『ブラックゼロ』だった。
ゼロ「何故・・・お前が・・・。」
ブラックゼロ(以下ブラック)はシグマ復活事件の際にゼロに倒された。だが、今、ブラックが生きている。
ブラック「ま、『DNAソウル』のおかげってヤツ?」
ゼロ「DNA・・・ソウル・・・・?」
エックス「何だ、それは!?」
ブラック「俺はお喋りじゃないんでね。俺はお前らに挨拶しに来ただけさ。んじゃ、また会おうぜ。」
ブラックはエックスとゼロの前から去った。
ゼロ「待て!」
ゼロはブラックを追いかける。
エックス「おい、ゼロ!」
エックスもゼロを追いかける。
レプリロイド研究所
イクス「じゃぁ、オマエらの言う通りにDNAデータを吸い取れば良いんだな?」
ベルカナ「ええ。そのために貴方は作られたのよ。」
ベランダでベルカナは椅子に腰掛け、イクスと会話する。
イクス「だが、この島のDNAデータはエックス達とイレギュラーを除いて、全てイレイズされたはずだ。もう十分じゃ・・・・。」
ベルカナ「いいえ、まだよ。シグマはこの島を1日に半壊させる程のパワーを得るには、まだ足りないわ。
強化装置でパワーアップした貴方がシグマを倒す事によって服従させ、アタシ達は世界の英雄になる・・・。」
イクス「姑息だな。」
ベルカナ「何とでも言ってちょうだい。」
ベルカナも知っていた。シグマが力で服従するはずが無いと。本当の目的はシグマの復活ではなかった・・・。
森の中
エイリア[何ですって!?ブラックが!?]
エックス「ああ、蘇ったのはDNAソウルのおかげとか言っていたが・・・。」
エイリア[DNAソウル・・・?リミテッドに関係ある物かしら?とりあえず、調べてみるわ。]
エックス「ああ、頼む。」
エックスは森を抜ける。
廃墟
エックスは森を抜けて、廃墟に辿り着いた。
エックス「ここは・・・レプリロイド研究所・・・じゃないな。何かの施設か?」
ドガァァァァン
エックス「!?」
エックスから数十q離れた場所に爆発が起きた。
エックスはその場所に向かった。
ゼロ「はぁ、はぁ・・・・。」
ゼロの前にはイクスが立っていた。
イクス(コイツ・・・イレイズしようとしてもプロテクトが壊れない。流石、最後のワイリーナンバーズだけの事はある。だがっ!)
イクスはバスターをチャージしながらゼロに突進してきた。ゼロはそれを左に避けるが、胸と腹の間にバスターを突きつけられる。
イクス「ファイヤー!!」
イクスはバスターからチャージしたエネルギーをぶつける『チャージファイア』をゼロに繰り出した。
ゼロ「がぁぁぁぁあっ!?」
ゼロは仰向けに倒れた。
ゼロ(バスターにチャージしたエネルギーを直接ぶつけた!?)
イクス「これでプロテクトは壊れたはず。死・・・・。」
イクスがゼロに掌を掲げようとした時、
エックス「ゼローッ!」
エックスの声がイクスとゼロの耳に響いた。
ゼロ「エックス!?」
エックス「ゼロ、無事か!?」
ゼロ「かなりのダメージを食らった挙句、プロテクトが半壊状態だ。」
イクス(なに!?チャージファイアを受けてもプロテクトは壊れてないだと!?バカな・・・・!)
ゼロ「こうなれば、『ゼロバスター』でケリを・・・。」
ゼロは少々痛そうながらも立ち上がる。
エックス「その身体じゃダメだ、ゼロ。ヤツは俺が・・・。」
ブラック「いや、コイツは俺が引き受けよう。」
神出鬼没の如く、イクスの後ろに立ち、バスターをイクスの後頭部に突きつけたブラックがそう言った。
エックス「ブラック!?」
ゼロ「貴様!?」
イクス(コイツ、いつの間に!?だが、この距離なら避けられる・・・!)
ブラック「あー、お前ら、コイツは俺が引き受けるから、早く行け。」
エックス「・・・・!?」
ゼロ「何を・・・。」
ブラック「早く行け。」
エックスとゼロはブラックの言うとおりにした。
ブラック「イクス君だったっけ?キミ・・・・。」
ブラックがそう言いかけるとイクスがブラックにバスターを突きつける。
ブラック「良い実力してるね。まぁ、でも・・・。」
ドゴッ
イクス「ぐぅっ!?」
イクスは倒れ込む。腹を0.5秒の速さで殴られ、ダメージを受けたのだ。
イクス(は・・・速い・・・!?)
ブラック「遅いね。」
ドガガガガガガガ
イクス「ガァァァァァア!?」
ブラックはイクスに連続で格闘攻撃を叩き込んだ。
イクス(速いだけじゃない!この連続攻撃の一発も重すぎる!まさにパワーとスピードを融合した最強の連続攻撃・・・・!!)
ブラック「フィニッシュァ!!」
ブラックは回し蹴りでイクスを蹴り倒した。
イクス「ガハァッ!!ハァ・・・ハァ・・・。貴様・・・その攻撃・・・・どこで・・・・。」
ブラック「親切に教えてやろう。今の技は『コマンドアーツ』の劣化版だ。」
イクス「こ・・・コマンド・・・・アーツ・・・・?」
ブラック「コマンドアーツとは『武器エネルギー』こと『WE(ウェポンエネルギー)』を全て消費して、一気に技を繰り出す連続攻撃。」
イクス「あの技がそれの劣化版だと・・・・?」
イクスは立ち上がる。
イクス「ここは退却した方が良さそうだな・・・・。」
ブラック「それが良い。今より攻撃を速くすれば、俺と互角に戦えるぞ。」
イクス「要は鍛えろって事だろ?フン、良いだろう。私はエックスの前に貴様を倒す。」
イクスはベルカナの所に転移した。
ブラック「また、戦える事を祈ってるよ。イクス君。」
ブラックもどこかに去っていった。
廃墟の中
アイリス[いきなり単独行動取るなんて、任務失敗したらどうなるんですか!]
ゼロ「うるせー、テメーに言われたくねーよ!!」
エックス「まぁまぁ・・・。」
相変わらずゼロとアイリスが喧嘩してるのをエックスが仲裁していた。
エイリア[それにしても・・・・。今まで倒してきたイレギュラーが現れるなんてね・・・。]
エックス「ああ、元イレギュラーハンターのマックに、ゼロが倒したデュークン、つい最近ホーネックが処理したラバノフ・・・。」
ゼロ「ブラックが行っていたDNAソウルとか言うヤツが関係しているのか?」
アイリス[ブラック・・・・・?誰ですか?]
エイリア[シグマ復活事件でシグマが作ったゼロのデッドコピーよ。ゼロが倒したはずなのに、さっき現れた。]
アイリス[えぇっ!?どういう事ですか!?]
ゼロ「それがわかんねーんだよ!」
アイリス[何ですか、その言い方!]
エックス「まぁまぁ・・・。」
巨大な扉の前
エイリア[エックス、ゼロ、この先に巨大なイレギュラー反応があるわ。注意して!]
エックス「わかった!」
ゼロ「やってやるぜ!」
エックスとゼロは扉に直行した。
暗い部屋
部屋の照明は切れてて、周りには何もない・・・と思った瞬間、
エックス「はっ!」
エックスは何者かの気配に気付いた。それはゼロも同じだった。
ゼロ「フン、出てこいよ。それで隠れてるつもりか?」
ベルカナ「ウフフ・・・・。」
ベルカナの声が部屋に響き渡る。
エックス「何者だ!?」
ベルカナ「ご機嫌よう、エックス、ゼロ。私はベルカナ・・・。」
エイリア[ベルカナ!?]
エイリアはその名前に驚く。
エックス「エイリア、知ってるのか!?」
エイリア[イレイズ現象が最初に発生した研究所のメンバーの中にベルカナという名前があるわ。]
エックス「何!?」
ゼロ「まさか、テメェがこの島のレプリロイド達を!?」
ベルカナ「いかにも、その通りよ。」
エックス「一体、どんな目的で!」
ベルカナ「それを知らないまま、あなた達はここで死ぬのよ!」
ベルカナはそう叫んだ時、今まで影に隠れていた物体が姿を現す。
エックス「来るっ!」
エックスとゼロは身構える。
隠れていた物体は見方を変えれば死神に見える紫のガイコツ型巨大メカニロイド『スカルヘッド』だった。
スカルヘッドは口からレーザーを放ち、エックスとゼロを狙うが、2人はそれを避ける。
アイリス[エックス、ゼロ、頭部を狙って下さい!そこが弱点です!」
ゼロ「呼び捨てにすんじゃねぇ、頭狙えば良いんだろ!?」
アイリス[二度も言いますけど、何ですか、その言い方は!?]
エックス「2人とも、今はそれどころじゃない!」
エックスはスカルヘッドの口から出てきた小型メカニロイドを破壊しながら、ゼロとアイリスに言う。
モニタールーム
ベルカナ「あら、ゼロはオペレーターの片方と仲が悪いみたいね。しかも、短気で単純だなんて・・・。」
ベルカナはソファーに腰掛け、巨大モニターに映ったエックスとゼロとスカルヘッドの闘いを見ていた。
ガレス「俺は単純なヤツは闘いたい意味で好きだ。ある意味、物分かりの良いしな。そして、お前みたいなヤツもな。」
イクス「フン・・・・。」
イクスは治療を受けた後の無傷な身体でガレスの言葉に無愛想に顔を背ける。
ベルカナ「ガレス・・・・貴方、私にちょっと反論するのは良いけど、好みは変えないで。
『アレディック』は単純な人間は嫌いじゃなかったけど、そういう意味でじゃ無いわよ。」
ガレス「・・・・すまん、訂正する。」
イクス(・・・・アレディック・・・?)
イクスはアレディックという名前に疑惑を持った。
イクス「・・・・アレディックとは誰の事だ?」
ベルカナ「協力者である貴方にそれを知る権利は無いわ。」
イクス(コイツ・・・シグマを蘇らせようと思ってない・・・・?コイツ、一体、何を・・・。)
エックス「チャージショットで!」
エックスのチャージショットが、スカルヘッドの口から小型メカニロイドごとスカルヘッドの開いた口に入り、
スカルヘッドの頭部は爆発し、頭部を失ったスカルヘッドは沈黙した。
ゼロ「やったか・・・。」
ガレス「見事だ、エックス、ゼロ!」
部屋中にガレスの声が響く。
ゼロ「誰だ、お前は!ベルカナの仲間か!?」
ガレス「・・・・そうだ。我らはソウルイレイザー。狂ったイレギュラーの魂を吸う者。」
ゼロ「バカな!正常なレプリロイドはイレイズされ、イレギュラーは復活している。一体、何が狙いだ!」
ガレス「随分と威勢が良いな、ゼロ。面白い、ここは1つ、ゲームをしてみよう。」
アイリス[ゲーム・・・?]
ガレス「ルールはレースかスゴロクのような物だ・・・。貴様らがいるこの場所をスタート地点とし、レプリロイド研究所を目的地、ゴールとする。
スタートからゴールの間にいる6人のガーディアンを全員倒して、ゴールに進む。そのゴール・・・レプリロイド研究所に我らはいる。」
エックス「そんな無駄な闘いは意味がない!無駄な抵抗はやめるんだ!」
ゼロ「いや、エックス。話し合いより、6体をぶっ倒した方が早そうだ。」
ガレス「モニターで見ていた通り、物分かりが良いな、ゼロよ。」
ゼロ「フン、高見の見物でもして、あんなガイコツを俺達にけしかける臆病者に言われたくねーよ。」
ガレス「フン・・・臆病者かどうか・・・ゴールに着いてから試してみるが良い。
我が名はガレス!ゴールでまた会おう。」
アイリス[ガレス・・・そんなレプリロイドのデータは見当たりません。]
エイリア[それより、島で新しいパーツが・・・。]
ゼロ「ん?あぁ、敵からDNAデータが出てくるな・・・。コイツみたいによ。」
ゼロはスカルヘッドの亡骸から出てきた黄色い四角のアイテムを持つ。
エイリア[そのDNAデータで敵を復活させているようね・・・・。]
エックス「リミテッドが吸い取ったDNAデータを取り出して、強化パーツにしているのか?」
エイリア[そのようね・・・・。]
アイリス[まるで魂みたいですね・・・・。]
ゼロ「おそらく、これが・・・・。」
エックス「ブラックの言っていたDNAソウルか・・・・・。」
アイリス[見つかったDNAソウルはイレギュラーのソウルばかり。逆にソウルを利用して、何か作れるかもしれません。イレギュラーソウルを回収してください。]
ゼロ「イレギュラーのソウルをほったらかしには出来ないな・・・。」
エックス「消されたレプリロイドのソウルも探さないと・・・。DNAソウルを集めよう!」
どこかの屋敷
暖炉がパチパチと燃え、赤いコートの金髪の人間の青年と巨大なレプリロイドが向かい合わせにソファーに腰掛ける。
???「・・・・・・。」
人間の青年は無表情にある資料を見ていた。
その資料とは新聞記者『アレディック・コースィン』が事故死した時の資料だった。
資料にはこう書いてある。時期はサイバー事件、死因は交通事故、そして、その恋人の名前も書かれてあった。その名前は―――――――ベルカナ。そう書かれてあった。
????「どうだね、シルバーグ。」
シルバーグ・・・そう呼ばれた青年――――――『エリオン・シルバーグ』、通称、『エリオ』は名前を呼ばれて、
さっきまで見ていた資料から目を外し、正面のソファーに座っている巨大なレプリロイドを見る。
そのレプリロイドとはこの屋敷の主にして、レプリフォース元帥、ジェネラルだった。
ジェネラル「何か、わかったかね?」
エリオ「・・・・1つ、思い浮かびましたが、これはよく考えたらありえません。」
ジェネラル「そうか・・・・。観察眼の強い君に依頼を申し込んだのだが・・・・。」
エリオ「・・・そうですか・・・・。」
ジェネラル「だが、調査に協力してくれて感謝する。報酬の1000万だ。」
ジェネラルがエリオに1000万円の入った封筒を渡した。
エリオ「・・・・半分の500千を返します。結局、解けなかったのですから・・・。」
エリオは開けた封筒から500千を取り出すと、その500千をジェネラルに返す。
ジェネラル「いや、良い。調査に協力してくれただけでもうれしいのだ、1000万持っていってくれ。」
エリオ「しかし・・・。」
それでもエリオは遠慮するが、
カーネル「貰っておけ。」
ジェネラルの隣に立っていたカーネルが口を開いた。
エリオ「カーネル少佐・・・・。」
カーネル「元帥がそう言っているんだ。貰っておけ。」
エリオ「・・・わかりました。」
エリオは取り出した金を封筒に戻した。
エリオ「では・・・・。」
エリオは封筒を手に取り、ジェネラルに別れを言い、部屋から出て、屋敷から去った。
地下兵器工場
??「クックック・・・・ヒッヒッヒ・・・・。」
ある地下兵器工場で声が響く。
声の主はイレギュラーハンター反乱事件でシグマの反乱に参加し、エックスに倒され、シグマウイルス事件で復活し、またもエックスに倒された、
マスクと右肩に装備されたキャノンが特徴のイレギュラー・・・・『VAVA』だった。
因みにVAVAの姿はイレギュラーハンター反乱事件時の物。
VAVA「素晴らしい、素晴らしいぞ・・・。これでエックスとゼロも・・・・。クヒヒヒヒッ。」
VAVAは目の前でついさっき完成されたライオン型ライドアーマーに感激している。
??????「いかがですかな、VAVA様。」
?????「リミテッド搭載型ライドアーマー『ライオニクス』は。」
VAVAの後ろにいた約2mの漆黒のコート型のアーマーのレプリロイドと約1kmの全身に兵器を装備した紫色の巨大レプリロイドが、
ライオン型ライドアーマー、もとい、ライオニクスの感想をVAVAに聞いた。
VAVA「ああ、最高だよ、ホロコースト総統、デストロイ将軍。暴走装置さえ無ければな・・・。」
VAVAは顔を後ろに向いて、自分が『ホロコースト総統』と呼んだ漆黒のレプリロイドと『デストロイ将軍』と呼んだ紫色の巨大レプリロイドに感想を伝えた。
デストロイ「・・・気付いていましたか。」
VAVA「口封じに殺すつもりだったんだろうが、そうはいかん。俺は計画通りにやらせてもらおう。暴走装置は取り外してくれる。」
ホロコースト「フッ・・・・残念ながら、ライオニクスには・・・・。」
VAVA「貴様らへの忠誠プログラムが組み込まれている・・・・。」
デストロイ「分かっていましたか・・・・。」
VAVA「ちょいと用心深い貴様らの事だからな。」
ホロコースト「フッ・・・・どうやら、貴方には死んでもらうしか無いようだ。」
ホロコーストは右手をエックスバスターに変形し、疑似太陽エネルギーのレーザーをVAVAに放った。だが、レーザーはVAVAのアーマーに吸収された。
ホロコースト「なに?・・・・まさか、リミテッドと・・・。」
VAVA「ククク・・・。いかにも・・・。」
VAVAはマスクを取り、右目を中心にリミテッドと融合した顔の一部を露出した。
(要はGガ○ダ○のD○細胞に侵された人間の顔か、獣○ラ○ガーのド○・ガイ○トの顔の右上部分みたいな物)
因みに髪は短い金髪で、左目の怪しげな眼光と、怪しい笑みを浮かべていなければ、顔は美形だった。
ホロコースト「リミテッドと融合し、その進化によって、吸収能力を得ていたのか・・・・。我々ともあろう者がそんな事に気づかんとはな・・・・。
だが、何故、イレイズされなかったのだね?」
VAVA「イレイズされなかった?いや、されたさ。」
ホロコースト「なに・・・・!?どういう・・・まさか、リミテッドにDNAデータを吸い取られる際にリミテッドの身体を乗っ取ったと言うのか!?」
VAVA「その通り!俺の頭についているこのリミテッドこそが、今の俺の本体というわけだ・・・・。あばよ、総統!」
VAVAはマスクを被り、右肩のキャノン砲をホロコーストに向け、放った。ホロコーストの姿が爆発の煙で見えなくなった時、VAVAはライオニクスに手を当てる。
すると、ライオニクスの黒い目が赤くなり、ライオニクスは吼えた。
VAVAはライオニクスの操縦席に乗る。
VAVA「行くぜ、ライオニクス・・・・。俺の生まれ故郷へ!」
VAVAはラグズランド島に転移した。
デストロイ「総統、大丈夫ですか?」
ホロコースト「ああ、大丈夫だ、将軍。」
ホロコーストの周りを包んでいた煙が消えると、バリアを纏ったホロコーストの姿が現れた。
ホロコースト「ヤツにライオニクスを奪われるとはな・・・・。おそらく、忠誠プログラムも暴走装置も消されたのだろう。我々とした事が・・・。」
デストロイ「いえ、例え、VAVAがライオニクスでシグマを復活を復活させたとしても、エックスやゼロに負けるだけです。」
ホロコースト「まぁ、そうだな・・・・。」
ラグズランド島の森の中
エックス達がガーディアンを4人倒した頃。
ブラック「あ〜あ〜、こちらブラック。ヴァジュリー先輩、応答願います。」
エックス達の様子を見ていたブラックはシグマウイルス事件で出てきた『ナイトメアポリス』の一員『ヴァジュリーラFF』を通信機で呼びかけていた。
ヴァジュ「はい、ブラック。どうですか、エックス達の様子は?」
ブラック「ええ、ガーディアンを4人倒しました。相棒もオペレーターの女の子と段々打ち解けてきたみたいだし、この調子なら、ゴールに行くのも問題無いと思います。」
ブラックはヴァジュリーラと会話していた。
ELITE HUNTER ZERO