ギガンティス島のセントラルタワーに来たXだが、なにやら様子がおかしい。
何があったのか聞いてみると、最高責任者のアル長官が捕らわれたという。
そこにいたレプリロイド、エールが詳しいことを教えてくれた。
それによるとアル長官はリベリオンの仲間になることを拒否したため捕らえられたらしい。
しかも、敵の幹部がセントラルタワーの司令部からメカニロイドを放ち、タワーを制圧しようとしている、と言う。
その時・・
?「おい!このタワーに時限爆弾を仕掛けたニャ!死にたくなければ降参するニャ!!」
誰かがタワー内部のレプリロイドを脅迫。青ざめるレプリロイドたち。
X「ここは・・俺が行くしかない!!」
エール「い・・・一応私も行きましょう。」
二人でメカニロイドを倒しながら中心司令部に進んでいく。
その頃、敵の幹部のワイルドジャンゴーがその様子をモニターで見ていた。
ジャンゴー「あいつら・・おい!賞金稼ぎ!!」
スパイダー「ん?なんか用か?」
ジャンゴー「あいつらを殺せニャ!」
スパイダー「OK.」
その頃
X「うわっ!!」エール「危ない!!うわっ!!」
Xをかばってダメージを受けるエール。
X「くそっ・・リベリオンの兵士は強いな・・。」
休むまもなく兵士「プレオン」が集まってくる。
X「くっ!!」
エール「・・・ここは私に任せてください。」
X「無茶だ!そんな体じゃ・・」
エール「このIDを渡しておきましょう。パワーアップに使うことも出来ます。さあ、行ってください。はやく!!」
X「でも・・・!うわっ!!」
エールはXを突き飛ばし、すぐに扉を閉めてしまった。
その直後、爆発が起きた。
エール「は・・や・・く・・・」
X「エール!!・・・ありがとう!!」
涙を流しながら先に進むX。
しかしその時、再びスパイダーが現れた!
スパ「よお。また会ったな。」
X「お前は・・・!!」
スパ「ここから先へは・・ん?何を持ってるんだ?」
X「お前なんかに・・渡すものか!エールは・・エールは・・!」
スパ「え・・エール?」
X「?」 スパ「本当に・・エールのIDなのか?あいつは・・どうした?」
エールのIDを見たとたん顔色が変わるスパイダー。
X「俺を通すために・・敵の兵士に立ち向かって・・」
スパ「・・・・」
青ざめた顔から平静を取り戻し、一言言った。
スパ「・・契約は取り消しだ。X,お前についてくぜ。」
ジャンゴー「げっ!?」
X「えっ!?そ・・それはどういう・・・」
スパ「あいつは・・俺の相棒だった。俺のせいで大怪我して・・それでも俺を許してくれた。」
X「そうだったのか・・・。」
スパ「そうと決まればとっとと行くぞ!待ってろジャンゴー!!!!」
ジャン「良かろうニャ・・お前も一緒に血祭りにあげてやるニャ・・爆弾を解除できるものならニャ!」
百七十二話「対ジャンゴー」
スパイダーを仲間にしたX。
その二人の活躍により、簡単に司令部に行って爆弾を止め、アル長官を助けることに成功した。
が、ジャンゴーはすでに屋上のヘリポートに逃げてしまったという。
そして、すぐにそれを追ってヘリポートに来た二人。
ジャン「て・・展開早すぎニャいか?」
スパ「言ってる場合か?お前・・もう終わりだぜ。」
ジャン「ぐ・・・・ふ・ふ・・・・」X「?」
ジャン「グハハハハ!!!お前ら、俺を倒せるつもりかニャ!?二人で来ようが三人で来ようが俺様に勝てるわけはニャい!!」
X「なんだ・・この余裕は?」
ジャンゴーの余裕に、少し不安を覚えるX。
その時、スパイダーがカードを撃ち出した!!
スパ「ただ単に自信過剰ってだけさ!!」
ジャン「ニャめるなよ!!(舐めるなよ)」電撃弾を撃ち、迎撃。
X「く・・・くそっ!!」バスターを当てる。
だが、その直後ジャンゴーの目がXに向く。
ジャン「ガアアアッ!!!」
電気を帯びた爪「電閃ネイル」がXに斬りつけられる。
スパ「X!!やべえ・・・」
ジャン「お前はこうだニャ!メガサンダー(アイテム)!!」
スパ「ぐおおおっ!!!」
ジャン「死ねニャアア!!」
さらに連続攻撃を喰らい、スパイダーは倒れてしまった。
X「ま・・まずい・・!くそっ!!」
マイクロミサイルとバスター連射をするが、かなりの劣勢。
さしたるダメージも与えられないまま、ジャンゴーの攻撃を喰らって倒れてしまう。
X「く・・、ん?これは・・」
倒れた時、エールのIDを落としていたことに気がついた。
そして・・
ジャン「そろそろ終わりだニャ。最後は俺の必殺技で決めさせてもらうニャ。ハアアッーーーー!!」大ジャンプして、回転し始める。
X「そういえばエールが・・パワーアップにも使える・・とか。」
ジャン「死ねーーーーッ!!!」回転しながら電気を帯びて急降下!!
X「よし!これをつかって・・・!」
IDを使おうとした時、ジャンゴーはすぐそこまで降りてきていた。
ジャン「バカめーーーー!!」
X「し・・しまっ・・・!!」
X「・・・・?」攻撃は来なかった。
ジャン「アジャーーーーーッ!!!」
ジャンゴーの体には火がついて、ダメージを受けている。
ジャン「て・・めえ!何しやがったぁ!?」
スパ「へ・・メガファイヤーを使っただけだぜ・・。今だ、X!!」
X「よし!!!」IDを解析し、プログラム「ハイパーモード」を起動した!!
ジャン「ニャっ!?」
スパ「へへ・・」
X「Xファイア!!!」
新たなるアーマー、Xファイアが完成した。
ジャン「く・・ニャんだその姿は!?死ね!!ローリングアサルト!!!」
強力な一撃が再び突っ込んできた。
スパ「く・・・・!!!」
X「はあああ・・・・・」エネルギーをチャージし始める。
ジャン「チャージが終わる前にぶっ潰し・・・ニャ!!!?」
Xも空高く飛び上がった。
そして、今来たばかりの敵のヘリコプターをもって強引に投げ飛ばした。
ローリングアサルトはヘリコプターに命中。
ジャン「ニャ・・ニャんと!あ・・ああっ!!!」
頭上からXが飛んできた!!
X「チャージコレダーーーーーー!!!!!!!!」
ジャン「ギニャーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
炎属性の強力エネルギーをチャージし、敵に直接ぶつける新たなる技がジャンゴーを破壊した。
スパ「す・・すげえぜこりゃ・・。」
百七十三話「鋼鉄のマッシモ」
ティアナ海底収容所にやってきたX&スパ。
敏腕オペレーターのナナがとらわれているというのでやってきた。
X「ここにはナナの他にも捕らわれている人がいるらしい。みんな助けよう。」
スパ「ああ、わかったよ。さて・・敵でもでてこねえかな?」
X「あまり出てこなければ良いけど・・」スパ「おお?ビビってんのかい?」
X「違う!俺は無駄な戦いをしたくないんだ!」スパ「ほ~。」
スパと喧嘩しながらも先に進むX。
そこに、緑色の鎧を装備した大男が立っていた。
スパ「ん?何だあいつ・・敵・・じゃなさそうだな。」
X「お前は誰だ?」
?「・・・ん?わっわっ!!!お・・俺か!?ゴホン!おれは、俺はだな、マッシモ!鋼鉄のマッシモと呼んでくれ!」
スパ「?マッシモといえば・・ギガンティス島の英雄といわれた・・それが何でここに?」
マッシモ(以下 マシ)「え!?・・き、決まっているだろう!ここに捕らわれている仲間達を助けるためだ!
見たところお前達もそのようだな。よし、一緒に行こう!こういうときは仲間は一人でも多い方がいい!!」
X「あ、ああ。俺も仲間が増える分にはかまわないよ・・。よろしく!」
スパ「おーおー、簡単に決めちゃって・・ま、いいか、よろしくな、マッシモ。」
マシ「よし!ではいくぞ!!!」
突然現れた「鋼鉄のマッシモ」を名乗る男を新たに仲間に加え、再び進んでいくXたち。
マシ「おお!敵だ!!ここは俺に任せろ!!」スパ「ほー、やる気だねっ♪」
強力な斧、「マッシブランサー」で敵を一刀両断に切り裂く!!
X「す・・すごい威力だ!床まで真っ二つ・・え?」
水道管まで割れ、水があふれてきた。
スパ「おい!どうしてくれんだよ!!」マシ「す・・すまん!!!」
X「だ・・大丈夫かな・・?」
スパ「大丈夫じぇねえよ!!」
そんなこんなで、広い部屋に着いた。
X「ん?あれは・・?」スパ「写真とそっくりだ!あれがナナだな!?」
椅子に座った状態で無理やり働かされているナナの姿が。
プレオン「ん?お前ら、侵入者か!!出会え!!出会え!!」
何人ものプレオンが現れる。
X「チャージショットだ!!」
スパ「フォーチュンカード・・ツーペア!!!」カードを5枚出し、
その中からいい組み合わせを選んで打ち出し、威力や連射性を上げる技。
今のは2連射。
マシ「よーし、俺の技を見せてやるぜ!!!はああ・・・・」
エネルギーをため始める。スパ「おおっ!?」X「すごいパワーを感じる・・」
マシ「ベルセルクチャージ・・発射ぁ!!」
強力なエネルギーを鎧の羽根のような部分から発射した!!
マシ「どうだ!!」
X「す・・すごい威力だ・・」マシ「だろう!?」
スパ「でもよぉ・・敵は全員倒しちまってんだぜ?」
マシ「・・・・・え?」
壁だけが吹っ飛んでいた。
マシ「あ・・・ぬ・・ぬはははは!!どうだ!壁をも吹き飛ばすこの威力!!」
スパ「アホ・・」X「・・・・・はは・・」
ナナ「あ・・あの、助かりました。ありがとうございます・・。」
一応、ナナを助けることには成功した3人。
しかし、その騒ぎが元で警備が強化されていく・・・。
百七十四話「対ホーンド」
マシ「ふぅ・・はあ・・・」
スパ「へへ・・敵さん、俺たちの強さにビビりまくってたぜ。」
X「コレで殆どの人を助けられたな。」
三人の力で、捕らわれたレプリロイドを全員助け出すことが出来た。
そして、三人が奥へ歩いていくと・・
スパ「何だこの部屋?」
マシ「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺一人で行かせてくれ。頼む。」
X「え?あ、ああ・・・気をつけろよ。」
何故か一人で部屋に入りたがるマシ。深刻な表情に、Xは驚いていた。
そしてその部屋
?「おお、お前か・・。どうだ・・?その鎧は?」
マシ「やっぱりダメだ!!やっぱり『鋼鉄のマッシモ』はアンタだけだ!俺なんかじゃ・・・俺なんかじゃ・・!!」
?「・・お前は・・お前の真の力を知らないだけだ・・お前なら・・本物以上の・・マッシモに・・なれ・・・る・・」
その頃X達は、ナナと通信していた。
ナナ「Xさん、マッシモさんのことなんですが・・。」
X「え?」
ナナ「既存のデータと今のマッシモさんでかなり違うんですよ。」
X「え?どういう・・」
スパ「・・・とりあえず言えることは・・俺たちの仲間ってことだ。今、ここで言うべきことじゃない。」X「そうだな・・。」
そこに、マッシモが戻ってきた。
マシ「待たせたな。」
スパ「さて、この部屋がこの収容所のボスの遊び場らしいぜ・・。」
そして部屋に入った瞬間、大声が響いた!!
ホン「許さん、許さん、許さんぞお前らぁぁあああ!!!!!!!」
X「な・・なんだこいつは!?」
ホン「俺はシルバーホーンド!!お前らぁ・・よくも人質を奪ってくれたな!この手でぶち殺してくれるぅううう!!!」
スパ「よく言うぜ人さらい野郎が!!」
ホンがかかってくる前に顔面にカードを飛ばす。
ホン「お前・・もう死にたいらしいな?ならば消えろ!!!タイダルウェーブ!!!!」
巨大な津波が起こり、三人を飲み込んだ!
X「うわああああっ!!!!」マシ「ぐおおおおおお・・・・・」
スパ「くそっ!!!メガサンダー(アイテム)を喰らいやがれ!」
ホーン「ぐほっ!!」
津波の威力が収まり、消えていった。
X「雷が弱点か・・そうだ!俺もサンダーバスターを持っていたんだ!!くらえっ!!」マシ「俺のサンダーミサイルも喰らえ!!」
ホーン「その程度かっ!!!タイダルウェーブ!!!!」
三人「うわーーーーーーっ!!!!」
ホーン「死ねっ!!」倒れているXを踏みつけようとする。
スパ「フォーチュンカード・・スリーカード!!」
ホーン「ぐはああっ!!」
うまくXを助ける。
X「今だ!!・・Xファイア!!・・喰らえ、Xコレダー!!!」
スパ「もうおしまいか!?」
ホーン「ぐううう・・なかなかやるな。でやっ!!!」
二人のチームワークにたじろぐが、敵を凍りつかせる「クライオジェニック」を放った。
X「うわっ!!!!!」スパ「え・・Xが!!!」
ホーン「砕いてやる!!!」凍りついたXの方に走ってくる。
スパ「やめろ!」ホーン「うるさいわっ!!!」
スパイダーが止めに入るが、殴り飛ばされてしまった。
ホーン「砕けちれぇええい!!」
マシ「やめろぉおおおお!!!!」
マッシモがXを守り、代わりに殴り飛ばされた。
ホーン「ぬっ!?・・・お前は・・マッシモか?いや、違うな。」
マシ「!!」スパ&X「・・?」
ホーン「マッシモなら仲間に加わらないから俺が体を引き裂いて独房に入れたからな、まだ従わん!
しかし、あんなに弱いなら仲間に加えることも無いな!!フハハハハ!!」
その瞬間、ホーンドは後ろの壁にぶつかった。
ホーン「・・・何っ!?」
マシ「お前なんかが・・マッシモを笑う資格は無え!!!」
ホーン「よくも俺を・・・許さん!殺してやる!!!液体コーティング!!」
液体コーティングで防御力を上げる。
スパ「くそ・・・」
ホーン「死ぬがいい!!!タイダルウェーぐガッ!!??」
右肩に、マッシブランサーが突き刺さっていた。
マシ「貴様はもう終わりだ・・!!」
ホーン「ハアアアアアッ!!!!・・・今、何と言った?」
斧を引き抜き、投げ捨て、マッシモを睨みつける。
マシ「もう終わりだと言ったんだ!!パワー全開!!ハイパーモード・ダイモニオン!!!」
黄金のアーマーに身を包み、パワーをチャージし始める。
ホーン「チャージなぞさせるかぁ!!」
X「シェルバスター!!」スパ「マイクロミサイル!!」ホーン「ぐおっ!!」
復活した二人の攻撃を受け、バランスを崩した!!
マシ「ベルセルクチャージ!!!!!!!!!!くらえーーーーーーーーー!!!!!」
その隙を狙い、マッシモの最強の一撃がホーンドを貫いた・・・・!!!
マシ「マッシモは・・鋼鉄のマッシモは・・貴様のように弱者を虐げるようなやつに、負けはしない!!!」
第百七十五話「マッシモ」
ホーンドを倒した三人は、司令部へ戻った。
ナナ「ありがとうございました!!」
スパ「お礼ならホッペにチューでいいぜ?」X「こらっ!」
アル「とにかく、これでリベリオンの中の強敵が二人減ったわけだ。X、スパイダー、マッシモ。それにみんな。これからも宜しく頼むぞ。」
マシ「・・・なあ、みんな。聞いてくれ・・。」
X「ん?」
マシ「俺は・・俺は・・・、」
スパ「なんだよ?早く言いな?」
マッシモは、迷っていた。
自分が本物のマッシモでないことを言うべきか言わざるべきか。
言った途端、周囲の目が変わる・・・・そんな気がしたから。
マシ「う・・ぐ・・・・・お、俺は本物のマッシモじゃ・・」
X「わかったよ、もういい。」
マシ「・・え?」
X「さあ、次の戦いに備えて今は体を休めよう。さあ、行こう、マッシモ。」
マシ「X・・・・ありがとう。」
Xのやさしさに、少し涙ぐむマッシモ。
スパ「涙腺ゆるすぎねえか?」マシ「ほ、ほっとけ!!」
そして、半日ほど睡眠用カプセルで回復し、再びアル長官の前に集まった。
アル「諸君、今度はこのガウディル研究所に行ってもらいたい。フォースメタルジェネレータというものがあるんだ。」
X「フォースメタルはわかるけど・・一体それはなんなんですか?」
アル「フォースメタルを自在に作れる装置のことだ。コレが敵の手に渡ったら大変なことになる。」
スパ「わかったよ!んじゃ、行って来ますか!!」
そして、3人は研究所へ向かった。
X「ところで、お前達もフォースメタルを使っているのか?」
スパ「ああ。敵の攻撃をかわせる『ブラフ』っての持ってるぜ。」
マシ「俺は『ザ・マッシモ』といってな、戦闘力が上がるんだ。で、Xのフォースメタルはどんな能力があるんだ?」
X「Xハートって言って、一度やられても復活できるんだよ。」
スパ「へえ・・・」マシ「そりゃいいな!俺にもくれ!」
X「ダメだよ!俺専用で、俺しか使えないんだ!」
スパ「確か使い捨てでスペアボディって同じようなやつがあったような・・」
マシ「そうか!よし!それを手に入れてやるぜ!!!うおーーーーーっ!!!!」
とにかく、進んでいく3人であった・・・・。
第百七十六話「パラサイトの脅威」
マシ「フォースメタルジェネレータを使ってスペアボディを作ってもらうのもいいな・・。」
スパ「そんなに自信無えのか?」マシ「うるせー!そういうことじゃねえよ!」
X「まあまあ・・・・ん?」
Xは、後ろに何かが通り過ぎるのを感じた。
しかし、後ろを見ても何も無かったので気のせいか、と思った。
スパ「どうした?」X「いや、なんでもない。」
?「ふう・・見つかるとこだったよ。ラッキーラッキー♪」
ピンク色のニンジャ福のようなアーマーを着た謎の影が去っていった。
そして、研究所に来た三人。敵を倒しながら進んでいく。
マシ「こ、こいつ!チョコマカと・・!うわっ!」虫型の敵、パラロイドに攻撃をかわされ、超音波を喰らう。
X「れ・・レイダーキラー!?カウンターハンター戦争時に出てきた・・またこいつか!うわっ!!」ビームを喰らった。
スパ「だらだら喋ってるからだよっ!!」カードを撃ちだし、レイダーに当てる。
レイダー「ギゴッ!!」マシ「おお!効いてるぞ!」
その時・・
パラがレイダーに吸い込まれた!!
そして、レイダーが急にパワーアップした!!!
レイダー「ギャオオオオオッ!!!」三方向にビームを放ち、三人にダメージを与える。
マシ「こ・・こいつ急に強くなりやがった!!」
X「パラロイドが寄生して能力が上がったんだ!!」
スパ「でもよ・・こいつ一人なら俺たち三人の敵じゃねえぜ!!・・・ん?」
そこに、同じく寄生されたキラーマンティスやブレオン達が現れる。
スパ「こりゃやべえ・・。」
X「チャージショットだ!!!くらえーーーっ!!!」
チャージショットを撃ち、ダメージを与えはしたが決定打にはならない。
マシ「や・・やべえぜ!!おりゃあああっ!!!!」
全力の一撃を食らわせ、ブレオンを一体倒すが、いつまでもこんなことをしているわけにもいかない。スタミナが減るからだ。
X「ま・・まずい。ハイパーモードになってもひとりずつしか相手に出来ない・・
このままじゃフォースメタルジェネレータを貰い受けるどころかガウディル博士にも会えない!」
スパ「・・・よし、やってみるか・・フォーチュンカード!!!」
マシ「だ・・大丈夫か!?」
スパ「来たぜ来たぜぇ!!!ロイヤル・ストレート・フラッシュだ!!!!」
敵全体にカードの嵐!!!次々と倒れていくメカニロイド!!
X「す・・すごい!!」マシ「おお・・・!!!」
スパ「どうだい?俺の必殺技♪」
そのころ・・・
?「ふふん。この部屋にFMG(フォースメタルジェネレータ)があるんだね?頂いちゃうよ~。」ドアを開ける。
??「誰ですか?」そこにいたのは、看護服を来た女の子。
?「えっ!?・・・FMGは・・?」
百七十七話「マリノとシナモン」
忍び込んできた女怪盗、マリノ。そして、そこにいた少女、シナモン。
マリ「な・・なんだい、あんたは?FMGは・・・?」
シナ「私は、シナモンです。」
マリ「え、あ、そう・・・。でさ・・FMGって知らない・・かな?」
シナ「それをどうするんですか?」
マリ「ふふん♪盗みに来たのさッ!」
シナ「あ、それじゃどうぞ、盗んでください♪」マリ「・・・・へ?」
シナ「私、狙われてるんです。それならいっそ、あなたが盗んでください!」
マリ「い、いや、あたしはFMGを・・・」
シナ「私がFMGなんです。」マリ「・・・・へ?」
意外な言葉の連続に驚き、目が点になるマリ。
ちょこんと座って楽しそうに話すシナ。マリの顔を見て笑っている。
その頃・・
X「・・あなたは?」
ガウディル博士「あ、あんたらはレジスタンスかグワ!?」
マシ「確かにそのとおりだ。アンタは、ガウディル博士だな?」
ガウ「そうだグワ!た、たのむ!シナモンを助けてくれ!!」
スパ「・・・?話が良くわからねえな・・」
ガウは、FMGは悪人に見つからないようにシナモンの体内に取り付けられていたが、敵の科学者Dr・サイケがガウを脅迫して
(教えなければシナモンを殺すと言った)今、シナモンが危険だということをX達に説明した。
X「そりゃたいへんだ!!さあ、早く行こう!!」
マシ「おお!!!」
そして、シナの部屋。
シナ「・・・というわけなんです。」マリ「そっか・・そのサイケってやつから逃げたいのかい・・でも、ホントにいいのかい?」
シナ「はい!マリノさんいい人ですから!」
マリ「・・・呆れたねこりゃ・・・ま、いいや♪さ、行こう。盗んでやるよ。」
シナ「はい!・・・あ!!!」
その時、マリノが敵の攻撃で倒された。
サイケ「ここにあったのかFMG・・。さあ、一緒に来い!出なければこの泥棒にとどめを刺すぞ!!」
脅迫しながらマリノを踏みつけるサイケ。
マリ「う・・」
シナ「やめてください!!私、行きますから!!!」
サイケ「よ~し、いい子だ・・ヒヒヒヒヒ・・・」
第百七十八話「対サイケ」
シナモンの部屋へ来たX達。
マリ「・・・あんた達・・は・・」
X「君がシナモンかい?」
スパ「へ~けっこう美人だな・・」
マシ「美しい・・」
マリ「あたしじゃないよ。シナモンはさっき変なやつらに・・」
X「なんだって!?早く助けに行かなきゃ!!」
マリノを仲間に加え、サイケを追う3人(4人)。
途中、再びレイダーキラーに襲われた。
マリ「ここはあたしに任せな!!」そういって、攻撃を身軽にかわしながらビームナイフを取り出し、敵の胸を切り裂いた。
スパ「やるね~。」カードを出して援護する。
X「一気に行くぞ!!」マシ「オウ!!」
4人の攻撃を受け、レイダー撃沈。
そして・・・
サイケ「ん?誰か走ってくる・・」
シナ「・・・?」
護衛のブレオンを倒しながら現れたのは、勿論X達。
マリ「さあ、おとなしくシナモンを返しな!!今度は4人もいるんだよ!」
得意げにサイケを指差すマリ。
スパ「おいおい・・なんか俺たち子分みたいだな・・」
X「まあまあ・・ここは彼女に協力して早く敵を倒そうよ。」
しかし、サイケはX達を見て笑い出した。
サイケ「ヒャハハ!!お前らレジスタンスの主力部隊が揃いも揃ってワシの元に死ににきよった!!手柄を立てるチャンスだわい!!ヒャアハハッ!」
スパ「ほ~、言ってくれんじゃんか・・・おらっ!!」
カードを打ち出し、命中させた。
サイケ「ぐおっ!?」
マシ「一気に決めてやるぜ!!!どおりゃあああああっ!!!」
全力をこめた斧の一撃を頭から落とそうとしたが、避けられる。
それでも、左肩のパーツを切り落とした。
X「今だ!」バスターを撃って、左肩を破壊した。
マリ「ていっ!!」その隙を突き、サブのミサイルを撃ちながら敵の首を一気に切り裂いた。
サイケ「がはっ・・・・。」
マシ「へ、大した事無かったな。」
シナ「あ、ありがとうございま・・あっ!!!」
シナ、上空にある物に気づく。
スパ「ん?・・・何ッ!?」
サイケの頭が浮かび、そこに隠れていた強化アーマー「マッドノーチラス」に接合された。
サイケ「科学者なめんなよーーーーッ!!!」
触手からビームを撃ってくる。
X「うわっ!!!」マシ「ぐ・・・おおおっ!!」
X「まずい・・ここはハイパーモード・Xファイアだ!!」
サイケ「あれがハイパーモード・・・」
X「砕け散れ!!チャージコレダーーーー!!!!!」
強烈な一撃が決まった。
しかし、それがマッドノーチラスの装甲を破壊するまでに至らないという事実が、3人を驚かせた・・。
サイケ「コア放熱開始!!」その時、装甲が開きコアが現れ、高熱波が全員に向かって飛んできた!!
シナ「きゃああっ!!」マシ「危ない!!!」
・・・・・スパはトリックスターになって攻撃をかわし、マリも物陰に隠れ、Xも耐えたが、マシがシナをかばって倒れてしまう。
シナ「い・・いやあ!!うう・・・・」目の前で倒れたマシを見つめ、涙を流す。
スパ「くそ・・・フォーチュンカード・・ゲッ!ファンブル(失敗)・・・!あ、トリックスターが切れた・・!!」
サイケ「死ねッ!!」スパ「ぐあああっ!!」集中したビームをくらって倒れた。
X「くそ・・・あのコアが開いた時に攻撃できれば・・・でも開いてから放熱までの時間が短すぎる!」
マリ「・・・・」
その時、Xファイアも時間切れに。
サイケ「とうとうそれも終わったか・・死ね!!コア放熱!!」
マリ「・・・・ハイパーモード・クイックシルバーーーーー!!!!」
ピンク色の鎧が黒く変わり、パワーアップした!!
X「!・・・これは!」
マリ「いっくよーーーっ!!!エモーショナルリール・・ハイパーダイブ!!!」
高速落下で蹴りを食らわせる。
そして、さらに攻撃を連打。
連打。連打。連打・・・・・。
サイケ「げ・・・あ・・・・!!!」
X「たった十数秒で・・・!!!」
マリ「どうだい?あたしの高速移動は。」
百七十九話「乱入者」
司令部に戻った6人。シナがガウに、みんなと一緒に戦いたいと説得している。
ガウ「シナモンがそこまで言うなら・・仕方なかろうグワ。」
シナ「本当ですか!?やったぁ!!!」
マリ「良かったね~。」シナ「ハイ!」
3時間の説得の末、どうにかシナはX達と一緒に戦えるようになった。
スパ「ん~いいね~、男ばっかで退屈してたんだ~♪ナナちゃんは内勤だし・・。」
マリ「あらあらだね~、まったく、この前の戦いじゃ殆ど役に立たなかったくせに!あたしのクイックシルバーがなかったら・・」
スパ「んじゃ、そのクイックシルバーでかかって来てみ?」
X「お、おい、やめろよ・・・。」
二人が喧嘩をしだしたのを見て、止めようとするX。
しかし、既に遅い。マリノはハイパーモードになっていた。
マリ「ふふん♪・・・・・何ニヤニヤしてんのさ?」
スパ「いや~、いいフトモモ・・・」
マリ「この助平ぇ!!!!」高速で膝蹴り!!!
スパ「トリックスター☆」
姿を消され、マリノはアル長官に痛烈な一撃を加えてしまった。
アル「ぐはぁ・・・・っ!!!」KO.
マリ「げっ・・・」X「大変だ・・・!!」
ナナ「あの~、そろそろ次の目的地に向かって欲しいんですけど・・」
マシ「そ、そうだな。もう予定を2時間過ぎてるわけだし・・おい、喧嘩は止めろ!!」
スパ「う~ん、いいね~その表情♪」マリ「このバカッ!!」
マリノの攻撃をかわしながら表情やらを楽しむスパ。
Xやシナは止めようとするがなかなかうまくいかない。
マシの声も誰にも届いていないようだ。
マシ「くそ・・こうなったらダイモニオン・・」
ナナ「やめてください!もっと大変なことになっちゃいます!!」
マシ「う・・ぐむぅ・・・・」
そして、四人が諦め始めたその時大きな爆発音が!!!
??「ぎゃハハハハーーー!!!揃いも揃ってバカばっかりか!!!」
緑色の、謎のレプリロイドが現れた。手に爆弾を持っている。
マリ「・・・!?」スパ「誰だあいつ!?」
X「・・・お前は・・誰だ?」
??「僕だよ・・僕!!」
そのレプリロイドが光る・・そして、光の中から、アクセルが!!!
X「アクセル!!」
アク「やっほー!久しぶり!」スパ「何だ、こいつは!?」
X「俺の仲間だ。・・でも、何でこの島に?」
アク「Xが行ったって聞いてさ、この島のことを調べてみたらレプリロイドの研究が盛んだって言うから
僕の出生のこともわかるんじゃないかって・・・」
X「そうか・・・ブラックの修行から逃げたんじゃなかったのか・・。」
アク「て、ひどいなーーッ!!けっこうつらいけど、師匠にも行って来いって言われたんだ!!」
マリ「それはいいけどさ・・なんで爆弾なんか使ったんだい?」
アク「あ、アレは改造爆竹。」マリ「へ~・・。」
その時、アルが起き上がり、アクをみて一言。
アル「ん?犯人か?」
アク「だからなんでそーなるんだよーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
ナナ「あの~、早くウルファト工業地帯に行って欲しいんですけど・・」
第百八十話「爆炎の中から」
ウルファト生産工場に来た6人。
アク「いや~、暑いね~。」
マリ「ホント・・誰か氷系の技使ってくんない?」
スパ「脱いだ方がいいんじゃないの?」
マリ「このバカ!!!」
怒ったマリノの連射攻撃だが、スパは全部かわす。
スパ「おやおや、どうしたの?」マリ「悔しい~・・・・。」
そこにシナが割って入る。
シナ「喧嘩は止めてくださいよぉ!!」スパ「はいはい♪」
一応、止めると言うスパだが、顔は全然「やめる」と言ってない。
しかし・・
シナ「わかってくれてよかったです♪」
マリ「あのねえ、こいつがホントに言うこと聞く思うのかい?」
シナ「大丈夫ですよぉ!」マリ「あのねえ・・・・。」
スパ「素直だね~シナモンちゃん♪」アク「・・純真すぎだよ・・」
マシ「さあ、早く行こうぜ!!」
そんなこんなで一気に進む6人。そして、ボスの部屋に着く。
X「ここにボスが・・」アク「さ~てと、一気に決めちゃおう!!」
その時・・ドアが爆発した!!!いや、ドアが爆風で吹き飛んだのだ!!
X「なんだ!?」
爆炎の中から、キラキラと輝く長い髪が見えた。
その髪は風に乗って流れる。
そして、炎に照らされ、真紅の鎧がより赤々と輝く。
シナ「きれい・・」マリ「・・・・。」マシ「美しい・・・」
その姿を見た者達が、その姿に魅了される。
その男の名は・・
X「・・・・ゼロ!!!」
アク「あ!ゼロだ・・!!」スパ「へえ・・アレが・・。」
ゼロ「・・X、それにアクセルも・・」
X「ゼロ!生きててくれたんだ!!!」
この戦いで、Xはリーダーとして厳しい顔つきでずっと戦っていたが、ゼロを見たとたん普段の優しい顔つきに戻った。
X「あれからどうやって・・・」
ゼロ「そんなことより、まずはあいつだ。」
アク「・・・アレがボス?」
マッハジェントラー「ぐ・・ぐうう・・・」
既にゼロにかなりやられていて、うまく動けない様子。
アク「このまま一気に決めちゃえーーーーッ!!!」
ジェン「そうは行くか・・。」
第百八十一話「デュボア」
ゼロ「はああっ!!」早く重い「一撃」を連打する。
ジェントラーは既に虫の息と言ってもいい。
ゼロ「そろそろ終わりだな。」
アク「凄い!!完全にゼロの圧勝だね♪」
シナ「すごいです・・」マシ「ま、まあまあだな!ハハハ・・」
ゼロの強さを賞賛する仲間達。
ジェン「く・・己、このままでは完全に負けてしまう・・・やはりもうアレしかない・・・!」
ゼロ「どうした?まだやるのか?」
勝利を確信したゼロ。しかし、それが隙を作ることになる。
ジェン「ゲレナフレイム!!!」ゼロ「うおっ!!」
ゼロ達を炎が包む。
X「アイスバスター!!!」地面を冷やして炎を止めようとするが、うまくいかない。
アク「くぅ・・・!!」
炎が消えた時、ゼロの視界からジェンが消えていた。
ゼロ「どこだ!?」
ジェン「ここだ!!フハハハハ!!」何かの装置の上に立って、回復をしている。
マシ「回復装置か!?」
ジェン「違う。回復はアイテムを使っているだけ。この装置は『デュボア』。私の声にのみ反応するメカニロイドの永久生産装置なのだ!!
出でよブレオン!!」
ジェンが叫ぶと、一瞬にしてゼロ達は無数のブレオンに囲まれた。
X「まずい!!早く倒さなきゃ!!チャージショット!!」
マリ「ていやっ!!!」ビームナイフで攻撃する。
アク「やばいよ!はやく攻撃攻撃!!」銃連射。
マシ「ベルセルクチャージ!!!」強力な一撃で敵を一掃するが、まだまだ生まれてくるブレオンたち。
シナ「こ・・これじゃきりがないです!!」
スパ「諦めるもんじゃないぜ・・・フォーチュンカード・・トライカード!!」
ゼロ「アースクラッシュ!!!」
戦うゼロ達を見ながら、ジェンは空に舞い上がった。
ジェン「フフ・・馬鹿共めが。このまま兵に倒されるがいい。デュボアにもバリアーを張ってあるしな。」そして、飛んで逃げようとする・・
しかしその時!
アク「あ、待て!!」アクが銃でジェンを撃った!!
ジェン「ぐおっ!!」
ゼロ「逃げようなんてさせないぜ!!」ふらつくジェンに飛び掛るゼロ。
ジェン「ハイパーダイブ!!!!!」
強烈な空からの体当たりをまともに食らったゼロ。
先ほどは圧倒的優勢だったが、この威力には一瞬、目がかすんだ。
床に叩きつけられ、さらにギガファイヤ(アイテム)の追い討ちまでも喰らう。
X達は未だにブレオンの相手。だんだんペースが落ちてきた・・。
しかし、その時アクセルがひらめいた。
アク「・・・そうだ!!変身!!」
ジェン「・・何っ!?」
アクは、ジェンに変身した!!先ほどゼロは一度アクの近くにジェンをふっ飛ばしていた。
その時すばやくDNAデータをスキャンしていたのだった。
アク「デュボアよ!!活動を停止せよ!バリアーも解け!!」
ジェン「ぐ・・・・!!!」
デュボアは、あっけなく止まった。
X「うおーーーーーーーーっ!!!!!!」
強烈なバスターの一撃がデュボアを破壊した・・!!!
ジェン「あ・・・ああ・・・う、うおおお・・・・。」
悔しがるジェンの後ろから、追い討ちをかけるように声が出た。
ゼロ「・・・・さて、どうなりたい?」
ジェン「!!!!!」
恐怖に顔を歪ませるジェン。
しかし、またも一瞬の隙を突いて、アクセルに飛び込む!!
ジェン「貴様がーーーーっ!!!」ギガファイヤでアクの銃を落とし、ハイパーダイブ。
アク「ハイパーモード・ステルス!!」
ジェン「なっ!?」姿を消したアクにすり抜ける。
そして、一瞬でジェンの前に回ったゼロ!!
ゼロ「終わりだーーーーーーっ!!!!」
ジェン「止めろーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
ゼロサーベルの最後の一撃がジェンを切り裂いた。
百八十二話「ゼロ、司令部へ」
司令部に帰ってきたゼロたち。
ゼロ「ここが司令部か。」
X「ああ。この人がアル長官だ。」
アル「よろしく。お噂はかねがね伺っている。」
ゼロ「ああ・・でも酷い怪我だな。」
アル「え?あ、ああ・・グウ・・」179話で大怪我をおっていたアル長官・・
そして7人は彼らに用意された控え室に入って話をする。
スパ「俺、スパイダー。特技はカード。好きなタイプは年上の長髪。よろしくなっ♪」
ゼロ「あ、ああ・・。よろしくな。」
ちょっとテンション高めなスパイダーに戸惑うゼロ。だがその時・・
スパ「ん~、見かけによらずかわいいね~☆照れちゃってゴハッ!!!!!」
何年ぶりだろうか。ゼロは女性と間違えられ、その相手を殴った・・
ゼロ「このやろぉ・・・って言うか声聞いて気づけ!!」
アク「コレが噂の・・」X「噂になってたのか・・(ゼーラさんかな?)」
スパ「いてて・・ひでえ目にあった・・」
マリ「女のことばっかり考えてるからそんなことになるんだよっ!」
スパ「おっ?ひょっとして妬いてる?」マリ「な、なんでそうなるんだい!!」
またも喧嘩を始めるスパ&マリ。マシのジュースが吹っ飛んだ・・
マシ「(オ、俺のジュース・・)俺はマッシモ。鋼鉄のマッシモだ。」
ゼロ「よろしくな。」
シナ「私はシナモンです!・・今日からお友達ですね!」
ゼロ「・・・友達って・・ただ今回一緒に戦うってだけだろ。」
シナ「え・・そんな・・」
ちょっと冷たいゼロに落ち込みそうになるシナ。
しかし、マリノが『照れてるから』と耳打ちして、すぐに笑顔が戻った。
シナ「ゼロさんって・・かわいいです♪」
百八十三話「アクセル対シャドウ」
ギミアラ採掘所に来た7人。
しかし、ゼロはあまり新しい仲間と近づこうとしない。
スパ「さっきのこと気にしてんのかぁ?ったくよ、そんなんじゃ~・・」
ゼロ「フン。」
マシ「・・随分怒らせてしまったみたいだな・・。」
マリ「照れ屋だね~。そういや今の奥さんにキスされて真っ赤になって気絶したんだっけ?(第一話)」
アク「え、そうなの!?」X「あ、ああ・・・。」
シナ「そうなんですか?ウフフ・・」マリ「けっこ~有名だよ。フフっ♪」
スパ「アハハハハ!!」
ゼロ「うるせーぞお前ら!!!早く来い!!!」
後ろを振り向いて怒ったゼロの顔は、真紅に染まっていた。
それがX除く5人をより笑わせる結果となり、ゼロはますます機嫌が悪くなった・・
X「ま、まあ・・これから一緒に戦うわけだし、そんなにいつまでも怒ってないで・・」
ゼロ「あ~あ~、わかってるよ!!」
Xの言葉にも耳を貸そうとしない。そんな時、敵の攻撃が!!
ゼロ「誰だ!!」
X「・・おまえは!」
シャドウ「俺だよ俺。久しぶりだな・・!」
そこにいたのはリベリオン軍についた元ハンター、シャドウだった!
ゼロ「お前か・・」
シャドウ「へへ・・ここでお前らを全員始末してやるぜ。そうすりゃ俺は三幹部に入れるかもな。」
X「三幹部・・」最初にイプシロンたちと会った場所に居た三人を思い出した。
ゼロ「気をつけろ。X、こいつは裏切り者だ。」
X「ああ・・そうみたいだな。」
その時、Xとゼロの後ろから一人、シャドウの前に立った。
アク「ここは僕に任せてよ♪」
X「アクセル?」
シャドウ「なんだぁ?俺の相手をお前一人でするってか?馬鹿め・・」
X「ひ、一人で大丈夫か?あいつはA級だけどあっちで強化されたかも・・」
ゼロ「・・やらせてみよう。ブラックのとこで修行したらしいからな。
そして、戦闘が始まった。
シャド「おらああ!!」腕の刀で切りかかる。
アク「おっと!」軽くかわして、銃で撃つ。
シャド「!!って・・てめえ!!」エネルギーをため、強力なエネルギー波を放った。
アク「ステルスモード!!」これまた軽くかわして、撃ちまくる。
マリ「へ~、なかなかやるじゃないか。」マシ「ま、まあまあだな!」
シャド「なめんなぁ!!!」渾身の蹴りを放つ。
腹部に直撃・・かと思われたが、なんと受け止められていた!!
アク「へへ・・」
シャド「そ・・そんなはずは・・俺はフォースメタルで出来る限り強化した・・」
アク「それでも僕はお前より強い。それがお前の勝てない理由さ。」
そして、一撃胸に蹴りを入れ、シャドウを壁にめり込ませた。
シナ「すごぉい・・」
ゼロ「基本的にパワーアップしてるな。ブラックの修行の成果か・・」
シャド「く・・・が・・・ちくしょぉ・・な・・・なめんじゃねえエエ!!!」
そして、フォースメタルを取り出した。
スパ「ん?なんか普通のフォースメタルと違うか・・?」
百八十四話「超フォースメタル」
シャドウ「ハアーーーーーーーッ!!!!!!!」
謎のフォースメタルを装備したシャドウから、一気に力が吹き上がる。
アク「え・・・・!?」一瞬で投げ飛ばされたアク。
ゼロ「何だ・・あのフォースメタルは!?」
シャドウ「これは超フォースメタルだ!!」
スパ「超フォースメタル?」
その言葉に誰もが興味をそそられたが、そんな暇はない。
シャドウの一撃一撃が全員に順番に加わる。
マリ「ゲッ!?」スパ「おおっ!?」マシ「ドわっ!!」シナ「キャッ!!」
シャドウ「フワハハハハ!!こんなもんかお前ら!!」
今の自分の力に驚愕しながらも狂喜するシャドウ。
その攻撃はとどまることを知らず7人にぶつかる。
X「まずい・・!Xファイア!!」
ハイパーモードになって攻撃するが、なかなか当らずダメージを与えられない。
シャドウ「こんなもんか!?」X「ぐはっ!!」
マリ「ホークアイ!!」必ず攻撃があたるサブウエポン。
それを使ってビームソードで切りかかるが・・
シャドウ「・・このアマぁ・・・。」マリ「・・ゲッ・・!!」
殆ど効いておらず、逆に強烈な一打を喰らう羽目に。
スパ「てめえ!!フォーチュンカード・・ツーペア!!」
シャドウ「ぐっ!」マシ「今だ!!チャージアタック!!!」
二人のコンビネーションが決まった。
だが、決定打にはならない。
シャドウ「なかなかやるじゃねーか!!」
チャージされたエネルギー波を喰らい、二人とも倒されてしまった!!
アク「変身!!」ホーンドに変身し、タイダルウェーブを放つ。
シャドウ「ぐううう・・・・」アク「どうだ!!!」
シャドウ「甘いぜ!!」あまり効いておらず、またもエネルギー波をだす。
アク「ステルス・・あ・・!」先ほど使ったのでもう使えない。
そしてその一撃がアクに入った。
アク「は・・・・!!」
シャドウ「あーーーっはっはっはっは!!もうこんな程度かよ!!!これが超フォースメタルの力だ!!!」
ゼロ「・・・それで終わりか?」シャドウ「あ!?」
ゼロ「今度は俺の番だ・・ハイパーモード・・ブラックゼロ!!!!!」
ゼロが口を開いた。その表情に畏怖するシャドウ。
そして、新たなる姿に変身した・・・。
百八十五話「シャドウの最期
X「これが・・ゼロのハイパーモード!!」
スパ「へぇ・・」
アク「師匠みたい・・」
ゼロの姿は殆どまさにブラックゼロ。
区別がつきにくいが、ブラックを知っているのはXとアクだけだったので混乱は避けられた?
シャド「・・・(あのゼロの強化版・・でも俺も最強にパワーアップしてるぜ・・勝てる!!)キシャアアアアアアっ!!!!!」
刀を構えて突っ込んできた!!
ゼロ「ファイナルナックル!!!!」
拳を地面に叩きつけ、巨大な光の柱が立つ・・・・・!!!
そこに思い切り飛び込んでしまうシャドウ。
シャドウ「ギャアアアアアア・・・・・!!!!」
ゼロ「だああっ!!!」セイバーで横薙ぎに斬った。
シャドウ「ガッ!!」
大きなダメージが連続し、驚くシャドウ。
先ほどまでの表情が嘘のように意気消沈していた。
マシ「い・・いける!これなら勝てるぞ!!」
シャドウ「うるせえ!!・・今のお前らの体力なら一人くらいは殺せるぜ・・!!」
ゼロの方に気を配りながら他の6人を狙ってエネルギーをためる。
ゼロ「させるかっ!!」斬りかかる。が、刀で止められる。
アク「止められた!?」ゼロ「なっ!?」
シャドウ「俺はなあ・・チャージしながら戦えるんだよ・・」
チャージは背中の鞘で行っているので、戦闘自体に影響は無い。
シャドウ「どうだ!お前は戦いながらチャージする時は片手どちらか使えなくなる!だが俺は両手が使えるんだぜ!」
ゼロ「残念だったな・・俺の大技にはチャージ無しで出来る技が・・山ほどあるんだよ!!」
アースクラッシュのエネルギーを手に集中して殴った!!
スパ「おお・・!!」
シャドウ「グハッっ・・・・・・・・・・・・!!!!!????」
白目をむいて仰向けに倒れるシャドウ。
X「や・・やった!!」マリ「凄いじゃないかい!!」
ゼロ「こんな奴・・大した事はねえ。」
倒れたシャドウに一瞥をくれ、元の姿に戻りながら仲間のもとへ歩いていった。
そのとき・・!!
シャドウ「死ねーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
先ほどまでチャージし続けたエネルギー波を全員に向けて放った・・・・!!!
さっきまでの戦いでダメージを受けたゼロ以外の6人は倒れてしまうようなエネルギーが全員を包み、大爆発が起こり、煙が立ち込めた・・
シャドウ「や・・やったぜ・・ハハハハ・・ん?」
立ち上がって、ゼロが襲ってくる前に帰ろうとしたが、煙の中の影の個数に気づいた。
シャドウ「1・・2・・3・・・・・・7人?」
アク「残念だったね~~。」マリ「あのダメージだったら確かにあたし達は終わってた。けどね・・」
並んでいる6人の後ろから、シナモンがちょこんと前に出た。
シナ「私の回復技『エンジェリックエイド』を使ったんです!!」
スパ「って、わけだ。ざ~んねん☆」
シャドウ「あ・・・ああ・・・うわあああああっ!!!!!」
ゼロ「終わりだ・・コマンドアーツ!!!」
シャドウは、最強の連続技の前に・・叫ぶことも出来ないまま消滅した。
百八十六話「スパイダーとマリノ」
一旦、セントラルタワーに戻ってきた7人。
ゼロ「あの野郎・・」
シャドウを殺すことになって少し落ち込み気味。
X「ゼロ・・」
シナ「大丈夫ですか?怪我したんですか?治しましょうか?」
ゼロ「い、いや、いいって・・。」
いきなり顔を近づけてくるシナモンにゼロもタジタジ気味に・・。
X「だ、大丈夫?顔赤いけど・・」
ゼロ「多分シナモンが成長したらアイリスみたいになると思う・・」
アク「だから勝てないってわけね♪」ゼロ「んなわけねえだろっ!」アク「イテッ!」
シナ「私・・嫌われちゃったんですね・・」ウルウルと涙ぐんで落ち込む。
ゼロ「いや、そういうことじゃないって・・・」
X「なんだか中学生あたりの頃を思い出したような・・」
ゼロ「やっぱりこういうのは苦手だ・・」
スパ「へへ・・なんだかおもしれえナア。」
マリ「あんたねえ・・そうやって人のこと笑ってるとひどい目みるよ?」
スパ「ひどい目ってどんな目?」
マリ「あんたねえ・・」スパ「そのでかいのに押しつぶされるとか?」
マリ「でかいって・・あ!・・この馬鹿!!」ぶん殴る、がいつものようにかわされる。
スパ「おいお~い、でかいってなんだと思ったの~?マッシモのことだぜ?」
マリ「え・・」 マシ「ZZZ・・・・」ちなみに回復中。
スパ「な~に想像してたのかなっ?」いきなり顔を覗き込まれ、赤くなるマリノ。
マリ「う・・うるさいよっ!」
新しく買った「ビームブレイド」で切りかかる。
スパ「うわわっ!っと・・・!!!」
それも何とかかわしながら、マリノに近づくスパ。
マリ「なんだい・・え!?」
スパイダーはマリノを抱きしめていた。
最初何があったかわからず、気が動転するマリノ。
マリ「え・・ちょ・・やめ・・え!?」
スパ「・・・・・。」マリ「ちょ、何か言ったらどうだい!こら!」
スパイダーの目は、マリノの目をじっと見つめていた。
そして何も起こらないまま数分・・二人は見つめあった。
スパ「・・・わるかったな。」マリ「いや・・」
アル「諸君!そろそろ時間だ!ギミアラに戻ってくれ!」
そして7人はそれぞれの思いを胸に(大げさ)、戦場へ戻っていった。
百八十七話「対エンシェンタス」
再びギミアラにやってきた7人。
マシ「さあ、今度こそやってやろうぜ!」
ゼロ「超フォースメタルってのはなんなんだろうな・・?」
X「シャドウはあれをつけて今までに無いパワーアップをした・・これまでに無い新しい力だよ。」
??「フハハハハ!!!!!そんなことを知る必要は無い!お前らはここで死ぬんだからなぁ!!」
ゼロ「誰だ!!!」
部屋の中に一気に飛び込む7人。
そこに居たのは、6本の腕と3つの顔をもつ巨体のレプリロイド。
エン「私の名前はエンシェンタス!!ここのボスだ!!」
シナ「強そうです・・」マリ「一気に倒すよ!」
マリノがマリノスタンプで飛び込んだ!
エン「そうは行かんな。喰らえぇい!!」
エンの腕から強力な炎が出てきて、マリノに命中!
マリ「くっ・・・・!!!!」
地面に落下するマリノ。しかし、スパイダーが受け止める。
スパ「大丈夫か?」マリ「あ、ああ・・なんとか・・」
スパ「食らいやがれっ!」カードを打ち出す。
X「炎を使うなら弱点はアイスバスターだ!!!」
シナ「えーーいっ!」シナモンもサブのミサイルを連射。
エン「ぐはっ!!」アク「効いてるよ!喰らえ!」アイスミサイルを撃つ。
エン「ぬう・・ふふふ・・・」体の色が変わった。
そしてミサイルが命中する。だが、エンは平気な顔をしている!
アク「弱点で攻撃したのに!?」エン「弱点どころか回復したぞ・・フフ・・」
ゼロ「簡単なことだ、そいつは自分の属性を変えられるんだよ!!」
X「な・・なんだって!?」ゼロ「体の色を見ればわかるぜ!!」
一気にサンダーセイバーでエンの胸を切り裂いた。
エン「ぐほぉあ・・・・!!!こんなに早く見破るとは流石ゼロ。しかしこのまま負けはせんぞ!!」そういって今度は雷属性の姿に。
マシ「俺は属性なんて関係ねえ!!!!」強烈な縦一閃の一撃を食らわせる。
マリ「それはあたしもだよ!!」ビームソードで斬る。
スパ「っていうか無属性武器くらい誰でも持ってるぜ!!」カードを撃つ。
シナ「えーいっ!」敵がひるんだ隙にドリル攻撃。
エン、かなりのダメージを受けるが、まだ余裕の表情。
エン「フハハ・・流石にやるな・・だが私の本気を見ても同じようには出来まい!!ハイパーーーー!!!」
そう叫んだ途端、エンのパワーが増大。
電撃、氷撃、炎撃がとんできて全員大ダメージ。
エン「死ねぇい!阿修羅ナックル!!!!!」
腕から14発の追跡エネルギー弾を発射。二発ずつ、全員に命中!!
マシ「ぐほぁ・・!!」X「そんな・・・!!」マリ「ぐう・・・!!」
シナ「痛い・・!!」ゼロ「く・・」
かなりのダメージを受ける。
エン「どうだぁ!ん?二人いない・・」
アク「ステルスモード!」スパ「トリックスター☆」
二人「一斉攻撃!!」アクは今の弱点のホーンドに変身し、タイダルウェーブ。
スパもカードを猛連射。
エン「な・・なんだと!?ぐほぁああああ・・・・・・!!!!!!」
敵にかなりのダメージを与える・・!!
百八十八話「スパイダー」
エン「く・・・どこだ!どこにいる!!!!」
姿が見えない二人の攻撃に動揺するエン。
属性を変えながら攻撃するが、当たりはしない。
スパ「フォーチュンカード・・ツーペア!」
アク「変身!・・・ゲレナフレイム!!」
エン「ぐおおおっ!!!!」
さらに二人の強力攻撃を喰らう羽目に。
さらに、ゼロの一撃が入る。
ゼロ「俺がアレでやられると思ったか?」
エン「ぐ・・ぬぬぬぅ・・・!!」
スパ「このまま終わりにしてやるぜ・・ん?」
アク「へへっ!らくしょ~・・・う?」
この二人のハイパーモードの制限時間は比較的短いため、もう元の姿に戻ってしまった。
エン「今だ・・阿修羅ナックル!!!!」
アク「うわあああああ・・・・・・!!!!」X「アクセル!!」
アクセルが倒された。ゼロとスパイダーも大ダメージ。
エン「まだ倒れんかぁ!!!地獄の業火!!」スパ「ぐ・・・・!!!!!」
エン「絶対零度ぉ!!!」スパ「が・・・・!!!」
ゼロ「いい加減にしやがれ!!」強烈なエルボードロップを落としてひるませた。
エン「ぐふぅう・・・だがまだまだ・・阿修羅ナックル!!!」
ゼロ「うおっ!!」2連発を喰らう。
スパ「おおっと・・・!!」うまく体をひねって攻撃をかわす。だが・・
マリ「・・・・!!!!」流れ弾がマリノのほうに迫ってくる!
エン「この私がそのくらいのことを計算していないとでも思ったかぁ!!!」
ゼロ「この・・下司野郎!!!」
爆発がおきた。それと同時にゼロの最後の一撃がエンシェンタスを両断した・・!!
シナ「や・・やったぁ!」マシ「すげえ!」
X「・・マリノは!?」
シナ「あ、そうだ!マリノさん!」
5人がマリノのほうを向いた・・
マリ「・・・・なんで・・・・なんで・・・!!!」
彼女は悲しみの涙を流した。
マリ「なんで・・いつもからかって馬鹿にして・・いきなり抱きしめて・・今度はなんでこんなことするのさ!!!」
マリノに攻撃が当たる直前・・スパイダーが後ろに跳んで阿修羅ナックルの2連撃をまともに喰らっていた。倒れたまま動かないスパイダー。
マリ「ねえ・・起きなよ!!起きろってば!この・・・この・・・!!!」
倒れたスパを揺さぶって起こそうとする。
そのとき、スパイダーが顔を上げた。
マリ「あ・・・!!」喜びに満ちた笑顔が浮かぶ。
しかし、その笑顔も悲しく冷たい現実が遮った。
スパ「悪い・・ここまでだ。俺・・お前の・・こ・・と・・す・・・・・」
ゼロ「スパイダー・・」X「そんな・・」アク「嘘・・でしょ・・?」
マシ「まさか・・あいつが・・」シナ「スパイダーさん・・・?」
マリノ「嫌あアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
第百八十九話「対ボロック」
タワーに戻ってきた7・・いや、6人。
マリ「・・・」マシ「マリノ・・・」シナ「いまは・・そっとしといてあげましょう。」
Xは、スパイダーのことをアルとナナに話した。
アル「そうか・・スパイダーが。残念な男を亡くしてしまった・・。」
ナナ「スパイダーさんのためにも、必ず平和を取り戻しましょうね!」
X「ああ・・!」アク「よ~し!やるぞぉ~~!!」ゼロ「おう!」
みんなが気合を入れる中、マリノだけは落ち込んだ様子でドアを開けた。
マリ「・・・私、ちょっと屋上に行ってくる・・」シナ「マリノさん・・」
屋上で一人たたずむマリノ。それを影から見ているゼロ以外の4人。
マシ「なあ・・次の戦い、マリノ無しで行かないか?いまはそっとしとこうぜ・・」
アク「そうだね・・何処まで行ってたのかわからないけどそーとーショックだろうからね・・
大事な人が・・いなくなったんだから・・(レッド・・)。」
X「ああ・・そうだな、よし、そうと決まったら次の場所へ行こう。
そして静かに立ち去ろうとする・・が!
マリ「な~に言ってんだい!」急にマリノが振り向いて、叫んだ!
X「え!?」アク「随分お元気で・・」
マリ「そりゃ元気だよ!元気でいかなきゃあいつの敵はとれないからね!打倒、リベリオン軍!!!さあ、みんな、次いくよ!!」
そして、次に来たのはバナリア大熱砂。
その地下には、敵の要塞があった。
ボロック「な・・なにぃ!?もう来たのか!?はやい、展開が速すぎるぞ!!」
そこに居たのはボロック。6人で囲む。
ゼロ「さあ、早くも終わりにさせてもらおうか。」
X「降参すれば命はとらない。」
ボロ「ぐうう・・参った、などとは言いませんよ。これを何だと思います?」
光る石を取り出した。 アク「・・・まさか!」
ボロ「そう!これぞ本物の超フォースメタル!シャドウの使ったものはただの全能力を強化するだけの普通のフォースメタルです!
さて、本物であるこれを装備すると・・おおおっ!!!!どうです、パワーが溢れてくるのですよぉ!!!」
シナ「確かに、凄いパワーを感じます!一気に膨れ上がって・・!」
ゼロ「くらえっ!!」強烈な一撃を喰らわせるが、決定打にならない。
ボロ「フフフ・・どうですこの威力!すさまじい限りです!フホホホホ・・!!」
そして、突然口から怪音波を発する!自分では歌のつもり。
アク「うわあああ・・・凄い威力!!」X「まずい!全体にかかる技なのか!・・Xファイア!!Xコレダー!」
ハイパーモードで一気に大技を出すが、ボロもコレダーも炎属性。効きはしない。
ボロ「無駄!無駄ですよぉ!!フホホホホ!」
マシ「ダイモニオン!ベルセルクチャージ!!!!」強烈なエネルギー波!!
ボロ「ぐほぉ!!!やりますね、しかぁし!!!」集中音波でマシを吹き飛ばした!
マシ「ごほぁ・・・!!」マリ「やるね!でもあたしはそうは行かないよ!!」
ビームチャクラムで連続攻撃。しかし、さしたるダメージも無いまま弾き飛ばされた。
ゼロ「このヤロッ!!」ブラックゼロになって攻撃。さすがにコレは効いた。
ボロ「ぐおお・・さすがに、強い。今私と互角に戦えるのはあなたくらいでしょうか。」
アク「そうかな?変身!タイダルウェーブ!!」ボロは炎属性。水に弱くて当然。
ボロ「ギャハーーーー!!!・・ぬぬぬぅ、ならば、コレを喰らいなさい!!20世紀の超強烈音波!ジャイアンリサイタルぅーーーーー!!!」
究極の地獄の音波が大気を震わせる!!!!
X「う・・うわああああああ!!!!」
百九十話「鉄の処女」
ボロ「ボエ~~~♪ボボボ~~~~♪♪ボララカア~~~~♪♪♪」
アク「く・・うわ・・!!凄い音波!」X「このままじゃまずい!」
マシ「しまった!ハイパーモードが終わった・・・!」
ボロ「あなた達の最期が近づいてきたようですね!ぐほっ!!」
ゼロのバスターを受けた。
ゼロ「歌ってなけりゃただの木偶の坊だ!もっと喰らえ!!」
ボロ「ぐほっ!がはあ!!・・ぬうう、コレでも喰らいなさい!」
テラファイアをばら撒いた。それによって全員、炎に包まれる。
ボロ「炎の宴・・行きますよぉ!!ボボボボボボボボボボボ・・・・・・・・♪」
強烈な音波攻撃と業火のダブルアタック。
ゼロ以外は全員かなりのダメージを受ける。
ゼロ「くっ!このままじゃやべえ!ぐうう・・・!!」
シナ「何とか回復できれば・・!」マシ「ダメだ!シナモンの回復能力じゃ形勢逆転は望めない!」
X「うまくチャンスを狙って回復と攻撃をするしかない!」
ボロ「フッホホオ♪そのうちテラファイアが使えなくなるでしょうが既にあるダメージで充分!もはやこの歌声さえあれば終わりなのですよ!
さあ、スパイダーとあなた達に送るレクイエム、聴いていただきましょう!ホアエエエエ~~~~~♪」
マリ「スパイダー・・く・・・アアアアアアアア!!!!!!」
シナ「マリノさん!?」
スパイダーの名を聞いた途端、マリノの目の色が変わった。
その目に浮かぶのは怒り、悲しみ、そして・・
マリ「行くよスパイダー・・ハイパーモード・クイックシルバー!エモーショナルリール・ハイパーダイブ!!!!!!!!!」
ボロ「ぐほぁぁっ!??!」
ゼロ「今だ、回復だ!」
シナ「はい!・・スパイダーさん、見ててください!ハイパーモード・アイアンメイデン!!!」
マシ「ア・・アイアン・・・!?」アク「どうしたの!?」
マシ「昔・・ある国で使われた・・棺の蓋に無数の針をつけ、中に罪人を入れ蓋を閉める拷問器具の名前こそが・・・」
アイアンメイデン-鉄の処女-
シナ「そ、そんな怖いものじゃありませんよ!!」
シナモンの服装が黒いメイド服に変わっていた。
そして、エンジェリックエイドにより全員大回復!!!
ボロ「ぐうう・・・よくもやってくれましたね!!レクイエムはちゃんとお聞きなさい!」
X「誰が聞くか!チャージコレダー!!!」これは無属性なので、普通に効く。
アク「変身!!タイダルウェーブ!」マシ「ベルセルクチャージ!」
ゼロ「アースクラッシュ!!」
4人の一斉攻撃が決まった・・!!!
ボロ「ぎょホアアアアアアアアアアアアアアあああああ!!!!!!!!!!」
ボロック撃沈・・・!!!床に倒れる。
ゼロ「終わったな!」ボロ「く・・くうう・・・こ、今回は負けを認めましょう、
だがしかし!次に会う時は負けませんよぉ!!さらばさらば!!」転送装置で逃げてしまった。
ゼロ「チッ・・・!」X「とにかく助かった・・」シナ「よかったぁ・・」元に戻る。
アク「あれ?あいつ何か落としてったみたいだよ?・・これは・・・・」
第百九十一話「ミサイル基地」
アクが拾ったのは、ボロの使った超フォースメタル。
アルに報告したところ、メルダ鉱石プラントに同じ反応が出たという。
そこにやってきた来た6人。
シナ「寒いところですね・・」マリ「ホント、もうちょっと暖かくならないかねえ?」
アク「マリノさんは今日ハイパーモードなれないね♪」マリ「うるっさいわねぇ!」
バシっと叩く。それによってアクは壁に吹っ飛び、そこに小窓を見つけた。
アク「いてて・・あれ?何か見えるけど・・」
マシ「なんだこりゃ?ん?ここにも似たような窓が・・」
シナ「ガウディル博士に聞いてみましょう。」
ガウ(通信)「何だグワ?え、この画像は・・なんと!これは、大型ミサイルグワ!!」
X「ミサイル!?」ゼロ「あいつら・・!」マシ「は、早く止めねえと!」
フェラム「そうは行かないよ。」
そこに、ゆらりとフェラムが飛んできた。
X「お前は三幹部の・・」
フェ「フェラムさ。さあ、ここで終わりにしてあげるよ。死になッ!!」
大量のブレオンも現れた。
フェラムも強力なウィップ(ムチ)を振るって攻撃してくる。
ゼロ「ハッ!!」ウィップをよけながら攻撃するが、当たらない。
マリ「ゼロの攻撃がかわされた!?」
ゼロ「かわされたと言うより・・あいつの特殊能力か・・」
アク「分身って言うか残像?」
フェラムの特殊能力は、残像による分身で相手の目を騙す事。
フェ「へ~、わかるのかい・・流石だねえ、でもそれでいい気になるんじゃないよ!」
マリ「ハイパーダイブ!!!」後ろからの不意打ち!
フェ「くっ!!やったね・・っ!!」マリノの足をつかんで叩きつけた。
マリ「くっ!」シナ「マリノさん!・・くうぅ・・!」怒ってミサイル連射!
フェ「あらあら・・随分撃つけど、そろそろ止めた方がいいんじゃないかい?だって・・私を怒らせるからさぁ!!」
フェラムが一気に飛び込んで蹴りを入れた。シナ「か・・・」気絶。
フェ「止め!!」
マシ「や、やめろぉーーー!!」シナモンを守ろうと斧で飛び込むが、スピードでかわされる。
フェ「ふふん・・もうおしまい!?」マシ「ぐあーーーーーーっ!!!」
シナモンをかばいながら連続でウィップを喰らい、倒れてしまう。
X「やめろーーーーーーー!!!!!」
ゼロ「くそ・・・いい加減にしやがれ!!」
次々と仲間が倒される光景を見て、Xとゼロが激怒!
ゼロ「ファイナルナックル!!!」X「チャージショットーーーーー!!!」
強烈な必殺技を使い、ブレオンの3分の2ほどの数を消滅させた。
アク「さっすが~!あとは僕に任せてっ♪変身!ゲレナフレイム!!!」
残りのブレオンを攻撃。
フェ「流石だねえ・・でも私の分身をみやぶれる?」
ゼロ「普通なら難しいが・・ホークアイ!」これで敵の動きを完全に見切る。
フェ「ていっ!!!」力をこめてウィップを振るう!
ゼロ「・・・っらぁ!!!」そのウィップを蹴り飛ばす!
フェ「・・・えぇ!?」ゼロ「一気に終わりだ!ハイパーモード&コマンドアーツ!!!!」
ゼロの必殺技が決まった・・・・!!
フェ「ギャアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」
第百九十二話「ボロックの野望」
フェ「く・・は・・!やられた・・」
X「後はミサイルを止めるだけ・・じゃなさそうだな。」
シナ「通信です!」
ガウ(通信)「そのミサイルの頂点に超フォースメタルの反応があるグワ!しかも大量だグワ!!」アル「と、言うことだ。回収してくれ。」
Xの予感は的中。上階へ行ってミサイルを止めることにする。
マシ「わざわざ道を通らなくても俺が壁を壊して進めばいいんじゃないか?」
残ったブレオンを攻撃しながらマシが言う。
アク「何言ってんの!そんなことして壁の中のコンピュータが狂ってミサイルバーンしちゃったらどうするのさ!」
マシ「た、確かに・・ミサイルバーンはヤバイな。」
シナ「ミサイル・・バーン?」
とにかくミサイルバーン(?)を止めるため上階へ。
その頃・・
フェ「あ・・・あいつら・・私にとどめを刺さないで行きやがった・・」
ボロ「おやおや。随分やられたようですね。フホホ・・」
倒れているフェラムの前にボロックが現れた。
フェ「ボロック・・な、何しに来たんだい?私を笑いにか?」
ボロ「フホ、そんな卑劣なことはしませんよ。ただ鍵を頂きに来ただけの事です。」
フェ「鍵!?ミサイルの鍵のことかい?」ボロ「勿論。」
フェ「でも鍵は私とアンタの体の中に埋め込んで・・まず総統に確認をするよ・・」
ボロ「その必要はありませんよ。」
ボロックの足が通信機を取り出そうとしたフェラムの腕を踏みつけ、手が体を貫いた。
フェ「ギャアアアあっ!!」ボロ「フホホ・・鍵は頂きました。後は近道を通るだけ。」
そして、どこかへ行ってしまった・・・
その頃ゼロたち
ゼロ「・・・ん?あ!!」アク「わ!どしたの!?」
ゼロ「無ぇ!!」マリ「え!?何かなくしたのかい!?」マシ「何だ!?」
X「重要なものなのか!?」
ゼロ「ああ・・多分戦ってるときに落としたんだ、取って来る!」
一目散に走っていってしまった。
X「フェラムが復活しているかもしれない、他に一緒に行かないと!」
シナ「じゃあ、私が行きます!」マリ「あたしも行くよ!」
ゼロの後を追うシナ&マリ。
X「一体なんなんだろう・・?」マシ「さ、俺達は進もうぜ。」アク「レッツゴー!」
そして下階へ戻ってきたゼロたち・・
ゼロ「やっと見つけた~・・。」マリ「なんだい、それ・・」シナ「見せてください!」
ゼロ「あ、勝手に!コラッ!」
数分かけて見つけた写真入りペンダントに、シナ&マリが興味を示す。
マリ「・・この写真の・・誰?」シナ「綺麗な人ですね!このかわいい子達はお子さんですか?」
ゼロ「・・ああ、俺の・・」マリ「愛しの妻?」
ゼロ「な、なんだよ!うるせえな!はやく返せよ!」マリ「あ、照れてる照れてる!」
シナ「ウフフ・・」
真っ赤になってアイリスたちの写真の入ったペンダントをマリノから取り上げるゼロだが、その時床に流れている血に気がついた。
ゼロ「・・なんだ?」シナ「キャアア!!」
フェラムが血塗れで倒れていた。
マリ「そ、そんな!さっきの戦いでああなるはずが・・」
フェ「う、うう・・・」ゼロ「生きてる!治療だ!」シナ「エンジェリックエイド!」
そしてその頃ボロック。
ボロ「フホ・・これで超フォースメタルは私のもの。世界を征するのはこのボロックだ!!
イプシロンとスカーフェイスのくやし顔が目に浮かぶ!あ、スカーフェイスに表情は無いか、フホホホホ!」
?「・・そいつはどうかな?」ボロ「ホ!?お、おまえは!!!!」
ボロックが見たのは、そこに立っている筈のない男だった・・
第百九十三話「超フォースメタル消失?」
上の階まで上がってきたX達・・
誰かが横たわっているのを見つけた。
X「こいつは・・ボロック!・・死んでいる・・。」アク「だ・・誰が・・?」
マシ「見ろ、ミサイルの先端にあるとか言われてた超フォースメタルが無いぞ!」
X「一体なにが・・・?」
その少し後、ゼロたちも来た。
ゼロ「お~~い、X!」X「ゼロ!」アク「あれ?背負ってるのは・・」
ゼロは傷ついたフェラムを背負っていた。
X「よし、フェラムに話を聞いてみよう。
さらに数分後、フェラムは目を覚ました。
フェ「う・・うう・・・ん・・」マリ「お、目覚めたみたいだね?」
目を覚ましたフェラムは驚いた。
フェ「あ、あんた達・・!まさか私を助けたのかい!?」
シナ「はい!私が回復しました!」マシ「・・話を聞かせてくれないか。実は・・」
ボロックのことや超フォースメタルのことを話すと、フェラムはボロックの死体をキッと睨みつけてから話した。
フェ「こいつ、私の・・私達のことを裏切ったのさ!私の体内にあった鍵を奪ってね!何をたくらんでたかは知らないけど・・
総統かスカーフェイスにでもやられたんじゃないかい!?」
ゼロ「内乱か・・」アク「デブ音痴を処刑したあとにフォースメタルを回収して帰ったってことかな?」
ゼロ「そうかもな。」マリ「デブ音痴って・・・別にいいけど。」
フェ「じゃ、私は行かせてもらうよ?・・回復のことは一応礼を言っとくよ、お嬢ちゃん。」
シナ「え、あ、当たり前のことをしただけですから・・!」
フェ「ふふん、それじゃあね!」飛び去っていってしまった。
ゼロ「さてと、後はこのミサイルを処理するだけ・・か。」
そしてミサイルとボロックの死体を片付け、セントラルタワーへ帰ったのだった・・。
その頃リベリオン軍本部。
イプシロン「何?超フォースメタルが消えただと?」
兵士「ハッ。突如として反応が消えたそうです。」
スカー「ふうむ・・レジスタンスの仕業か・・?」
イプ「ぬぅ・・我らの計画が台無しになってしまうな。」
スカー「ここは私が行きましょう。」イプ「ぬ、貴様がか。・・・まあ、いいだろう。」
総統イプシロンとその右腕スカーフェイス。
このリベリオン最強の二人がついに動き出す。
イプ「・・作戦の成功を祈る。」
スカー「・・・私の仮面の下に賭けても!!」
第百九十四話「対スカーフェイス」
アル「セントラルタワーのエアバス乗り場近くに、敵が攻めてきた!戻ってきたばかりですまないが急行してくれ!」
マシ「わ、わかった・・ぐうっ!」シナ「ヘトヘトです~・・。」マリ「やばいかも。」
前の戦いで疲れ切っている3人。
シナモンの回復技はこの小説ではそう何度も使えるものではない。
ゼロ「よし、ここは俺達三人で行こう。」X「そのほうがよさそうだな。」
アク「うん・・でもさ、このタワーに襲撃されたらどうしよう?」
ゼロ「う・・・・よし、お前が残れ。」アク「え、僕が?は~~い・・・チェッ。」
エアバス乗り場に来た二人。
ゼロ「お前は前にあったことがあるな。」X「三幹部の・・・」
スカー「スカーフェイスだ。」
Xはスカーの後ろの方で、傷つき倒れている人を見つけた。
X「あの人たちは・・?」スカー「攻撃してきたので反撃しただけのことだ。」
X「あそこまでやることは無いだろう!」ゼロ「お、おい・・」
スカー「戦いにやりすぎというものは無い。」X「なんだと!?」
スカー「そんなことはどうでもいい。超フォースメタルは何処だ?」
X「そんなこと・・だと?!ゼロ、お前は見ていてくれ、俺が戦う!」
ゼロ「久しぶりだな・・こんな熱いお前は。よし、やっちまいな!!」
Xの怒りのボルテージが上がっている。だが、スカーは淡々と質問を繰り返す。
スカー「超フォースメタルは何処だ?」ゼロ「知らねーよ。俺達も探してるんだ。」
スカー「白々しい・・」X「いくぞ!イレギュラー!!!」
Xのバスターが火を噴いた。かわしながら攻撃してくるスカー。
スカー「イレギュラー?それは歴史が決めること!!」
強力なビームサーベルと電気攻撃を使い、Xを苦しめる。
X「くっ!!・・このままじゃまずい!武器を変えてあいつの弱点を・・」
スカー「でやーーーーーッ!!!!」Xを一刀両断しようと剣をふるう。
X「たっ!」後ろに下がって、ファイヤバスターとファイヤミサイルを連射。
スカー「ぐ・・おおおっ!!」X「電気を使う敵には炎だ!」
スカー「くッ!このままでは・・」
さらに、ハイパーモードに変身する。
X「くらえ・・Xコレダーーーーー!!!!」炎属性なので、よく効く。
スカー「ぐほおオオおおぁアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
ゼロ「おお・・・」
X「どうだ!」スカー「く・・今回は負けを認めよう。だが、次はそうはいかない。」
X「逃げる気か!?」スカー「・・・・・全ては総統のため。」
そういってスカーは消えていった。
ゼロ「リベリオンは超フォースメタルを持っていない・・か。」
X「じゃあ・・一体何処へ?」
第百九十五話「コマンドミッション最終決戦」
6人はリベリオン軍の本部があるというグレイブ遺跡基地にやってきた・・
シナ「なんだか・・凄く危険なものを感じます・・」
アク「あっ!敵だ!!」マリ「普通のブレオンじゃないね!」
現れたのは、イプシロンや三幹部を模したブレオンSの軍勢。
マシ「あいつら強えぞ!」ゼロ「だからってここで全力を出すわけにはいかねえ!適当に終わらせるぞ!」
シナ「こんな時のためにFMGでフルスペック+10を人数分作っておきました!
侵食地が高いので博士にもらったこの中和メタルと一緒に使ってください!」
X「すごい!全能力を上げられるのか!」ゼロ「よし、これを使って一気に行くぞ!」
敵が攻撃してきた。
マリ「かる~くかわすよ、ていっ!!」ファイヤステラで攻撃。
アク「変身!エンシェンタス・阿修羅ナックル!!!」
マシ「クラッシュハンマーーーー!!!」シナ「フルメタルボクサー!」
X「XバスターMr=Ⅲ!!」ゼロ「ダブルトゥース+!」
アク「あ、皆いつの間に新しい武器を!ずるいよ~~~!」
そのとき、敵の一人が銃を落とした。
アク「あ、これ使えそう♪プレオンキラーだ!」
ゼロ「・・そろそろいいな。みんな、気をつけろ!一気にブチかます!ダブルファイナルナックル!!!!!!!!!!」
一気に敵が消し飛んだ。
アク「さっすが~!」マリ「ふふん、思ったほどの奴らじゃなかったね♪」
マシ「さあ、次行こうぜ!」
そして何度か襲ってきた敵の小隊を倒し、敵基地の最深部までたどり着いた。
ゼロ「・・誰もいない?」X「まさかもう逃げたのか?」
マリ「私らに恐れをなしたのかい?情けないね~。」
シナ「あの~、壁のところに隠し通路があるんですけど・・」
ゼロ「それだ!よし、行くぞ!」
シナモンの見つけた隠し通路を通って、6人は屋上へ来た。
そこには飛行機があり、イプシロンとスカーフェイスが乗る準備をしている。
アク「あ、あいつら飛行機に乗って逃げようとしてる!」
マシ「逃がすものか!ハイパーモード・ダイモニオン!!!くらえ、ベルセルクチャージ!」飛行機に向けて必殺技を放つが・・
イプ「フンッ!!!!」イプシロンの左手が光り、それがベルセルクチャージを砕いてしまった。マシ「な・・なにっ!?」
マリ「ハイパーモード・クイックシルバー!散華!!」
スカー「ハッ!!」マリノの技もスカーのビームサーベルでかき消された。
マリ「え?・・・・ええ!?」アク「・・・嘘・・」シナ「そんな・・!!」
ゼロ「・・・強いな・・」X「ああ・・・!」
イプシロンは6人を睨みつけ・・・
イプ「はああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!」
胸から恐ろしい「輝き」を放った!
第百九十六話「最強のタッグマッチ」
イプシロンの攻撃により、マリノ、シナモン、マッシモは倒れてしまった。
ゼロ「くそ・・さっきの戦いのダメージがあったか?」
イプ「違う。弱いものに先に消えてもらっただけのことだ。貴様らに当てた分は威力を抑えてある。」
アク「え?同じ光線だったのに?・・器用だね。ハハ・・」
X「よくも3人を!」
スカー「怒ったか?集団戦闘における至極当然のことをしたまでだというのに。」
X「なんだと!?」ゼロ「待てよ。一旦落ち着け。」X「あ、ゼロ・・すまない・・」
仲間を倒されて怒るXだが、ゼロの一言で何とか落ち着いた。
そして本来の目的を思い出し敵二人を正義の眼差しで睨みつける。
X「なんであんなことをしたんだ!超フォースメタルをミサイルにつけてどういうつもりだ!」
スカー「教えてやろう。空中で爆発させ世界中に超フォースメタルをばら撒こうとしていたのだ。」
X「そんなことをしたら皆イレギュラーになってしまうじゃないか!」
スカー「レプリロイドは・・変わるべきなのだ。それが我らの理想。」
X「そんな理想、幻だ!」スカー「確かに。超フォースメタルが無い限りは・・な。」
リベリオン軍の企みは、超フォースメタルを世界中にばら撒き、全てのレプリロイドを感染させ、強化&イレギュラー化することだった。
イプシロンは、レプリロイドは人類との共存を止め、独立し地球を、宇宙を制覇すべきだと考えていたのだ。
ゼロ「さてと・・話は終わりだ。どうせ戦わなきゃ止められねえんだからな。アクセル!」
アク「はい!な、何?」ゼロ「お前は倒れてる3人を守れ。流れ弾喰らうかもしれないし、
他の敵が現れて襲ってくるかもしれないだろ?こいつらは俺とXでやる。」
アク「え・・わ~かったよ。あ~あ、修行の成果をちゃんと見せられると思ってたのに・・」
かくして、ゼロ&X対イプシロン&スカーフェイスのタッグマッチが始まった。
イプ「・・はじめるぞ。」
第百九十七話「小手調べ」
X「くらえーーーーっ!!!」
強力なファイアミサイル&ファイアバスターを連射。
スカー「ぐ・・・」X「今だ!Xファイア&Xコレダーーーーッ!!!!」
スカー「グオオオおおお・・・っ!!!!!!!」
Xの強烈な先制&連続攻撃が決まった。
アク「やったぁ!めっちゃ速いじゃん!・・え?」
アクの喜びもつかの間、Xは弾き飛ばされて倒れてしまった。
ゼロ「X!」 X「く・・・!!なんで・・」すぐ立ち上がる。
弱点属性の攻撃を連続で喰らったにもかかわらず平気なそぶりを見せるスカー。
スカー「愚かな奴だ。前回のあの戦いで俺の全てを知ったつもりだったとはな。」
X「な・・・!!」スカー「教えてやろう。俺は前の戦いを今の戦いでお前らを油断させるために仕掛けたのだ。」
X「そんな!」ゼロ「なんだと・・!道理で違和感のある戦いだったわけだ!」
スカー「最も炎が弱点であることは嘘ではないがな。」
その言葉を聞いた途端、Xが動いた!
X「なら何発でも食らわせてやる!!!」Xコレダーで突進する・・が。
イプ「ハアアアアアッ!!!!!」マッシモの技を砕いた光る拳をXの顔面に叩きつけた。後ろの壁まで吹っ飛び、めり込むX。
ゼロ「・・・!!!」その威力は、ゼロを絶句させるものだった。
アク「や、やば!」壁にめり込むXを助け出そうとするが・・
ゼロ「やめろ!今は3人の近くにいて守ることが先決だ!」ゼロが止めた。
アク「で、でもXが!」ゼロ「馬鹿ヤロ!Xは大丈夫だ!」
アク「え・・!?あ!」
アクの表情が一気に和らいだ。Xが立ち上がったのだ。
ゼロ「お前は昔から猪突猛進だな・・。」X「すまない。でも勝負はこれからだ!」
ゼロ「おう、行くぜ!!」
イプ「油断はするな。」スカー「当然。」
4つの強大な力が激突する。
X「チャージコレダー!!」突然空中で回転してからのフェイント攻撃。
スカー「ヌゥ!」うまくかわしてサーベルでXの腹を突こうとする。
ゼロ「っ!」ジョーズファング(随分前に出た、歯を牙に変身させ、吹き出す技。この状態なら歯はいくらでも生える)でスカーの手を攻撃。
イプ「ヌウウウン!!!」その隙に光拳(こうけん)を今度はゼロの顔面に叩き込もうとする。
X「させるか!!」シェルミサイル(サブ)でうまく阻止。
そしてゼロの反撃。
ゼロ「ダブルアースクラッシュ!!!!」イプ&スカー「うぉおっ!」
アク「やったぁ!!!」
爆煙が晴れていくと、二人は少しだけダメージを負っているように見えた。
X「あの攻撃であのダメージ!?」ゼロ「当然、ってとこだろ・・」
X「とう・・ぜん?」
今までゼロは敵の強さを誉めたことはあまり無い。
しかも、最強技の一つダブルアースクラッシュにあの程度のダメージしか受けなかったことを「当然」と言うなどと、
イプシロンとスカーフェイスの強さは、今までの敵を凌駕していることの証明だった。
X「俺も・・俺の力の全てを出さなければ・・」
だが、その時ハイパーモードの時間切れが来てしまった。
第百九十八話「隙」
アク「そ、そんな!!も・・元に・・!!」
ハイパーモードの時間が終わってしまい、
さらにその隙をつかれXはイプの強烈な一撃を喰らうことになってしまった。
X「うわ~~~~~~~~~~っ!!!!」気絶。
ゼロ「X!くそ・・・!!!」ゼロ、ハイパーモードに変身。
スカー「フオオオオオッ!!!」その隙を突いてゼロに向かって電撃弾を飛ばしながら飛び込んでくる。
ゼロ「甘い・・・コマンドアーツ!!」最強段階まで成長したコマンドアーツでスカーを電撃弾ともども吹き飛ばした。
スカー「ぐおおおお・・・・!!!!」傷だらけになり後ろに吹っ飛びながらも踏ん張って、倒れはしなかった。
イプ「隙を突け。カアアッ!!!」掌から強力な波動を発した。
ゼロ「う・・・ぐうう・・・・・!!!!!」ガードしてこらえるが、ダメージは大きかった。
スカー「ハッ!!」イプの言葉通りスカーの隙を付いた攻撃が決まった。
ちなみに先ほどからやたらと隙を突いているが、その隙を見つけ出すのには驚異的な観察眼による超高速の『読み』が必要となる。
さらに、そこから見つけた小さな『隙』を最大限に利用する。これが二人の強さの大きな秘密である。
そこから一気に二人の攻勢となり、ゼロは一人で攻撃を受け続けた。
ゼロ「ぐあっ!!」イプ「とどめだ・・・!ハアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ゼロ「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!」
全力。全力だった。イプシロンの全力の胸部エネルギー波がゼロ一人に向けられてきた。
スカー「終わった・・か・・・?」
スカーが覗き込もうとすると、煙が晴れ終わらないうちに、ハイパーモードの終了した紅いアーマーのゼロが
一瞬でアースクラッシュのエネルギーを凝縮して拳に溜め、イプシロンに叩きつけた!!!!
イプ「ぐ・・・ふぅうう!!!!!」スカー「総統!!」
ゼロ「おっらぁ!!!」さらにサーベルでスカーの顔面を攻撃し、さらにビームを放った。
スカー「グオオオオおっ!!!」後ろに吹っ飛び、そのまま爆発。
イプ「己ッ!!」光拳でゼロを殴る。だが、ゼロも負けずにアースクラッシュの拳で応戦する。
イプ「貴様・・ハイパーモードになったのは極光波動(胸部光線)に耐えるためだな・・!?」
ゼロ「気づいたか、でも遅いぜ!」イプ「う・・・!!!!」
イプの隙を突き、今度は最強のゼロサーベルで胸を貫いた。
ゼロ「・・・残念だったな。おまえ自身が隙を突かれるなんてよ。オラアアアアッ!!!」
サーベルでイプの体を引き裂き、そしてファイナルナックル。
イプ「ググ・・・ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」
イプは完全に倒れていた。マントは既に殆ど焼け、僅かに残った部分も焦げていた。
そしてゼロは横を見て言った。
ゼロ「・・・終わり・・じゃないな。」
スカー「・・・当然だ。」アク「あ、あいつ、まだ生きて・・・!!」
ゼロ「・・・その顔・・・!!?」
スカー「む・・・?」スカーは足元を見た。すると、仮面の半分が落ちていた。
その時、Xが起き上がる。
X「しまった!気絶していたのか・・くらえーーーーーーッ!!!」
スカー「な、しま・・・・・」強力なバスターを顔面に受けた。
X「や・・やったか!?」ゼロ「いや・・まだだ。」
スカー「・・・絶対に・・負けられんのだ。」
まだスカーは立ち上がる。全ては総統のために。
その仮面は完全に砕け散っていた。
第百九十九話「イプシロンとスカーフェイス」
X「え!?その顔は・・イプシロン!」
スカーフェイスの素顔、それはイプシロンと瓜二つだった。
アク「きょ・・兄弟?」マシ「う・・ぐうう・・」三人が起きた。
アク「あ、皆が起きた!!X、ゼロ!みんな起きたよ!!」
マリ「え?あれ・・イプシロンが二人?」シナ「そっくりです・・!!」
スカーの顔を見て全員口々にイプシロンの名を叫ぶ。
その時、スカーが叫んだ。
スカー「我が名はスカーフェイス!!総統イプシロンのために戦う忠実なる僕!!!」
全員が黙った。スカーはイプシロンの元へ歩き、自軍に残っていた超フォースメタルを与えた。
イプ「ふ・・ぐおおおおお!!!!」エネルギーが上昇し、復活した(死んでたわけではないが)。
イプ「スカーフェイスの素顔を見られたか・・」
ゼロ「一体どういうことだ?」
イプ「我らは同じ工場の同じ実験で生まれたレプリロイド。
マシ「じゃ、双子なのか?」
スカー「・・・違う。我らはあくまで工場で作られたレプリロイド。親がいないのならば『兄弟』と言う言葉は当てはまらん。
総統は最強のレプリロイドとして生まれた。そして、もう一人、
能力を向上したデータを使ったにもかかわらず能力の下がった失敗作として生まれたのが我なのだ。」
アク「だから顔そっくりなわけ・・」
スカー「我は必要無しとして処分されるところを総統にすくわれ、
さらには幹部と言う身に余る役職を頂いた。だから我は総統のために戦う。それだけだ。」
X「違う・・」スカー「何?」
X「違う!お前は兄のために戦っているんだ!親はいなくても、工場で作られたとしても、お前とイプシロンは兄弟なんだ!!」
Xの言葉に、イプは黙った。だが、スカーはまた叫んだ。
スカー「・・そんなことはどうでもいい!!今は2対2で戦うのみ!・・・行くぞ!!!!」
ゼロ「ああ!単純明快・・戦うだけだ!!!」アースクラッシュを放つ。
スカー「むう!威力が違う・・!!」先ほどより大きなダメージを受ける。
イプ&スカー「光波砲!!」二人で掌から波動を放つ。
X&ゼロ「フルチャージバスター!!」バスターで迎え撃つ。
二つの技の威力は互角。
そして、煙が晴れると同時に、今爆発が起きたばかりの場所で戦う4人の姿が見えた。
X「でやっ!!!」強力なハイキックをぶつける。
イプ「ハアアアッ!!!」強靭な拳を叩きつける。
ゼロ「うおおおおっ!!!」スカー「タアアッ!!」サーベル対サーベルの対決。
ものすごい鍔迫り合いで、互いのサーベルがバチバチと放電し始めている。
マシ「す、すごい・・」マリ「やばいね~ありゃ・・・」シナ「がんばって・・!」
アク「やっちゃえ~~~!!」
ゼロ「おっらぁ!!!!」イプの顔面を捕らえて、地面に叩きつけた。
ゼロ「アースクラッシュ!ファイナルナックル!コマンドアーツ!!!」イプ「グふあああああ・・・・・・!!!!!」
ゼロの最強の連続攻撃を喰らい、イプは倒れた。
しかし、スカーフェイスがまだ残っている。
スカー「隙ありぃ!!」またも隙を突きサーベルで飛び込む。
X「そうはいくか!チャージコレダー!!!!!!!!」
スカー「な・・・なにぃ!?」
Xの強烈な一撃がスカーを吹き飛ばし、上半身と下半身を分けた。
マシ「やったぜ!」ゼロ「・・・・!!」
スカー「ぐふう・・・・!!!」イプ「スカーフェイス!!」スカーに駆け寄る。
スカー「な・・なぜハイパーモード・・に・・」
X「ゲインハイパー(ハイパーモードのターン数を回復するアイテム)を使ったんだ・・ごめん、他に・・・君を止める方法が無かったんだ。」
スカー「総統・・ご・・武運・・・」イプ「スカー・・」
X「俺からいう資格は無いかもしれない・・けど、最後くらい・・お兄さんって呼んであげろよ。お前たちは・・・やっぱり兄弟なんだ。」
兄弟・・その言葉を聞いて、イプシロンの目から涙がこぼれた。
イプ「スカーフェイス・・いや・・弟よ・・すまん。我の勝手でお前を付き合わせ、このような・・このような結果に!!」
イプシロンの謝罪に、スカーフェイスは笑って答えた。
スカー「あなたにお使えすることが・・我の喜び・・・・兄上・・」
スカーフェイスの目が閉じた。
第二百話「想いとの一撃」
イプ「スカー・・フェイス・・。」
X「イプシロン・・」
スカーフェイスの亡骸を抱きしめるイプシロンに歩みよるX。
イプ「・・・」
X「すまない・・でも・・本当にこれがお前たちの歩きたかった道なのか?」
アク「そうだよ・・大事な人を失ってまでしたかったことなの?」
X「計画を中止してくれ。スカーフェイスのためにも・・」
ゼロ「やめろっ!!!!!!!!!」
ゼロはX達を止めようとした。が、イプシロンの動きが速かった。
Xはクールダウンしていたため、イプのエネルギー波でアク達と共に倒されてしまった。
イプ「・・・スカーフェイスのためだと?ふざけるな。スカーフェイスは我の計画のために戦い、死んだのだ。
奴のためというならば、ここで貴様らを倒さねばならん。・・・・ゼロ、お前にはわかっていたようだな。」
ゼロ「ああ。大体な。俺にも弟がいるから・・かな?何となくだ。」
イプ「そうか・・名は何と言う?」
ゼロ「ゼレス・・」イプ「・・・・そうか。」
二人の目が合った。
その瞬間二人は互いを見合ったまま動かなくなった。
数時間・・・いや、数十分・・いや、数分・・いや、数十秒・・
動かないまま二人は睨み続けた。
互いの腕がピクリと動いた。
そして、一瞬で互いの元へ跳び、最後の一撃が決まった・・!!!
イプ「ジャンゴー!ホーンド!サイケ!ジェントラー!エンシェンタス!フェラム!!スカーフェイス!!!!!!!!」
部下達の名前を叫ぶ。それがイプシロンの部下達への「想い」の証。
これがイプシロンの最後の力だった。
さらに、すでにスカーフェイスの中に残っていたエネルギーを吸収しており、それを使って最強の技『超極光波動掌』を繰り出した。
それに対してゼロはゼロサーベルをぶつける。
イプ「そんなサーベル程度の力で・・我は砕けはしない・・・!!!!」
ゼロ「そうかもな・・だが!俺も『力』だけをぶつけるわけじゃねえ!!・・X!ホーネック!ヴァジュリーラ!ブラック!サラー!
アクセル!マッシモ!シナモン!マリノ!スパイダー!
ゼレス!ゼーラ!エイリア!ベルカナ!マーティ!じじい(ケイン)!シグナス!ダグラス!ダイナモ!
マサイダー!バッファリオ!タイガード!ナマズロス!スティングレン!フクロウル!アルマージ!オストリーグ!
イーグリード!カンフーマスター!ヘビーナックラー!ハイマックス!ゲイト!リル!ライク!・・・・そして・・・・・」
次々と仲間達の名前を叫ぶ、ゼロの「想い」の一撃がイプシロンの技とぶつかった。
イプ「うオオオオおおおっ!!!!!!!!!!!」
ゼロ「アイリスーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ゼロの持つ最高の「想い」がその「力」を放った。
「・・・・・・・・・・・すまん・・・・・・・・・・・・」
イプシロン、消滅。
第二百一話「裏切り」
消えていった者達への想いと守るべき者達への想いのぶつかり合い。
最終的な勝者は、ゼロだった。
X「ゼロ・・終わったな。」
ゼロ「ああ。イプシロン・・強かった。」
マシ「やったんだな・・。」
戦いが終わってから十分後、倒れていた仲間たちも起き上がり、勝利の喜びを分かち合っていた。
そして、セントラルタワーに戻った6人をレジスタンスの面々が歓迎する。
苦しい戦いの末、勝ち取った笑顔が並んでいた・・。
そして二日後。
ゼロ、X、アクセルが帰る日がきた。
シナ「皆さんと別れるの・・さびしいです。」
X「大丈夫だよ。また会えるさ。」
マリ「そのうち遊びに行くよ?防犯対策は厳重に~♪」
アク「ハハ・・・マリノさん変わらないね~。」
マシ「次、会うときはもっともっと、強くなってやるぜ!」
ゼロ「ああ、楽しみにしてるからな。」
それぞれの別れの言葉が続く中、迎えの飛行機がやってきた。
ナナ「来たようですね・・それでは、みなさんさようなら!」
X「ああ、さようなら!また会いに来るよ!」
アク「じゃ~ね~♪」
後ろの6人に手を振りながら飛行機の方へ向かう3人。
ガウ「さらばグワ~~」アル「ああ、さらばだ!」アルも手を振った。
その時、アルの体に穴があいた。
アル「ぐふ・・・・っ?」次々と穴があく。血を吹いてアルは倒れた。
マシ「な・・なんだぁ!?」
ゼロ「あの飛行機だ!!」
なんと、迎えの飛行機が機銃を乱射している。
マリ「危ないよッ!!みんな隠れて!」
シナ「う・・うええ・・・」
ゼロ「泣いてる場合か!早くアルの回復を!!!」
シナ「あ、は、ハイ!!!エンジェリックエイド!!」泣くのをやめ、アルの治療。
X「一体何が・・!?」アク「わっ!メカニロイドまで出てきた!」
「レッドホイール」が無数に降りてきて固定武装の銃を乱射。
物陰に隠れて反撃する5人。
ゼロ「うおおおおおおっ!!!!」ゼロの攻撃で殆どの敵を破壊した。
ゼロ「リディプスなのか・・・?」
この飛行機はリディプス大佐のものであり、これを使って攻撃できるのはリディプスのみ。
ゼロはリディプスの裏切りを感じた。
そして、気づくとアクの撃ち落した飛行機が爆発しながらゼロ達に向かって落ちてきた。
ゼロ「あぶね・・・・」
大爆発が起きた。セントラルタワーの上部が吹き飛んだ。
数時間後、辛くもギガンティス島から脱出しハンターベースへ潜入したゼロ達9人の姿が。
ゼロ「リディプス・・一体何を考えてやがる?」
X「だがあれがリディプス大佐の仕業かどうかは分からないよ。ハイジャックされたのかも・・」
その時、ベース内にニュースが流れた。
リディ「超フォースメタルを奪おうとしたイレギュラー、X、ゼロ、アクセル、マリノ、マッシモ、シナモン、他数名を処分した。
これで世界の諸君に平和が戻り・・」
ゼロ「俺達がイレギュラー!?」アク「何だよこの放送!」マシ「ふざけんなぁ!!」
X「リディプス大佐が俺達を裏切ったんだ・・・・!!!」
第二百二話「帰ってきた戦士達」
ゼロ達がギガンティス島へ行っている間にハンターベースはほぼ要塞化していた。
ゼロ「かなり罠が多かったな・・」アク「よく言うよ、一回も喰らわなかったくせに。」
とりあえずリディプスの部下の警備員や罠、メカニロイドはほぼ殲滅した。
X「リディプスがやったのかな、この・・要塞。」
シナ「怖いです・・・」X「大丈夫だよ、俺達がいるから・・。」
シナ「ありがとうございます・・」
勿論、二人に他意はないのだが、このあとアクやマリにからかわれて大変だったという。
そうして進んでいくと、大広間に出た。
回復装置もあり、拠点として使うことが出来るだろう。
ゼロ「よーし、とりあえずここで作戦を立てるぞ。」
アク「意義な~し!」
10分後、「とにかく倒しながら突き進む」ことになった。
アル「大丈夫だろうか・・・」ガウ「う~む、不安じゃ・・」
ナナ「ここから私も頑張ってオペレートします!」
3人と別れ、大きな扉があるところまで進んだ。
マシ「さあ、行こうぜ!」マリ「大佐さんをとっちめにね♪」
そして、大きな扉を開けた。その隆起の激しい部屋を見た6人は驚いた。
アク「ウソ・・」マシ「マジかよ・・」マリ「じょ~だんじゃないよ・・」
シナ「怖い・・」X「く・・」ゼロ「フン・・」
そこには・・・・超強力なイレギュラーが山ほどいた。
特に強そうなのが、ラフレシアン、べラドンナー、ダックビルモール、ワンテイルズ、ツーテイルズ、スリーテイルズ、フォーテイルズ、
ファイブテイルズ、シックステイルズ、セブンテイルズ、エイトテイルズ、ナインテイルズ・・。
X「こんなところにこんな強敵を用意しておくなんて・・・・」
ゼロ「片っ端から倒すだけだ。」
ナイン「死に損ないのイレギュラー・ゼロよ・・貴様はここで私に消される。」
?「そんなことになるわけねーだろ。」ナイン「誰だ!?」
ある人影が、高台の上に立っている。
?「信じられなかったぜ・・イレギュラーになったって事よりも・・・」
X「あ!!!」マリ「誰!?」
ゼロ「お前は・・・!!」
ホーネック「隊長がリディプスのザコにやられるなんてことがなぁ!!」
ナイン「ゼロ部隊副隊長・エクスプローズ・ホーネックか!!」
ホー「俺の隊長はなぁ・・俺の隊長は・・・最強なんだぁああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!」
一気にダイブしてナインの顎を蹴り上げた。
ナイン「ぐほぁ・・!!!」
ゼロ「ホーネック!」X「来てくれたのか!」
ホー「そりゃ、毎日ここに通ってるからな!イレギュラー侵入の警報がなってもしかしたらって思って来て見たんだ!
そしたら・・そしたら・・・・」
ヴァジュ「ホーネック君、そろそろあちらに目を向けましょう。ほら、リーダーが蹴られてあちらさんピリピリしてますよ?」
ゼロ「ヴァジュリーラ!」
ヴァジュリーラも現れた。そして、すぐ鴉形態に。
ヴァジュ「さあ・・久しぶりに強敵相手だ!馬鹿鴉、かっ飛ばすぜぇ!!!」
大乱戦が始まる。
アク「ていやっ!!」敵「ぐへっ!」マリ「たっ!」敵「どわっ!」
マシ「うおらぁ!!!!」敵達「ギャア~~~~~~!!!」
ゼロ「コマンドアーツ!」X「チャージショットだ!」
多くの敵を倒し優勢かと思われたが、回復役で攻撃できないシナがワンテイルズに襲われた。
シナ「きゃああ~~~~!!」ワン「たああっ!!」
X「危ない!」シナをかばってワンの蹴りを喰らった。
ワン「何!?」X「はあっ!!!」バスターで吹っ飛ばした。ワン「ぐほっ!」
シナ「Xさん・・大丈夫ですか?私のために・・」
X「だ、大丈夫だよ。ほら、涙拭いて・・」
ゾクッ・・Xがハンカチを出した瞬間、驚異的な殺気を感じた。
X「な・・なんだ・・・?」
ゆっくりと、ゆっくりと首を後ろに回すと、そこにいたのは・・
マーティ「エ~~~~ックスゥ~~~~?随分仲良いわね~~~?この2ヶ月、楽しかったんじゃな~~~~い?」
X「ま・・マーティ!!!?」
立っているのは、重武装状態のマーティ。
その表情は、破壊神?
X「いや、これは、ただ、仲間だし、ちょっとほっとけなくて・・」
マー「へ~~・・・ほっとけないんだ・・・最近ね~、あたし剣の扱いがうまくなってきて・・・」ぎらぎらと輝く曲刀を取り出した。
X「だから、俺はただ・・・」
Xが弁明をしようとしたとき、シナがマーの前に立ちふさがった。
シナ「これ以上・・Xさんを苛めないでください!!」
X「シナモン・・」シナ「大丈夫です、私もさっき守ってもらったみたいにXさんを守りますから!」
それを聞いたマーは一瞬、目を丸くして後ろを向いた。
マー「いいわねえ、仲良くて。」X「ちょ、まってくれよ!本当になにも・・」
ドーン!!マーの放った砲弾が敵を数体倒した。
X「あ・・・・」マー「さあ!いっくよ~~~~~!!!」
バズーカやマシンガンを連射しながら横を向いてXにウインクした。それを見たXは安心して戦場へ走る。
X「全く・・相変わらず滅茶苦茶するんだから・・」
ヴァジュ「さあて・・久しぶりに大技行くぜぇ!!!」
ホー「一気にぶっつぶれろぉオオオオオ!!!!!!!!!!!」
第二百三話「最強の助っ人!」
ヴァジュ「ブラックバード・レボリューション!!!!!!!!!!」
ホー「プルート・ブレットォオオ!!!!!!!!」
二人の超強力な攻撃が敵を一気に葬り去る。
ゼロ「腕を上げたな・・・!」
ホー「隊長がいない間もずっと修行は続けてましたよ!」
ヴァジュ「まだまだ援軍が来ますからね、そちらは先に進んでください!」
X「わかった!ありがとう!」
6人は先へ進もうとしたが、次の扉が敵によってふさがれている。
その一番手前にはラフレシアンとベラドンナーが。
ラフレシアン「ダンスの邪魔よ・・死んじゃって!!」
なぜかダンスを踊っており、6人が近づいたとたん強力なミサイルを十連射してきた。
シナ「きゃああ!!」マシ「あぶねえ!!!!」
十連発の爆発がおき、全員ダメージを受けた。
ラフ「ホホホ、これでお終い・・い?」
勝ち誇って次の攻撃に移ろうとしたラフだったが、謎の攻撃が腹に直撃した。
ラフ「け、けほっ!だ、誰!?」
その助っ人を見て、その男を知るものは誰もが安心した。
ゼロ「来たな・・」ヴァジュ「来ましたねっ♪」ホー「勝ったな・・」X「君は・・・」
アク「師匠!!」
黒「いっくぜー―――――――っ!!!!ヒャッホー――――――――っ!!!!!!」
やってきたのは、サイボーグデーモン・ブラックゼロだった!
黒の攻撃により、次々と吹き飛んでいく敵達。
サラー「私もいるぞ!ダイヤモンドブレード!!!」サラーも来ている。鎌を高速で振り、超強力な斬撃の衝撃波を起こす技を発動。
さらにマサイダー、タイガード、ナマズロス、カーネル、スティングレン、フクロウルもやってきて攻撃する。
カーネル「はああああっ!!!!」強烈な回転斬りで敵を一蹴。
黒「よっしゃあ!久しぶりに行くぞ!」アク「ОK!!」
黒&アク「ダブル・スラッシュ・キー――ック!!!」
二人の超連射キックがベラドンナーを破壊した。
ラフ「ベラちゃん!己・・しんじゃエー――――ッ!!!!」
べラの死に怒るラフ。またもミサイルを撃とうとするが・・
ゼロ「ハイパーモード・ブラックゼロ!」ゼロはハイパーモードを発動。
黒「おっ?俺そっくりじゃん♪ってなわけで・・・」
二人の黒いゼロが息をぴったりに合わせた動きをしながらラフに走っていく。
ゼロ&黒「いくぜ・・初公開、ダブルゼロアタ――――ック!!!!!!」
ラフ「ギョヘ――――――――ッ!!!!!」
二人の強烈なサーベルの一撃が決まり、死亡。
ゼロ「ん?なんだこりゃ・・」その爆発跡から、謎のチップを拾った。
しかし、それを見ていたナインテイルズが他のテイルズを集めた。
ナイン「奴らに食らわせろ!」他テイル「ハッ!」
全テイルズ「滅殺波動拳!!!!!!!!!」
テイルズ系の必殺技、滅殺波動拳。
全てのテイルズがそれを結集させ、いまだかつてない威力の破壊光線を発射したのだった。
マリ「やばいよ!」黒「やばくねえよ!」マリ「・・・え??」
黒は余裕の表情でサイボーグデーモン形態に変身した。
そして、必殺技を放つ。
黒「ブラック・デスティニア!!!!!!!」
マシ「俺も手伝うぜ!ベルセルクチャージ!」
ゼロ「アースクラッシュ!」
アク「変身、阿修羅ナックル!!!」
・・大爆発が起きた。敵兵が何十体も倒れたが、味方に被害はなかった。
ナイン「馬鹿な・・われらの必殺技が・・相殺?」
黒「さあ、ゼロ!お前らは先へ行け!早く帰ってリルちゃんのとこへ帰れ!!」
ゼロ「ブラック・・分かった!後は任せたぜ!!」
そして今度こそ6人は先へ進んだ。
黒「さあ、楽しくおかしく面白おかしく、一気に片付けるぞ!!!!!!!!」
二百四話「超戦士の宴・前編」
ぺガシオンが飛んできた。
ペガ「遅れてすまない!仲間を連れてきたぞ!!」
そこに現れたのは、レッドアラートの6人やヘビーナックラー、カンフーマスター等。
カン「我が好敵手を貶めた悪党共よ!早々に消え去るが良い!金怒瑠・狼牙拳(コンドル・ろうがけん)!!」
地上と空中の敵をいっぺんに攻撃する新技。
ワン「できると見た。勝負っ!!」カン「良かろう、くらえっ!!」
ワンテイルズが真正面から攻撃してきたが、胸内に隠された槍を飛ばして応戦。
マサイ「うおおおおっ!!」ダック「ダハハ~~~っっ!!」
強力なドリル攻撃対決。だがダックビルモールが優勢のようだ。
徐々に押し返されるマサイダー。マサイ「ぐ・・ううう・・・!!!」
ダック「これでお終いグワァ~~~!!・・・・あ?」
ダックの背中にウオフライのDグレイブが刺さっていた。
ウオ「ヒャハハ~~~!!」ダック「で・・めぇ・・!!!」
イノブス「こんな集団戦で一対一なんてバカなことしてっからだよ!!」
イノブスキーが言うように、集団戦では一対一などしている余裕は普通は無い。
だが、超戦士は違う。
黒「バカなこと?そうでもねえぜ、けっこう楽しいんだ・か・ら・よぉ!!!」
強烈な顎蹴りをナインに叩きつける。
ナイン「ふ・・・・!!!」黒「おらおらぁっ!!」さらに連続攻撃。
ダメージが大きいと思われたが、ナインはなぜか余裕の表情。
さらに、黒に背中を向けた。
黒「ん?何やってんだお前・・」
ナインの不可解な行動に一瞬、動きが止まった。
しかし、それこそがナインの作戦。
ナイン「九砕!!!!!!!!!」
黒「な・・・うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?!??!」
ナインの9本の尾が黒に痛烈な連続ダメージを与える。
ナイン「どうだ、我が最高奥義。もはや貴様に勝ち目は無い。」
黒「バカが・・」ナイン「何?」
黒「技、ひとつ見せたくらいで勝った気になりやがってよ、こんなバカ見たことねーぜ。」
ナイン「なにを・・・」
黒「うらぁ!!!!」至近距離で指からチャージバスターを発射した。
ナイン「ふっ!!」だが、ナインに手で叩き落とされた。
黒「おっ・・・!」
アルマージ「なんと!?あの一撃を片手で!?」
黒「思ったよりやるじゃねえか!」
ナインの恐るべき戦闘力。それでも黒は余裕な表情を見せていた。
だが、近くで戦いながら見ている者は全員がそれを虚勢だと確信していた。
タイガード「やべえ・・このままじゃやられちまうぞあいつ!」
ナマズロス「加勢したほうがエエンちゃうか?」
仲間達が心配し始めた。だが・・
黒「余計な真似してねえで自分の敵を倒しな!!!」
黒はあくまで自分ひとりで戦おうとする。
その言葉に、冷静沈着なナインも苛だち始めた。
ナイン「・・いつまで強がるか・・」
ナインの表情がゆがみ始め、手にエネルギーが集中されてきた。
黒「さあなっ!?」ナイン「己っ!!!」
ナインが滅殺波動拳を繰り出そうとしたとき、黒の頬から2本の小さな砲身が現れる。
黒「ほっぺたプラズマ~♪」ナイン「なっ!????」
言葉と同時に、強烈な電撃弾が発射された。
黒「ついでだ!ファイナル・テンフィンガー!!!」
ナイン「ぐおおおおおお・・・・・!!!!」
黒「仕上げはこいつだ!!!ダーク・ジェネシスゥウウうううううう!!!!!」
一瞬、大きな部屋が暗黒の光に包まれた。
そしてその直後、ナインテイルズの残骸が煙を出しながら戦場に散らばった。
黒「周囲一帯を破壊するダークジェネシス。・・それを一人で押さえ込みやがった。かなりの奴だったって訳か。
・・チッ、最初から知ってりゃもっと楽しめたのにな・・」
第二百五話「超戦士の宴・中編」
黒がナインを倒してから士気が一気に上がり、リディプス軍を圧倒するハンターチーム。
ストンコング「どぉりゃああああ!!!!!!」敵「うわーーーーーっ!!!!」
イグリード「ストーム・トルネード・ネオ!!」敵B~F「うわわわわっ!!!!」
しかし、敵の攻撃も凄まじくハンターチームの中で倒れてしまったものもいる。
スリー「たあっ!!」ファイブ「でやあああっ!!」ペガ「無念・・・!!」
フクロウル「ペガシオンが倒された!?ぐはっ!!!」
セブン「まずは自分の心配をするが良い。」フクロもセブンに倒されてしまった。
さらに、止めを刺されようとしたその時、ビームサーベルが回転しながらセブンに飛んできた。
セブン「なにものっ!?」オスト「あ・・あれは!!」
ダイ「よおっ!!おっ久~~!」ハイ「行くぞ・・。」
今度現われた援軍は、ダイナモ&ハイマックスだった!!
マサイ「いいぞいいぞ!このまま一気にやっちまおうぜ!」
ガンガルン「ひゃっほ~~~!!」
そして、またも大乱戦。
その中でも一際激しい戦い。
それはホー&ヴァジュ対エイトテイルズ×2。
互いに超大技を連発する。
そして、少しの間攻撃が止み、互いに一歩分はなれた。
ホー「滅殺波動拳はエナジー・トライアングルと互角か・・」
エイトA「己・・ここまでできるとは思っていなかったぞ・・!」
ヴァジュ「バカが・・俺たち相手にこれ以上戦えると思ってんのかよ!」
額から血を流しながらも余裕のヴァジュ。
エイトB「なんだと・・今まで手加減していたとでも言うのかぁ!!!」
滅殺波動拳で二人を狙った・・が、エイトBはそれを放つことができなかった。
エイトB「う・・ぐ・・うごかな・・ギャアアアアアアアアアア!!!!!!」
ヴァジュ「フィナーレ・オブ・デスローズ。威力を抑える代わりに相手をバインド状態にします。」
元に戻って技の解説。ちなみにこの技、X6編の対ダイナモで初披露。
血でバラの絵を描き、エネルギー波を放つ魔方陣とする技である。
今回は動きを封じた上に威力を抑えている。
ダイ「お~、懐かしい技じゃねえか!んじゃこっちは新技だぜっ!!」
そう言って脚にエネルギーを貯める。
そして、セブンに強烈なかかと落としと顎蹴りを同時に加えた。
セブン「・・・・・!!!!!」ダイ「シザーブレイクってんだぜ!」
その頃ハイマックスもワンテイルズを相手にしていた。
ハイ「デスボール・スパズマ!!」より強化されたデスボールでワンを倒す。
ツー「貴様っ・・・うおっ!?」ハイに攻撃しようとしたところで背中にミサイルを食らった。
マー「ほらほらっ!よそ見してっと・・火傷するよっ!!」
マーティは右肩&腕にバズーカ、左手にマシンガン、左肩にビーム砲、脚に3連ミサイルランチャーという重武装で戦闘能力をカバーし、
ツーテイルズを倒すという大金星を挙げてしまった。
それを見て納得いかないのがもう一人のツー。
滅殺波動拳を放ちマーティを殺そうとする。
マー「あぶな・・・」重武装のため攻撃をよけられないマーティ。
光に包み込まれそうになった・・が。
ツー「どうだ・・ここは弱者が来るべき場所では・・」
ツーの視線の先。光が消え煙が晴れた。
そこに立っていたのは、マーティとリルとライクだった。
ギリギリでマーティを抱えてジャンプしていたのだ。
ツー「なにっ!?何だあの子供は!!」
そこに黒もやってくる。
黒「よーし、行くぞ、標的はツーテイルズ!」
リル「は~い!」ライク「いくぞぉ・・・」
ツー「何を・・する気だ!?」
黒&リル&ライク「トリプルチャージバスター!!!!!!!」
ツー「ぎょおおおおおおお・・・・・・・・・・!!!!!!!!!」
三人の合体バスターがツーを消し去ったのだった。
第二百六話「超戦士の宴・後編」
「うおらぁあああっ!!!!」
ホーの一撃がエイトの後頭部に叩きつけられた。
「おのれぇえええっ!!!」
ナインの死、自軍の劣勢に冷静さをなくしたエイトは完全に勝ち目を失っていた。
「ニードルトルネード!!!」
「ぐは・・・・っ!」
ヴァジュの一撃でもう一体のエイトは完全に倒れた。
「く・・くそっ、このままでは完全に負けてしまう・・よし、あのガキどもを・・!」
ダッグビルモールがライクを襲った。
「わっ!!」「死ねぇ~~~~!!!」
ライクの体にドリルが届きそうになったその時。
ダッグの体が凍った。
「ったくも~お兄ちゃんったらすぐボーっとするんだから!」
リルが凍結弾「クライオジェニック」を使っていたのだ。
「アハハ、ごめんごめん・・あっ!!」
「え、何?」
今度はリルの後ろからフォーが襲ってきていた。
「フォオオオオオオ・・・!!!」
「え・・きゃああ!」
「やめろーーっ!!」
ライクがフォーを弾き飛ばした。
「ば、馬鹿な!この私がこのような子供に弾かれようとは!?」
「え?え?なにが・・あったの!?」
ほぼ無意識の状態である。
そして、驚いているフォーの後ろに黒い影がユラ~リと近づいてきた・・
「な、なんだ貴様!」
「ふざけんなクソヤロォーーーーーーー!!!」
リルを不意打ちしたのが最大の失敗。
黒の一撃がフォーを完全に粉砕した・・のだった。
「おじちゃんありがとう!」
リルはすぐに黒に飛びついた。
ライクが助けたのに・・。
だが、それを最も快く思っていないのは、サラーである。
「己・・己・・・秘奥無尽剣!!」
超速回転の連射切りで敵を一気に斬り散らした・・
「お~、すげ~な~。」
「そ、そうか?(やった!)・・ん?」
「・・・・・」
黒に誉められて喜んだサラーだが、直後にリルと目が合い、互いの目から火花を散らしていた・・
それを見た黒の感想「この目から出てるビームみたいな奴を戦闘で使えればいいのにな・・」
&ヴァジュのツッコミ「そりゃ無理ですよっ♪」
その頃、ライクは一人でシックスと戦っていた。
「(この少年、只者でないことは確か。しからば!)」
滅殺波動拳を全力ではなった。
しかし、ライクはとっさにしゃがんでかわす。
そして、ゼルナックルを撃った。
床から波動拳までの高さは50センチ。
そして、ゼルナックルのエネルギー弾は直径40センチ。
しかも半分は地面に埋まっている。
そのために誘爆されないのだ。
滅殺波動拳の発動終了したシックスの足元から突然エネルギー弾が飛び出してくる。
「う・・うおおおおっ!!!」
ダメージを受けたシックスだが、まだまだ倒れはしない。
「ここまでだ・・確実に倒してくれるッ!!!」
格闘戦で倒そうとダッシュでライクまで近づいてきた。
「わっ!」「とあーーーーっ!!!!」
シックスの強烈な跳び蹴りがライクの頬をかすめた。
「うっ!」「流石にかわしたか!」
そしてシックスが次の攻撃に移ろうとした時、ホーが割って入った。
「今度は俺と相手してもらおうか!?」
「いいだろう!喰らえ!滅殺波動拳!!」
「お前らはそればっかりかよぉ!!」
ホーは高速でシックスの後ろに回り、強烈なバックドロップを決めて勝利した。
その瞬間、ハンターチームの勝利が決まった。
リディプスの兵士は全滅したのだ。
「よ~し、敵は全員片付いたなッ!?」
凍ったダッグを蹴って粉砕しながら黒が叫ぶ。
・・その時、ライクが氷の中からチップがおちるのを見つけた。
「これ・・なんだろ?『Z』って書いてある・・」
「ん?なんだそりゃ?・・わかったぞ・・こいつは・・」
第二百七話「強敵という名の罠」
黒達が敵を倒した頃、ゼロ達はそれぞれ別の部屋にワープさせられてしまっていた。
そして、それぞれの部屋には番人がいた。
「お前は・・ジャンゴー!」
Xの前に現れたのは、最初に倒した強敵・ジャンゴーだった。
「ニャはは・・来た敵・・倒すニャぁ!!」
そう言っていきなり体中から放電してきた。
「うわっ・・・!!またボス達の復活か!
リディプスめ、イプシロンのために戦って死んだ者を自分の手駒として使うなんてどこまで卑劣なんだ!」
「黙るニャ!ぶっ殺すニャ!ローリングアサルトぉ!!」
電気を纏った回転落下攻撃。
以前のものより強くなっていて、Xは弾き飛ばされてしまった。
さらにジャンゴーの連続攻撃が入る。
Xは苦戦しながらもハイパーモードに変身。
「く・・こうなったら・・ハイパーモード・Xファイア!!」
「ニャッ!?」
以前本物のジャンゴーが倒された時のデータがこのジャンゴーにも記録されており、
弱点である炎属性を持った相手を見てジャンゴーは動きが止まった。
「隙あり!Xコレダー!」「ギニャッ!!」
弱点を喰らって壁まで吹っ飛ぶジャンゴー。
そのまま壁にめり込む。
しかし、すぐに壁から飛び出し電閃ネイルを構えて再び襲い掛かってくる。
「喰らうニャ~~~~ッ!!」
「今だ・・チャージコレダー・開放!!!!」
壁にめり込んでいる少しの間に、XコレダーをチャージしていたX。
ジャンゴーに多大なダメージを与える・・!
「グォゴニャ~~~~~~~~~~ッ!!!!!」
ジャンゴーのコピーは形を残さず吹き飛んだのだった。
その頃、マッシモはホーンドと対峙していた。
「お前か・・丁度いい、今の俺の力を試すにはうってつけの相手だぜ!!」
いきり立ってホーンドに立ち向かうマシ。
だが、ホーンドもそのパワーでマシを迎え撃つ。
「ぐおおお・・・・!」
「ぐぬぬううう・・・」
二人の力は全くの互角で、少しの間両者ともに動けなかった。
だが、ハイパーモードになることですぐにマシの優勢となる。
「パワー全開っ!!!」
パワーで押し切り、そのままホーンドの腹に強烈な蹴りを食らわせた。
「ぐふっ!!!」
「どうだぁ!!てめえの自慢のパワーも今の俺にはこんなもんだぜ!!」
「貴様・・許さん!!タイダルウェーブ!!」
ホーンドの必殺技、タイダルウェーブがマシに押し寄せる。
だが、マシは余裕の表情でエネルギーを貯めていく。
「ベルセルクチャージ・・発射ぁ!!!」
マシの放った強力なエネルギー波が波をかき分けて一気にホーンドまで到達した。
「グオオオオオオオ!!!!馬鹿な・・どれだけ・・やつが・・力を上げたと・・」
ホーンドは大爆発し、消滅した。
「見たか!これが『鋼鉄のマッシモ』の実力よぉ!!」
斧を振り上げ、マッシモは高々と叫んだ。
さらにその頃、マリノとシナモンは二人でサイケと戦っていた。
正確にはマッドノーチラスであるが。
「このぉ!!とっととくたばんな!!」
「え~い!」
二人の攻撃が続くが、やはりコアを攻撃しなければ決定打にはならないようだ。
サイケはコアの殻を閉じたまま、触角からのビームを連射している。
「せっかく新しく手に入れたビームミラクルS(武器)も役に立たないよ・・」
「こっちのディバインハンド(武器)もボロボロです・・」
そんな二人を見下ろし嘲笑するサイケ。
「ひゃはは~~~とっとと死ぬがいい、ザコドモォ!」
「あの野郎・・・!!」
「落ち着いてください!どうにかしてやっつける方法を考えましょうよ!」
そして、二人はビームをかわしながら作戦を考えることに。
「あたしが攻撃しまくるからさ、ダメージを受けたらあんたが回復するってどうだい?」
「え、でもそんなこと・・危ないですよ!」
「大丈夫さ!それにアンタのほうは攻撃受けそうになったらすぐに
ハイパーモードになって防御力上げればいいんだし、それじゃいくよッ!!」
マリの攻撃がサイケに連続ヒット。
だが、それで倒せるサイケではない。
「ヒャハア!!間抜けめ、このまま疲れ切るがいいわぁ!!」
「サブウェポンで援護しないと・・!」
シナもエンジェリックエイドでマリを回復させつつ攻撃。だが勿論、殆ど効かない。
「つ~かま~えたっ!!!」
触手の一つがマリを捉えた。
そして、マリは何度も攻撃を喰らってしまう。
「く・・はぁあ!!!」
「マリノさん!・・エンジェリックエイド!!」
マリは攻撃と回復を交互に受け続ける。
だが敵に攻撃することはできない。
しかも、シナにも疲れがたまってきた。
「はぁ・・はぁ・・・」
「フヒヒ・・そろそろ終わりですかなぁ!?」
サイケがニヤリと笑った時、マリもなぜか余裕の笑みを浮かべる。
「ああ・・これで終わりだよっ!ハイパーモード・クイックシルバー!
・・・くらえっ!リベンジハリセン!!!」
この武器は、相手から受けたダメージをそのまま返すもの。
そのあまりの衝撃に、コアの殻が開いた!!
「な・・なんだとぉあおおおお!!!???」
「エモーショナルリール・・ハイパーダイブ!!」
「わ・・わたしも!フォースミサイル!!」
「す・・すべて計算ずくだったのか・・・!!!」
サイケ、死亡。
「やりましたね、マリノさん!さすがです!」
「いや~、アンタが落ち着かせてくれなかったらやばかったよッ♪」
その頃、アクセルはジェントラーを相手にしていた。
かなりの優勢に見えるが・・?
「ヘヘッ!たいしたことないねッ!」
「ぐ・・・ぐふうう・・ゲレナフレイム!!」
「わわっ!!!アツゥ!!いきなり本気出すなよっ!!」
「ぐぅおおおおおっ!!!!」
アクが油断している隙にジェンの強烈な一撃が決まってしまった・・・。
「バカめ・・このまま消え去るが良い!テラファイヤ!!」
「偉そうなこと言ってアイテム頼み!?付き合ってらんないよ・・変身!タイダルウェーブ!!」
「ぐおがぁあああ・・・・!!!」
弱点の水攻撃を喰らって大ダメージのジェン。
アクはここぞとばかりに連続スピードキック。
「ていっ!やあっ!!そりゃりゃっ!!」
「グ・・許さんぞ貴様・・・!!ガアアッ!!」
「えっ・・・うわあああっ!!!」
なんと、ジェンが口から火を吹いた。
アクは空中に吹き飛ばされて天井にぶつかってしまい、そのままアクの意識が薄れていく。
「とどめだぁ!!ライジングクラッシュ!!」
上昇し、空中にいるアクに必殺の体当たりを食らわせようとした。
薄れるアクの意識の中で誰かの声がする。
(最後まで諦めるな。お前ならそれが出来る・・)
「誰・・?」
(諦めるな・・お前なら・・・)
アクはその声の正体がわかった。
それと同時に、アクの意識が蘇った!!
「そっか・・そうだよね・・レッド!!」
「死ねぇーーーーーッ!!」
飛び込んでくるジェン。
だが、アクは余裕の表情でホバリング。
そして、アクセルバレットを連射し、猛スピードで向かってくるジェンを迎撃し吹き飛ばした!!
第二百八話「最後の門番」
X達が復活ボスを倒している頃、ゼロも同様にエンシェンタスと戦っていた。
「うおらぁ!!!」「どわっ!!」
ゼロのアースクリップキック(しゃがんだ状態での回し蹴り)でド派手に転ぶエン。
「己・・ぐほぉおお!!」さらに連続蹴りを喰らう。
とはいえ、流石にエンもこのまま倒れはしない。
電気攻撃の光でゼロの目をくらませる。
「う・・・!!」「甘いぞ、ゼロぉ!」
その隙にゼロから離れ、阿修羅ナックルを撃ち出した。
「ぐ・・・あああっ!!!」
「とどめだ!ハイパー・アイシクル・ヒート・サンダー!!!」
この技はエンの属性技のエネルギーを全て純粋な攻撃力に変えた最大の必殺技。
その威力のために一気に体力を失ってしまうのだが、それに見合うだけの威力は勿論ある。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお・・・・・・・!!!!!!!!!!!」
ハイパーモードになった上ゼロサーベルを構えて防御するが、押し負けそうになる。
「この威力・・イプシロン級だぜ・・」
「このまま消え去るがいいわぁ!!」
・・・部屋全体を巻き込む大爆発が起きた。
ゼロのアーマーが部屋に転がっていた。
全て壊れてしまったようだ。
当然、内蔵されていたハイパーモード用チップも壊れている。
・・・だが、この部屋で起きたことはそれだけではなかった。
「バ・・カ・・な・・」
爆発を潜り抜けたゼロの一瞬の一撃がエンの体を真っ二つに切り裂いていたのだった。
「無念・・」エンの最後の言葉が空しく宙に浮いた。
「無念も何もないだろが、自分の主も目的も忘れやがってよ・・・」
そして、6人はそれぞれの部屋に現れたワープゲートを通って大きな通路で合流した。
「みんな!無事だったか!?」
Xは全員の顔を見て安心しながらも気を抜いてはいなかった。
「ゼロ、その格好・・」
「ああ、アーマー全部吹っ飛んじまった。思ったよりやりやがったぜ、あの阿修羅野郎。」
そこにマリノが口を挟む。
「けっこう童顔なんだね、アンタ。」
「うるせぇ!!」
「かわいいです!」シナも笑う。
「黙ってろっ!!!」
「きゃっ!・・こわい・・」
ゼロに怒られてシナはXの後ろに隠れてしまった。
「まぁまぁ・・・さてと、よーやく大佐さんのとこへ行けるかな?」
アクは意気揚々と銃を構えて通路の先を指す。
だが、その銃の先にはまだ一人、最後の門番がいた。
「来たか・・イレギュラー共よ。お前達はここでおしまいだ。」
「お前は・・デプスドラグーン!」
ゼロは驚いた顔つきで敵の名を呼んだ。
彼はベテランの老ハンターであり、表舞台に出ることはあまりなかったが
その実力は相当のものであり、マグマード・ドラグーンの親戚でもあるらしい(オリジナル設定)。
「まさかここであなたが出てくるとは思わなかった・・でも、ここを通らなければならないんだ、みんな、行くぞ!!」
Xがハイパーモードで飛び込んだ。
「あまいわぁっ!!!」デプスの一撃がXの腹に食い込む。
Xは仰向けに倒れてしまった上に強烈なプレス攻撃を喰らった。
「ゲホッ!!」「このぉ・・くらえっ!!」
怒ったアクが銃を乱射。
だが、デプス得意の電気攻撃で弾かれてしまった。
マシ「くそぉ・・こうなったら俺達もハイパーモードだ!!」
全員ハイパーモードへ変身し総攻撃をかけた。
「よし、うまくいきそうだ!!」
マシの攻撃でデプスは吹っ飛び、Xを救出することが出来た。
「よ~し、変身!ゲレナフレイム!!」
「ぐごおお・・!!」弱点であるジェンの炎をくらい、よろめくデプス。
「いっくよ~、マリノスタンプ!!」
さらに一撃をくらい、倒れてしまった。
「・・・本気を出すまでもなかった、か・・?」
ゼロが無表情につぶやいた。
が、デプスは完全に余裕の表情で起き上がった。
「まだまだ負けはせんぞ・・フフ・・」
「なんだあの顔は・・完全にこっちが有利なのに!」
Xが不思議がっていると、シナとゼロ以外がクールダウンしてしまった。
「なるほど・・そういうことだったか。」
先の復活ボス戦で、X、マシ、マリはハイパーモードになっていたためクールダウンを早めてしまっていた。
アクは元々時間が短く、ゼロは既にハイパーモードになれない。
現在ハイパーモードでいられるのはシナのみ。
しかし、アイアンメイデンは大して攻撃力が上がらない。
「ゲインハイパーは・・・?」「無い・・」
もう、ハイパーモードになることは出来ない。
「このまま・・死んでしまええい!!!」
デプスの必殺の雷撃攻撃が始った。
「う・・うわああああ!!!!!」
「ぎゃあああ・・・!!」
「く・・このままじゃやばいよ・・!!」
全員が大ダメージを受けた。
それが先の戦闘とのダメージと重なってより苦しくなる。
オマケにリディプスの部下がまた現れ、攻撃してきた。
「あいつら・・何人いるんだよっ!!ゴキブリじゃ・・・ないんだからさ・・」
マリが倒れた。
「へへ・・けっこう・・やる・・じゃん。」
アクが倒れた。
「ちくしょう・・こんなところで・・!!俺は・・こう・てつの・・・」マシも倒れた。
「く・・このままじゃ全滅してしまう・・ゼロ、何かいい手は・・あっ!?」
Xも胸に銃弾を受け倒れた・・。
残るはゼロと、ゼロに守られ続けたシナの二人だけ。
「さてと・・これで終わりのようだな、ゼロ。私の策略に完全に引っかかりおって・・」
「フン、お前の策略か・・ハイパーモード使ったのは全部こいつらの意思じゃねーか。
お前が一体何したって言うんだよっ!!」
「黙れ・・すぐに骸としてやるわっ!!!!」
デプス怒りの電撃光線がゼロの胸を貫いた・・!
「ぐ・・・!」
「ゼロさんっ!!」
「終わったな・・」
ゼロが倒れていく。
それを見たデプスは戦闘体制を解き、それに合わせて部下たちも銃を下ろした。
泣きそうになるシナの顔より低い位置にゼロの頭が行った時、ゼロは叫んだ。
「・・・回復だっ!!」
「・・・えっ?」
「回復しろっ!!全員だ!!!」
「わ、わかりました!エンジェリックエイド!!」
ハイパーモードのシナの回復能力によって、全員体力100%で復活したのだった・・・!
「ま・・まさか貴様、わざと倒れたのか!?油断させて・・・回復を邪魔されないために!!!」
「そういうことだっ!!!!」
ゼロは一瞬でデプスに近寄って殴り飛ばした。
「チャージショット!」
「お前らなんか通常形態で充分!ベルセルクチャージ!!」
「くらいな・・散華!」
「連射連射ーーー!!」
「私だって・・戦えます!!」
5人の攻撃が雑兵を一気に破壊していった。
残る敵は、デプスのみ。
「お・・のれええ!!!!」
「うるせえ!これでもくらえっ!!!」
最強の炎属性の武器、紅蓮剣でデプスの下半身の魚の頭を切り裂いた。
「ぐおおおおおっ!!!な、なんということを・・!喰らえ、テラサンダー!!」
「ぐっ!・・・お前じゃもう無理なんだよ・・!」
「な・・何?」
「お前じゃ俺達を止めることなんてできるわけねーんだよ!!!!!!」
「う・・・うわああああっ!!くるなぁーーーーーーっ!!!!」
「行かない・・訳ねーだろ!!!」
紅蓮剣によるコマンドアーツ。
ついに強敵デプスドラグーンを倒したのだった。
喜びの声を上げる面々。
「やった!」「これで残るは・・」
「リディプスただ一人だ!!」
第二百九話「リディプス」
ついにリディプスの居る司令部までたどり着いた6人。
「よくもボク達を裏切ってくれちゃったね?」
銃を構え、笑いながらもアクの目は怒りに燃えていた。
この珍しい表情を見て、嘲笑するかのように笑うリディプス。
「裏切る・・か。最早、貴様らはイレギュラー。裏切りも何も無かろう。
勿論、下で暴れてくれた連中にも処罰をくれてやらねばならんな。」
「ふざけんな!いきなりイレギュラー認定なんてふざけた真似しやがって!!!!」
「あたし達をイレギュラー扱いした理由を聞かせてもらおうじゃないか?」
「絶対、許しません!!」
怒りを顕にするマシ・マリ・シナ。
イレギュラー扱いされたこと、アルを重体にしたことを口々に叫ぶ。
「・・・下らんことを。イレギュラーと・・・言う物は・・話など・・・聞かず・・」
突然、不気味に動き始めるリディ。
それはまるで、体を慣らしているかのようだ。
そして、腕を後ろに伸ばしたとき、リディの目が光った。
「来るぞっ!!!」それを見たゼロが叫んだ。
「瞬時に処分するべきだったなっ!!!!!!」
リディは二本のサーベルを持って、高速で飛び込んできた。
「はあああああああああっ!!!!!!」
「ぐふおぅ・・・・!!!!」
マシが、×字の形に斬られた。
「キャアアアアッ!!!」
吹き出る大量の血を目の当たりにし、シナが叫んだ。
それを聞いたリディは今度のターゲットをシナに決める。
「やめろぉおおおおおっ!!!!!!」
Xが飛び込み、敵の間合いに入る直前にバスターを放ち、リディを吹き飛ばした。
リディのぶつかった壁は一気に亀裂が入り、破片がいくつか飛んだ。
「おのれ・・流石に戦闘力は高いか!!」
「当たり前だ!!!ホーネックが何より信じた物だぜ!!」
ゼロはリディを壁から引きずり出し、パンチで床に顔面を叩きつけた。
「は・・・・・・!!!!どおおおあっ!!」
しかし、リディも強力。
起き上がると同時にゼロの腹にエルボーを食らわせて吹き飛ばした。
「今度はあたしが行くよっ!!!X、援護しなっ!!」
マリが突撃。
ビームミラクルSで接近戦攻撃を食らわせるが、剣の腕ではリディには及ばない。
「ククク、この程度か、快盗が!貴様程度・・うおっ!?」
後ろからXがバスターを撃って援護している。
「ホラホラ行くよっ!!どうしたっ!?」
それに伴ってマリの攻撃もリディに当たるようになっていく。
あまりの悔しさに顔を真っ赤にして怒るリディ。
「貴様・・剣で敵わぬと知って仲間に・・」
「言っただろ・・援護しなってさ!!」
と、なんとか優勢に持っていったマリだったが、数分後にはリディのパワーで弾き飛ばされてしまった。
「この屈辱・・ただでは済まさんぞぐはっ!?」
今度は顔の横からXの攻撃が入った。
「残念だったな!俺たちがいることを完全に忘れるなんて、お前も大した事は無いみたいだ!」
「貴様・・・フフ、確かにこのままではまずいな。負けてしまう。やはり多勢に無勢は・・やりにくい。出でよ!!!!」
リディの叫びとともに、壁が開き、そこから無数のレッドホイールが現れた。
「フフフ・・これで条件は五分といったところだろう?」
そこに、ゼロが反論した。
「フン、そんなメカニロイドを連れてきたくらいで埋まる差じゃねーよ。」
「何?」
「お前、信じてるものは自分の力だけってクチだろ。」
「う・・・・・そ、それがどうした?それが当然だ!!」
図星をつかれ、動揺するリディ。
それを見て、笑いながらゼロは続けた。
「仲間を信じられない奴がどんなに力や部下を得たとしても勝てないってだけさ。お前の直属の部下は全部メカニロイドか
自分らで作ったレプリロイドじゃねえか。仲間も友達もいねーだろ、お前?」
「う・・・ぬ・・・・・・・・」
リディはそのままうつむいて、黙ってしまった。
腕は震え、剣のエネルギーがバチバチというだけの音の無い状態が続く・・・
「フハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」
「!??」
突然、顔を上げて笑い出したリディと驚く5人。
「下らん、実に下らんよ!!信じる!?仲間!?友達!?イレギュラーの証を次々と掲げおって!笑いを・・
こらえ切れんぞ!!!フハハハハ!!!」
「なんだと!?仲間を想うことの何がイレギュラーだ!!」
Xが怒ってバスターを向けるが、リディの笑いは止まらない。
そして、数十秒後にようやく笑いが止まった。
そのリディの言葉が5人を大きく驚かせることになる。
「は・・はは・・ふぅ・・・それがイレギュラーだというのだよ。
友情ごっこで手をつなぎ、何も変わろうとしないお前達が・・それがイレギュラーだというのだ!!!!!!!!」
剣を振るう衝撃波でXを吹き飛ばしながら、リディは表情を変えた。
「何も変わろうとしないだって・・?」
「そう、何も変わろうとしない、貴様らこそが真のイレギュラー!そして私はそれを粛清する神なのだ!!!」
その言葉を聞き、今度はアクが銃を向ける。
「ふざけたこと言うな、この酔っ払い!!」
しかし、すぐに衝撃波に吹き飛ばされる。
「話の邪魔をするな!・・・そうだ、ついでに教えてやろう。フォースメタルを作ったのはこの私だ。」
「・・・・・何?」
「・・・・・え?」
「ゼ、ゼロ・・・・!!」
ゼロは驚いた。
だが、その次の瞬間、X達は別のことで驚いていた。
・・・ゼロの腹に、リディの剣が刺さっていたのだ。
「なん・・だと!?」
「残念だったな。隙あり、だ。」
ゼロは膝を突いた。
腹から血が流れ出し、目は虚ろになってしまっている。
剣を抜き、後ろに下がって再び話し始めるリディ。
「とある小惑星を研究所にし、極秘にレプリロイドを強化する物質を作らせていた。
それがフォースメタル。・・そしてそれを部下に持ち帰らせようとしたその時だ・・
隕石が宇宙ボートに激突し、せっかくのフォースメタルは全てギガンティス島に落ちていったのだ!!!!」
・・・全ての元凶はリディプスだった。
そして回収しようと部下を向かわせたが、フォースメタルが島に落ちた時、
生じた衝撃波の力で目覚めたイプシロン率いるリベリオン軍の邪魔が入ったためにX達を向かわせたのだった。
その言葉に全員が驚いた。
その中で、最も怒りに打ち震えたのは、マリノ。
「つまり・・あんたがいなけりゃこの戦いにはならなかったって・・事かい?」
震えながら、目に涙を貯めながらリディに剣を向ける。
「・・・確かに、突き詰めればそういうことになるな。」
「この野郎っ!!!!!!!」
「あぶない、マリノさん!!!」
シナが止めるのが一瞬遅れ、マリの一撃がリディに直撃した。
「この・・・オオバカヤロウ!!!」
マリノの怒りの一撃・・だが、リディにはダメージを与えただけに過ぎなかった。
「フフフ・・貴様らの破滅へのカウントダウンが始ったぞ!!」
リディは指を弾いた。
・・・それが合図となり、レッドホイールの絶え間ない銃撃が始った。
「ま・・まずい!チャージショットで一掃出来るか・・・!?」
「変身!タイダルウェーブ!!」
マシは最初に倒れ、ゼロも先刻膝を突いたまま動かなくなってしまっている。
大きく不利になったこの状況で、X達は依然として戦い続ける。
「うおおおおおおっ!!!!!!」
チャージショットの攻撃ではレッドホイールを倒すことが出来ない。さらに連射攻撃を喰らう。
「このままきえろぉ!!消えてなくなれぃ!!!」
リディは、最早それまでのリディではなくなっていた。
その形相は、まさにイレギュラー。
アクはその顔に怒りを覚えていた。
・・・その時、先ほどよりはるかに速いスピードでアクの前にリディが飛びかかってきた。
「ふははははーーーーーーっ!!!!!」
「わーーーーーーーーっ!!!!!!!」
だが、その攻撃は決まらなかった。
マリの最強技「ミラージュタイプ」がリディの背中に激突していたのである。
「ぐ・・・ふぅ・・・・!!!」
「あいつの仇・・・取らせてもらうよっ!!」
「よっしゃ!!!このままいくよ!!!変身!!阿修羅ナックルぅ!!!!!」
マリの攻撃に続き、アクも必殺技を使う。
レッドホイールにもリディにも大きくダメージを与えた。
しかも、エンシェンタスに変身することはもう一つ意味があった。
それは、マリの怒りをより燃え上がらせることである。
「・・・・リベンジハリセンっ!!!!!!!!」
「ぐふぅっ!!!!!!・・・大概にするのだな!!!!」
リディの反撃。マリは左肩を切られてしまう。
「痛・・・!!!」
「マリノさん!くそっ!!」
アクはまたも怒り、リディに銃を向けたが・・
「愚かな・・最後は必ず全員死ぬのだ・・」
「うるさ~~~~~い!!!!!!!!!!!」
その言葉を聞いて、アクの怒りが頂点に達した。
そのままアクの連射攻撃がリディの胸に直撃する。
さらにその瞬間、ゼロが復活した。
「うおらぁあっ!!!!!!!!!」
「ゼロ!大丈夫なのか!?」
「当たり前だ!!動けない振りして体力回復を待ってたんだよ!!!!」
そういってゼロサーベルを持ち、極限までビームを伸ばす。その長さ、実に30メートル。
「な・・長っ!!!」
マリの驚きに目もくれず、ゼロは飛びあがってプロペラのように回転し・・・
レッドホイールの大半を切り裂いたのだった!!!
そして、アクがリディを攻撃しているうちにXとマリがレッドホイールの残りを倒す。
そしてその間にシナはゼロとマシを回復する。
しかし、マシが完全回復するかしないかの時、リディは弾丸を切り裂きながらアクに向かって走ってきた!
「うわあああっ!!!」
「甘いぞっ、少年よ!!」
右の剣はアクの首の左側を切りに、左の剣は腹を突こうとしている。
「アクセル・・・・っ!!!!!!」
Xが驚いて叫んだ瞬間、アクの首にサーベルが触れた・・・。
「・・・甘いのはそっちだよ、大佐サン。」
アクは一瞬で左の剣を避け、体をリディの腕の中にねじ込み、ゼロ距離射程で銃を顔面にはなった。
「うぐ・・・っ!?!??!?」
あまりの驚きに立ち上がれないリディ。
それをゼロが見逃すはずは無く、ファイナルナックルによるマウントパンチで一気に敵を追い詰める。
「う・・・ぐ・・・・ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
第二百十話「リディプスの秘密」
「とどめだ!喰らいやがれぇ~~~~っ!!!!」
「ぐは・・・・あああ・・・・!!!!」
ゼロの超攻撃でボロボロになったリディに、マシの一撃が炸裂した。
リディは白目を剥き、口を大きく開けたまま倒れた。体中の傷からはバチバチと電流が放たれる。
シナはその光景を見て「ひっ」と声が漏れ、目を覆った。「怖い・・」
それに対し、ゼロは簡単な一言を発した。
「これが戦いだ。」
ゼロはとどめを刺しに向かう。
一歩、また一歩と亡骸になる寸前のリディに近づく。
リディはそれに気付いているのかはわからない。
ただただ息を荒げ苦しむだけ。
そしてゼロは、サーベルを構えた。
「スパイダーの最後の仇だ・・!!!」
そして、ゼロがサーベルを振り下ろそうとしたその時、リディの様子が変わった。
光を発しながら笑い出したのである。
「ぐ・・ぐふ、フフフ・・クハハハハ・・・!!」
「何を笑っているんだ・・?」
6人がが不思議そうに見ているとリディは余裕で立ち上がり、さらに光を発し続ける。
「か、回復してるのかも!!」
シナの声に、アクとマシは迷わず攻撃に出た。
ゼロもサーベルをすぐに振り下ろした。
・・・・だが、それはあまりに信じられない光景だった。
3人の手と足は完全に動きを失った。
「そんな・・まさか・・・!!!!」
「スパイダーってのは、俺のことかい?」
「スパイダー!!」
ゼロに名を呼ばれたリディ、いや、スパイダーはまたも笑い出した。
「ククク・・名演技だったろ?正真正銘の俺さ・・!」
そしてスリットから懐かしささえ感じるあの技、そう、カードを放ちゼロを1メートルほど後退させた。
「うっ・・・!!!」「ゼロ!!」
「甘いぜお前ら・・!フォーチュンカード・・フルハウス!!」
さらにスパの攻撃。
リディの時受けたダメージはなぜか回復しているようで、
6人は変身時のあの光のせいだと思いながら防御体制に入った。
・・いや、正確には5人である。
たった一人、たった一人、まったく別のことを考えている者がいた。
そう、マリノである。
攻撃をまともに喰らって倒れたにもかかわらずブツブツと小さく言葉を発していた。
「おっ、どうした?動けよオラッ!!!」
スパが挑発してもまるで動かず、ただただ悲しい表情をしてスパを見続け、呟いていた。
「そんならこっちから動いてやろうじゃねえか・・。」
スパが近づく。
他の5人は阻止しようとしたが動きが遅れ、スパの移動を許してしまった。
そしてスパの残酷な一撃が彼女の顔面を捉えようとした、その瞬間・・スパは後ろ向きに吹き飛び、仰向けに倒れた。
「・・・・え?」
すぐに立ち上がり、マリの方向を見る。
マリはスパイダーの名を呼んだ。
それでもスパは、嘲笑するようにマリを見ている。
その眼にかつての面影は無かった。
その眼を見続けながら、マリは目に涙をためて叫んだ。
「・・なんでさ・・!!!」
「・・・は?」
「なんで・・・!!!どうして・・・!!!」
「なんだよ?」
「・・いつもからかって馬鹿にして・・いきなり抱きしめて・・勝手に守って・・・勝手に死んで・・
今度はどうして・・そんな顔してバカやってんのさ!!!!!!!!!!!」
マリノの悲痛な叫び声が、空気の中で震えた。
「マリノさん・・泣いてるんですか?」
シナが悲しそうにたずねたが、マリノは答えなかった。
マリノはスパイダーの目を見つめ続けた。
彼女の中ではどれだけ長く感じられただろうか。
だが、『彼』は相変わらず嘲笑した目つきで見ているだけだった。
そして、すぐに目を反らした。
その目を反らす寸前の一瞬、彼の眼の中から今までに見たことも無い最悪の蔑みの念が放たれた。
「う・・あああああああああっ!!!!!!」
彼女の眼から大粒の涙が幾つもこぼれ落ちた。
その涙に突き動かされるように彼女は彼に向かって走っていく。
その、あまりの痛々しさに、彼は・・・笑いをこらえることが出来なかった。
「ギャハハハハハ!!!!!!!!!!!!!こいつ・・バカだぜッ!!!最初っから怪しいとおもわねえのかよ!!」
「思うかぁアアアアアッ!!!!!」
飛びあがったマリノの攻撃。
スパイダーは軽々と反撃のカードを打ち出そうとした。
だが、その直前に後頭部を蹴られた。
そしてマリノの攻撃もまともに喰らうことになる。
「(どいつだ・・蹴りやがったのは・・・・ゼロだっ!)」
蹴りを食らわせたのはゼロだった。
ゼロもまた、その状況に怒っていた。
「この大バカ野郎!!!!!ふざけた真似してんじゃねえぞ!!!!どうせ偽者だろう!!!」
さらに強烈な右アッパーを食らわせた。
「偽者・・・」
今度はアクが一歩前に出る。
「そうか、その能力はボクと同じ・・」
「へへ・・そうさ、お前と同じ変身能力だよ・・
宇宙開発のために作られた新世代レプリロイドの完成形がこの俺だ。」
「完成形・・?」
「お前は試作型(プロトタイプ)だ!!自身では知らなかったみたいだけどなぁ!!!」
「ボクが・・新世代レプリロイドの試作型・・!」
「でもよぉ、俺は偽者じゃねえ。変身、つったけどな、ちょ~~~っと違うんだ、これが。
変身と別の・・特殊能力ってやつだ。」
「特殊能力・・?なんだそりゃ!!」
マシが武器を構えながら聞くが、スパは笑って首を振り答えようとはしなかった。
「おしえてあげないよ、ジャン♪ってね。
ともかくスパイダーとリディプスは同じだってことだけ覚えときな、冥土の土産によ・・」
「ふざけんなッ!!!!!!」
「そんなこと信じられるかよっ!!!」
ゼロとXの同時攻撃がスパに向かっていったが、スパは一瞬で姿を消し攻撃をかわした。
「しまった!姿を消された・・・!!」
「その名もトリックスター☆」
スパはそのまま走り去り、扉を開けて行ってしまった。
だが、ゼロたちはその扉が開くところを見ていたのですぐに追いかけることが出来た。
そして、6人が着いた最後の部屋で見たものとは・・・
二百十一話「神」
ゼロ達6人がスパの後を追ってゆくと、長い階段がある。
それを登っていくのだが、最後の敵部隊が襲ってきた。
「こんな時に敵だって!?」
「一気に片付けられるような奴らじゃなさそうだよ!!」
敵の数は多く、しかも防御力に特化した連中。
傷を負い、しかも最終決戦を控えた6人にはかなりの負担がかかるだろう。
しかもマリノが精神不安定で、まともに戦える状態でない。
「俺一人で充分だ!」
マッシモが叫んだ。
一人で戦うことを決意したのだ。
「ここは俺に任せておけ!!!」
「マッシモ!無茶だ!!」
「・・・あの大バカを倒せるのはお前らだけだ!X,ゼロ、アクセル!
この長い戦いでお前達の力には何度も驚かされた。それを見込んで、あいつとの戦いは任せる!!!」
「でも・・一人じゃ大変ですよ!せめて私も!」
シナ、マシを心配して自分も残ろうとする。
だが、マシはそれを振り切って一人で敵に斧を振り下ろす。
「安心しろ!この程度の奴らなら俺一人で充分だ!なんてったってこの俺は『鋼鉄のマッシモ』だからなぁ!!!」
そしてマシは5人が通る道を作るため、ベルセルクチャージで敵によって出来た『壁』に穴を開けて通させた。
「マッシモ!お前の勇気、無駄にはしない!!」
Xはそういい残し、一番乗りで最後の部屋のドアを開けた。
「・・・リディプス!!!」
そこに待っていたのは、スパイダーでは無くリディプスだった。
巨大な装置に身を任せ、傍らには超フォースメタルが輝いていた。
「ああっ!超フォースメタル!そっか、ミサイル基地からアレをとったの、お前だったんだな!!」
「元々私の物だ。取り戻した、と言って欲しい。・・・さて、下らん話はもう要らんな。
私はこの超フォースメタルを用いて神になる。この私こそが正義!
私こそが宇宙の覇者となるのだ!!消え去れ、イレギュラー共ぉおおおお!!!!」
強烈な光があたりを照らし、全員の目をくらませた。
・・・・そして、5人が目を開けるころには、最強最悪の敵が存在していた・・・。
「我が名は神!!!ゴッドリディプスだ!!」
「神・・だと!!」
「ふざけやがって・・!!」
その存在は、あまりに巨大で、あまりに力強く、あまりに不気味だった。
ゼロはまずバスターで顔を撃ってみたが、あまり効いていないようだ。
「チッ・・・」
「阿呆が。我が力、再生能力を使うまでも無い。」
超フォースメタルはリディの肩に埋め込まれており、再生能力と防御能力を司っている。
X達も攻撃するが、ダメージはかなり薄い。
「マリノさん!あんたも攻撃してやってよ!!」
「・・だよ・・・」
「え?」
「何が・・我が力だよ・・」
マリノが顔を上げた。
歯を食いしばり、凄い形相でリディを睨みつける。
「あんたの力なんか大したことないよ!そんなベカベカ光るだけの馬鹿みたいなガラス玉なんかに頼ってさ!!
この・・・大馬鹿野郎!!!!」
それに対し、リディは哀れむようにはき捨てた。
「・・・・愚民が。」
・・・・・・・・・プツン。
「畜生おおおおおっ!!!!!!!!!」
またもマリノは理性を失った。
初めて自分を抱きしめた、初めて自分に新しい感情を与えた、
初めて自分の目を見て死んでいったその相手に、ただただどうしようもない怒りと悲しみをぶつけたかった。
「エモーショナルリール・・ミラージュタイプ!」
マリノの最大の必殺技。
3人に分身し、敵に衝突する瞬間に元に戻って質量と威力を3倍にする。
「でいや~~~~~~~~っ!!!!!」
「愚か者めぇ!!!!」
「あぶないっ!!!!!」
シナの叫びは遅すぎた。
リディの巨大な腕がマリをはたき、一気に壁まで吹き飛ばしたのだった。
マリは声もなく、壁にめり込んだまま動けなくなった。
「マリノさん!・・酷い。」
壁にめり込んだマリノの姿を見て、シナの表情が強張った。
リディに対し怒りの目を向け、ミサイルを放つ。
「この・・木偶の坊!!!!」
アクも銃を連射。
そしてゼロ、Xも怒りそれぞれで攻撃をするものの、
リディにはなかなかダメージを与えられない上にすぐに再生されてしまう。
そして、リディは突然、謎の呪文を唱え始めた。
「naiu0iorembl.-.@,g@亜ssv-え0あpf///・・・・・」
すると、リディの頭上に巨大なエネルギー弾が出来上がり、それが4人に向かって降って来た。
「うわわわわ~~~~~!!!!なんだあれ!?」
アクが慌てるが、ゼロは冷静にアースクラッシュを宙に飛ばしてエネルギー弾破壊を試みた。
だが、それだけではどうしようもない。
「お前らも撃て!!」
「チャージショットだ!!」
「行きます!!!」
「一気にぶっ放せーーーッ!!」
4人の攻撃がエネルギー弾に当たり、少しずつ削っていくものの消えはしない。
まだまだ部屋一杯の大きさで4人の頭上に落ちてくる。
「消え去るが良い。」リディは余裕の笑みさえ浮かべる。
ここまで圧倒的な力はない、と実感していた。
X達は絶望しかけた。
だが、ゼロは一人余裕の表情。
「そろそろ行くか・・・・!!!」
そういって飛びあがり、ゼロサーベルでエネルギー弾を斬りにかかった。
「馬鹿な!!そんなものでこの技が砕けるものか!!」
「砕けはしねえかも知れねえが・・・斬れるぜッ!!!」
・・・・ゼロの言葉通り、エネルギー弾は切り裂かれ、消滅した。
「ギリギリ危なかったけどな、ここまで削っとけば出来ると思ったんだ。成功したぜ?」
「馬鹿な・・そんなはずは無い。あの一撃が・・・ふ・・ふふふ・・ははははははは!!!!!」
必殺技が破られたと言うのに突然笑い出すリディ。
「これで勝ったと思うか!技は破れたものの、私を傷つけることが出来ない貴様らに
勝機はまるで無いわ!!!!しかもこの技、何度でも使うことが出来る!!!」
そういいながら腕を振り回し、4人に攻撃する。
ゼロは右腕を切り裂くが、すぐに再生してしまう。
アクとXの攻撃も殆ど効かない。
さらに、また新たな呪文を唱え始めるリディ。
「iajえ、c-c0.カ・;b、0g。lげl、え@vspsげ0え。・・・」
「な、なんだ・・・うぐっ!!?」
突然4人の足元に亜空間が現れ、吸い込まれてしまった・・・。
「み・・んな・・・」マリが虚ろな瞳のままつぶやいたが、
亜空間から戻ってきた4人はそれぞれ状態異常になっていた。
ゼロはウィルス、Xはジャミング、アクはバインド、シナは凍結。
「ふあははああ!!!見たか!これぞ神の力!!」
「こんなもん、ワクチンプログラム使えば簡単に・・・」と、治そうとするが、なんとアイテム全てがなくなっていた。
「おお、残念だったな。どうやら貴様らのアイテムは完全に亜空間に引きずりこまれたらしい。
困ったことになったな・・さて、どうする?」
「ぐ・・体が・・」少しずつダメージを受け、膝をついてしまう。
「くそ・・どこだ!!!」バスターを撃つが、見当違いの方向へ飛んでいく。
「動けない・・しかもシナモン、凍ってるし・・」
アクもシナも動けなくなっている。
「さあ、ここで終わりにさせてもらおう、さらばだ愚民共、
歴史の教科書か何かに名前くらいは残しておいてやろう!!!」
そしてリディはまたも最初の呪文を唱え始める。
「させるか・・・おらぁ!!!!」
ゼロのファイナルナックルが決まった。
普通なら大ダメージを負うかそのまま死んでしまうだろう。
だが、今の相手はゴッドリディプス。
さしものファイナルナックルによるダメージもあっという間に回復してしまった。
「死ねええええい!!!!!」
そして、リディの最後の一撃が放たれようとした瞬間・・・・瞬間・・・・リディの動きが止まった。
それを見たマリノが、再び呟いた。
「ス・・パイ・・・ダー・・」
「何があったの?攻撃が止まったよ!!!」
「どういうこと・・だ?」
Xのジャミングとアクのバインドが解け、どうにか状況を理解することが出来るようになっていた。
「だが・・なんで止まりやがったんだ?あの野郎!」
すると、動きが止まっていたリディが突然、叫びだした。
「貴様ァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
邪魔を・・するか!!消えされぇい!!」
「何を言ってるんだ!?」
「よくわかんないけど今がチャンスだよ!!攻撃攻撃っ!」
アクが銃をリディに向けたその時、リディの左側頭部からもう一つ、顔が現れた。
「え?あれ・・・何!?」
「顔が・・?!あの顔は!!」
「スパイダー・・・・!!」
マリノが完全に目を覚ました。
その目に映っているのは、ゴッドリディプスに現れたスパイダーの顔。
「早く・・やれ!!!まずは・・フォースメタルを・・外して・・・」
「邪魔をするな!貴様・・・失せろっ!!!」
リディの手がスパの顔を爪で斬りつけた。
「スパイダー!!」
マリノが叫ぶと同時に、リディの体にスパイダーの腕が生え、リディの頭を殴った。
「ぐふっ!!!・・ぬううううううっ!!!!」
「一体・・何が起こっているんだ!?」
「とにかく、早く超フォースメタルを外すんだ!」
二百十二話「超フォースメタル奪取」
スパイダーがリディプスを押さえつけ、動きを封じた。
体内でもいろいろとやっているらしく、リディは口を開いて呪文を唱えることも出来ない。
そこでX達は一応スパを信用しメタルを取ろうとするが、なかなかうまくいかない。
リディ本体はスパが抑えているとはいえ突然動き回ることもあるし、ゼロはウィルスダメージが酷く空も飛べない。
アクも今は変身能力を使えるほどのエネルギーが無い。
しかも、攻撃して破壊してもすぐに再生してしまう。
登って取り外すしかない。
「まずい・・このままリディプスを抑えられる保証はないし・・
超フォースメタルを狙って攻撃してもすぐ再生してしまう。飛ぶことが出来れば・・」
「あたしが行くよッ!!!!」
壁を蹴って、マリノが飛んだ!!
そして、リディの肩につかまり、超フォースメタルを奪いにかかった。
「やった!流石に凄い脚力!」
「マリノさんすごいです!」
シナも、ゼロの紅蓮剣の熱で凍結から復活していた。
・・・しかし、引っ張ろうが叩こうがメタルは外れない。
「くっ!!くっ!!!どうしたんだいこりゃ!!全然・・駄目ッ!!」
「頑張れ!!お前なら・・出来るだろぉおおおっ!!!!!!」
「黙れスパイダー!貴様など・・うおおおおっ!!!」
マリを応援するスパイダーだが、リディの攻撃が今度はスパを押さえつけた。
そしてマリも跳ね飛ばされてしまった。
「わああっ!!!!」
「マリノさん!!」「まずい!」
・・・そこに、窓を破って飛んできた人影が、マリを抱きかかえて助けた。
「あれは・・・」「フェラムさん!!!」
「総統の超フォースメタル、返してもらうよっ!」
マリノといっしょに超フォースメタルを外しにかかるフェラムを見て驚くリディ。
「なにい!?フェラムだと!!イプシロンの犬がぁ!!!・・・うおおおっ!?」
気を取られている隙にまたもスパが優勢になり、リディを押さえ込んだ。
それに乗じてマリとフェは二人で力を合わせてメタルを外そうとする。
「ぐ・・・取れない!」「諦めんじゃないよ・・あんたの彼氏も見てんだろ?」
「彼氏・・」
その一言とともに、マリの目の中にスパイダーが映った。
その目は先ほどのリディプスのものと違い、あの日からずっと想い続けたあの目。
マリノの目に闘志が燃え上がり、力が一気に入る。
しかし、充分な体力が無い。
「うぐ・・・はあああああっ!!!!!はあ・・はあ・・・!」
「なかなか手強いね・・横から壊してみるかい?」
「駄目駄目!再生能力持ってるんだよ!体力さえ戻ればいいのさ!シナモン!」
「はい!わかりました!!ハイパーモード・アイアンメイデン!・・・エンジェリックエイド!!!」
シナによって全員の体力が全回復した。
これでマリはメタルを外すことができるようになった。
・・・だがその時、リディの体から尾のようなものが飛び出し、マリを狙った。
「マリノぉっ!!」
スパが叫んだ。しかしマリはそれに気付かず、メタルを奪い取った。
「やった!!ついに・・・えっ!?」
フェラムがマリを突き飛ばし、リディの体から落とした。
そして、フェラムがリディの攻撃を受けることになる。
「ぐうっ!!」
さらに、リディは動揺したスパの抑えを振りほどいて目から光線を放った。
「ギャアアッ!!!!」フェラムはそのまま落ちてしまった・・。
「フェラム!!!」Xは落ちたフェラムを受け止めた。
だが・・・
「己ェエエ!!!!!よくも回復装置をッ!!!」
リディプスの怒りが完全に爆発した。
最強にして究極の存在である自分に愚かにも刃向かった者達が、
自分が思っていたよりはるかに鋭い抵抗を見せたからである。
さらに、怒りで頭が一杯になっているうちに・・・・防御用メタルも砕かれてしまった。
「だ、誰だ~~~~~!!!!?」
「完全に怒りでイカレてやがるぜ!一気にやっちまえ!!!」
もう一つのメタルを砕いたのは、ゼロ。
ウイルスの効果は続いているが体力だけは回復しているので動ける。
・・・その頃、マッシモは殆どの敵を倒していた。
「ふう・・はあ・・・どうだ!これが俺の真の力だ!お前らなんか、・・・ぐふっ、うぐうう・・」
そのダメージは半端なものではなく、立っているのもやっとの状態だった。
残る敵はただ一人、ファイブテイルズ。
あの戦いの中で、実は一人生き残っていた。
「くそ・・まさかこんな奴まで残っていたとは・・」
「貴殿も良くやったがここまでだ。消えてもらおう。」
「ぐ・・・畜生!!終わってたまるか!ベルセルクチャージ!!!!!」
「甘い!!そんな攻撃では我は倒せんぞ!!」
マシの最後の攻撃もかわされてしまい、ファイブの強烈な一撃がはいる。
「ぐ・・は・・・!!!!」
「まだ倒れんか!滅殺波動拳!!」
マシに止めを刺そうとしたが、そこに現れた影が波動拳を弾き飛ばした。
そんなことが出来るのは一人・・いや、3人は確実にいる。
それこそが、ブラックゼロ、ホーネック、ヴァジュリーラである。
「な・・・貴殿らは!!」
「残念でしたね。こんなところで申し訳ありませんが・・お墓をプレゼントいたしましょう!!」
ヴァジュの一撃が決まってファイブは簡単に倒れてしまった。
「き、来てくれたのか!!みんなはあのドアの向こうだ!」
「わかった。あんたはここで休んでてくれ。」
ホーはマシに回復アイテムを与え、他の2人とともに階段を登っていった。
「勝てる・・絶対・・勝てるぞ!!!」
マシは希望に満ちた顔で叫んだあと、眠りについた。
「お、アレが扉か。一気にいくぜッ!!!」
黒のキックでドアが吹き飛んだ。
そして、3人が部屋に入ると中にX、ゼロ、アク、そしてリディの姿は無く、アクセル、シナモン、マリノ、
フェラムが倒れていただけだった。
第二百十三話「分離」
「ゼロの奴・・どこ行きやがった?おい!起きろ!ゼロと敵は何処行った!!」
アクを蹴飛ばす黒。
「いったいな~・・何も蹴飛ばさなくてもいいじゃん・・」
一応、起き上がったアクだが、かなりのダメージを負っている。
「一体どうしたんですか?ゼロさんやXさん、それに敵さんはどちらへ?」
ヴァジュが聞くと、アクは一瞬ビクッとして、状況を説明した。
ゼロが超フォースメタルを一度は砕いたが、超フォースメタルはそれそのものに自己再生能力があり、
アクたちはそれに驚いている隙にやられてしまったという。
そして、薄れる意識の中で3人(4人)が天井に開いた穴から宇宙へ飛んでいったのを見たのだった。
「宇宙か・・・よし、早く隊長達のとこへ行こうぜ!!」
「おう!」「はい。」
ホーの掛け声とともに3人は上へ飛んでいった。
・・・そして、その「上」の場所・・
「私の飛行速度に・・ついてくるとはな。」
「その程度で偉そうな口を利くな。」
ゼロはXを抱えた状態でリディに引き離されずに飛ぶことができた。
ちなみにXもその間、バスターを撃って少しずつ攻撃していた。
「そろそろ・・決着をつけるべきか。あの星に来い!!」
リディが飛んでいった先の星。
それこそフォースメタルを造った実験場。
ゼロとXは互いに見合って頷き合い、リディを追って実験の星に降り立った。
そんな時、スパの意識が再び現れた。
「くそ・・・いつまでこんなことしてやがる!とっとと・・やめ・・ぐううっ!!!」
「黙れ・・同じ場所で生まれたとはいえ・・
貴様のような愚民に・・私を止める権利などはあるはずもないのだ!!!!」
そこにゼロたちがやってきた。
「あの野郎、そうとう苦しんでやがるぜ!!」
「スパイダーを助けるなら今しかない!!!チャージショット!!」
Xのチャージショットが防御用超フォースメタルを正確に貫いた。
「よし!今なら確実にいける!!」
ゼロがリディの左肩に乗った。
超フォースメタルを外そうというのだ。
「うぐっ!!」
だが、スパの抑える力が弱まっていて、リディの邪魔をうける。
「ぐ・・ははは!!そんな行為、うまくいくはずがなかろう!!神への反逆行為など成功するはずないのだぁ!!!!」
「うるせえ!!何が神だ!!くだらねぇ・・・」
スパが怒鳴るが、リディの右腕で顔面を殴り潰された・・・・。
「スパイダー!!!」Xがそれを見て叫んだが、リディのビームを喰らい、後ろの壁に激突した。
そしてゼロも、リディの攻撃をうけて超フォースメタルを奪えずに、再生を許してしまう。
・・・その時、ゼロは何かを見つけた。
「・・・・・・手?」
「何が「手」だ!早く堕ちろ!!消え去れ!!汚らわしい愚民がぁ!!!」
「わかったぜ・・ここだぁ!!!!」
そう叫ぶと、ゼロはリディの体に浮き出た「手」を握り、引っ張った。
「ヌウッ!!!やめろ!!やめろぉおお!!!」
リディは叫び攻撃するが、Xの援護によってすべて迎撃された。
「うおおおおおおおっ!!!!!!!」
ゴッド・リディプスの体からスパイダーが出てきた。
リディプスとスパイダーが、分かれたのだ。
ゼロの見つけた手、それはスパイダーのもの。
「やった!スパイダーを助け出した!!」
「引きずり出してくれてありがとよ・・リディプス、お礼はさせてもらうぜ・・・?」
スパイダーとリディプスの秘密・・
それは、この二人が同時に作られた新世代レプリロイドだということ。
ある日、開発室で二人のデータを保管したコンピューターにウイルスが侵入し、二人のデータが滅茶苦茶になった。
その結果、リディプスはスパイダーの体を操ることが可能になったのだ。
スパイダーはエンシェンタス戦で確かに一度、死んだ。
だが、リディはスパの意識が失ったことを感じ取り、埋められた死体を自分の意思で動かしてボロックを殺し、
超フォースメタルを奪い返したのだった。
そしてDNAデータを使い、リディはアクセルと同じ方法でスパに変身し、先ほどゼロたちを困惑させた。
だが、スパイダーにも切り札があった。
ウィルスが二人のデータを荒らしたときに、スパの意識の欠片がリディの体内に入っていた。
そのためにリディの体内からスパが現れてゼロ達を助け、リディの中に有った自分のDNAを使い
今ここに復活したのである。
「そうだったのか・・よかった!」
「感激してる場合じゃねーゼ。さ、一気に行こうぜ!」
「ぶっ放せーーーーーッ!!!!!!!」
X、ゼロ、スパの3人による連射攻撃。
スパがリディから奪ったDNAデータの一部を使い、「ファイナルミサイル」を使って、
この攻撃は「ファイナルストライク」へと覚醒した。
「すげえ・・・この威力、このままいきゃ倒せるぞ!!」
ゼロが驚くほどの攻撃だった・・・が。
「忘れてしまっていたようだな。私の右肩に超フォースメタルが蘇っていたことを!!!!」
・・・・失敗だった。
超フォースメタルの防御機能によって、ファイナルストライクのダメージは大したものではなくなっていた。
「そんな・・・!くっ!でも、でもまだ負けたわけじゃない!!この程度のことで終わりはしないぞ!!」
「そうだ!あのメタルを壊してからもう一回攻撃すればそれで終わりだ!!」
「愚民どもが・・vje9reoe.c^.4233mq0,.q@.;rg,v00m5い0みw-、。wq・///・・・・」
「また変な呪文唱えてやがる・・・!!」
リディの呪文により、今度は隕石郡が飛んできた。
リディは精神集中をし、こちらを見てもいない。
「撃て!一つでも多くぶっ壊すんだ!」
ゼロの攻撃で一気に壊れていく隕石。
だが、あまりにも数が多すぎる。
Xとスパは隕石を攻撃しながらも諦めかけていた。
「ま、まずい!あれ全てを壊すのは・・」
「・・・ん?隕石と一緒に・・誰かいないか?」
「あれは・・・!?」
「うおっらぁ!!!!」
「そーれっ!!」
「おらおらおらおらぁ!!!!!!!!」
来たのは勿論、あの3人!!
瞬く間に隕石を破壊していく!!!
「ホーネック!ヴァジュリーラ!それにブラックまで!!」
「隊長、来ましたよ!!俺の触覚のレーダーで探し当ててここまで来たんですよ!」
「ようやく、追いつきましたね。さ、そこの大きな人を一気に片付けるとしましょうか。」
「おー、そうだ。いいモンあるんだ。使いな。」
そういって黒はXとゼロにチップを渡した。
「・・これはなんだ?」
Xが聞くと、黒はさあ、と答えてくれなかった。
「・・・・・。」
「取り敢えず使ってみては?変な物を渡すはずないでしょう。」
と、ヴァジュに進められ、二人はチップを使ってみることにした。
だが、その効果を発揮する前にリディがビームを放ってきた。
「やべぇ!!!」
スパが驚いた声を出したが、その声は爆発音によって完全にかき消された。
二百十四話「最強の鎧」
「チッ・・すげぇ痛ぇ~・・・。」
爆発の煙が晴れた。
全員がダメージを負った状態で立っているのが確認された・・・が、Xとゼロの姿が無い。
「貴様ら・・まだ生きるか・・・」
「そりゃ~まぁ来て早々退散することもないでしょうに。フフ・・・」
「それに、俺たちを気にするより前に頭の上を見てみろよ!!!」
「・・・何?」
ホーに言われるままリディが上を見ると、誰かが上空を飛んでいる。
「誰だ・・・あの姿、データに存在しない。」
「見たことがないのも当然だ。」
「これから見せるのは・・未知の力だからな。」
「あれが新しい力・・・」
二人の姿は大きく変わっている。
ゼロはまるで悪魔のような、それまでのハイパーモード「ブラックゼロ」よりも深い黒のアーマーを持つ。
そしてXは、両腕に巨大なバスター、背中には飛行ユニットを装備した重武装へと姿を変えている。
その最強の姿は、見た者を驚かせる。
「アルティメットアーマ!!!」
「アブソリュートゼロ!!!」
二人の最強戦士は、今の自分の力をそう名乗る。
リディは、新たなる「邪魔」に殺気立つ。
「この神をこれ以上脅かそうというのならば・・・神の行いに異を唱える存在は・・
これ以上は無い究極の苦しみを味わわせて、悠久の時を刻ませてくれるッ!!!!!」
「はじまった・・超フォースメタルを巡る最後の戦い・・・」
「9MEALW-W;;/G.-.4^3.30.ER,@Q30/:[E^/^GE,[Q]/EW@@,G.[Q[3-.G;W[E-W:;:QW.[5RY[@E@-!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
今までに無く大声を上げ、まるで叫ぶように呪文を唱えるリディ。体中から強力な光線が高速で乱射される。
「やべぇ!!あれを喰らったらいくらあいつらでも・・・!!」
スパはリディの実力を全て知っている。
そのため、ゼロ達がどれほど危険な状態にいるのかすぐにわかるのだ。
だが、その心配も杞憂に終わる。
「フン!」軽々と全ての攻撃をかわすゼロ。
「はああ・・」バリヤーを張って全て防御するX。
「すげぇ!全部かわした!!」
この速さと防御力に、ホーさえも驚く。
「な、なにぃ!?!?馬鹿な・・ならば!!」
リディは、今度は口から直径20メートルある巨大ビームを打ち出した。
「おっ、あれはどうかわす?」
「止めちゃうんじゃないですか~?」
ヴァジュの言ったとおり、Xがビームを胸の中央部分に装備される強力な光線「ギガクラッシュ」、
右手の「ストライクバレット」左手の「インパクトキャノン」で真正面から受け止める。
「うおおおお・・・・・・・!!!!!」
「ソ・・そんなはずは無い!!!貴様程度にこの超威力の波動光線が・・ぐふっ!?!」
リディがXに気を取られている隙に、ゼロの痛烈な一撃が脳天に直撃した。
それによって思い切り口が閉じ、ビームが途切れた。
「残念だったな神様よ!お前の時代はもうとっくの昔に終わってるんだ!!!!」
右手の爪「ダムドライト」左手の爪「ジェノサイドレフト」。
その強烈な連撃をリディの顔面に食らわせる。
「バ・・馬鹿な・・・超フォースメタルの・・防御システムが・・通用していない・・・!!」
「じゃあよ、外したらもっと通用しなくなるんじゃねえか?」
「な・・なにっ!?」
黒が右肩に乗っていた。
リディの静止は全く聞かず、超フォースメタルを肩から千切って捨ててしまった。
「な・・なんということ・・を・・・!」
「実力じゃどうしようもないバカにはあんなモン似合わねーよ。フハハッ!!!」
「今だ!くらえーーーーーッ!!!」
防御メタルの無くなったリディは、全ての攻撃をモロに喰らうしかなくなった。
Xは超必殺技、ノヴァ・ストライクを撃つ。
超強力な全武器の連射で、一度に攻撃できる分のエネルギーが尽きるまで放った。
「許さない・・・イプシロンやスカーフェイスの分まで絶対に!!!!」
「ぐふぁ・・・ああああ!!!!!!」
それからのリディは絶望的な状態だった。
全員の攻撃を一気に喰らう。
ゼロの一撃「クリムゾンエンド」を初めとし、強力な全員からの連撃を受ける。
「ぐ・・むうううう・・・・!!!!」
そしてはじまる必殺技の連発。黒のサイボーグデーモン状態からのブラック・デスティニアを喰らい、
鴉形態のヴァジュのブラックバード・レボリューションを喰らい、
ホーのエナジー・トライアングルを喰らい、スパのロイヤル・ストレート・フラッシュを喰らい・・・
最早、その姿からも神と呼べる存在ではなくなっていた。
左腕は消し飛び、右からのメタル跡から血が吹き出し、顔面蒼白、歯も殆どが折れ、右手もほぼ砕けている。
他にも無数の傷や焼跡など、まさに「ボロボロ」だった。
「こいつで終わりだ!」
ゼロが、リディプスの顔面近くまで跳んだ。
そして、最強必殺技を発動する。
「カラミティアーツ!!!!!!!!!!!」
この技は、コマンドアーツの強化形で、以前同様、一定時間内に技を脳内で入力して一気に放出するものである。
「やった・・これで終わりだ!!!!」
Xやスパが歓喜の声を上げた。
リディプスの体が、一気に崩れていく。
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「終わった・・・な。」
「やったな!ゼロ!!」
全員がゼロの方を見て歓喜する。
「見ろよあの自称神!カンッゼンに死んだぜ!!」
スパがリディを指差す。
「・・・・・・・」
リディプスの口からは舌が垂れ下がり血が流れている。首にもヒビが入り、今にも折れそうだ。
「もうほっといていいだろう。じきに死んじまうさ。」
ゼロが降りてきて、クールダウン。
Xもクールダウンした。
「あ、そうだ。超フォースメタルを探しておかないと。」
Xに言われ、全員で探すことに。
戦いによって周囲は殆どが瓦礫と化しており、
黒が外した超フォースメタルもどこにあるのかわからなくなっていたからだ。
「アンタが変なところに捨てちまうからだぞ!」
「いいじゃねーか、あんなゴミみてーなもん。」
「良くないよ!また悪人に利用されたらどうするんだ!!」
そして数分後、黒とスパが二つに割れたメタルをそれぞれ発見した。
「おーおー割れちまってよ、まったく、もうちょっとやさしく扱えねーのかよ。」
スパがたしなめるが、黒は全く反省していない。
「だから、そんなゴミみたいなモンどーなったって知ったこっちゃねーっつの。」
「ンだとテメェ!なんかムカつく言いかたしやがって!」「うるせぇ!俺にとってはゴミなんだよ!」
「まぁまぁ、見つかったんですしその辺で・・。」
と、「喧嘩」というある意味、平和な状況が辺りを包んだ。
この時、Xは勝利を実感したのだった。
「・・・・・・・・」
「・・・・・ん?」
何かが聞こえる。ホーネックが感じ取った。
「・・・なんだ・・・?」
頭に生えている触角の高性能レーダーを使い、その音を探る。
「9E,030;[@Q2:][;WQ3^\GG[GRE@P3[QG.@GA;-/3^4P-OERMHQ@.3904KEQR.G954HJMA@P0え、/・・・・・」
これは・・・・
リディプスの呪文・・・・・・?
「・・・・・・・・逃げろぉーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
二百十五話「フォースメタルの奇跡」
リディプスの最後の光波が、星そのものを消滅させた。
「ふ・・はは・・はぁ・・はぁ・・愚か・・者どもめ!」
リディは瀕死になりながらも、まだゼロ達を倒すチャンスを狙っていた。
超フォースメタルを探そう、という言葉を聞き最後のチャンスとばかりに呪文を小声で唱えていたのだ。
勝ち誇るリディプス。だが、背後に気配を感じる。
「私こそが・・万能の神・・愚物共は消え去る・・べき・・・むぅ!?」
「ざ~んねん!俺達があの程度で吹っ飛ぶとでも思ったか?」
黒がいつもの調子で叫ぶ。
ちなみに、宇宙空間で音が発せられるのは、太陽系全域に空気をめぐらせるという、大きな科学の進歩のため。
また、エネルギーのラッシュギア(ジェノサイダー8編に登場)も使われている。
「貴様ら!まだ生存していたのか・・星が消えるほどの一撃なのだぞ!?」
「その答えは簡単です。私達が星が消えるほどの一撃に耐えるほどの体力と防御力があるからです。」
ヴァジュも相変わらず余裕で答える。
「ば・・馬鹿な!馬鹿なぁ!!!」
「うるせー!ここにいる中で馬鹿はお前一人だっ!」
「うおっ!うおおおおお~~~~~~~~!!!!」
ホーの一撃が決まり、リディの体が一気に崩れ始める。
「あぐ・・あぐが・・体が・・崩れ・・ぐ・・ぎぅっ!!!こうなれば!太陽系を滅ぼす究極奥義、見せてくれるぅ!!!!」
リディの最後の攻撃が始まった。
超高速のスペルスピードで破滅の呪文を口ずさむ。
「や、やべえぜ!こんどこそやべえ!撃っちまえ!!」
スパがカード連射するが、バリヤーを張られたために無効化される。
「く・・くそっ!!」
悔しがるスパだが、ゼロは至って冷静。
「確かに、隙だらけだもんな。こんなバリヤーを張るくらい当然ってことだな。」
「って、あんた・・余裕だな。あんたの奥さんも子供も死んじまうかも知れねーんだぜ?どーすんの。」
「・・・・『俺』をぶつける。」
「・・・・・・・ハ?」
「死ね・・ファアアアアーーーーーーっ!!!!」
バリヤーがとかれ、リディプス最後のエネルギー波がゼロ達に向かって飛んできた。
「アブソリュート・ゼロ!!!!!」
それに対しゼロは再び最強の鎧を身にまとい、エネルギー波を受け止める。
と、言うより・・エネルギー波に拳を叩き付けていた。
その光景を凝視する5人。
黒とホーの持っている(体内に装備している)エネルギー測定器でも、
確かにあのエネルギー波は太陽系を消滅させるに足るエネルギーを持つ。
それがゼロの拳とほぼ互角にぶつかっているのだ。
一番驚いているのは、スパイダー。
「あの野郎・・エネルギー波を殴りつけやがった!」
「ほほ~、ゼロさんの拳と互角ですか、凄い威力ですね~。ウフフ・・・」
「って、おい!なんか逆じゃねえか!?」
「そうですね~。でも、かなり状況が余裕なんで、こっちとしても冗談のひとつくらい言いたくなるんですよ。」
・・・その時、エネルギー波がゼロの拳に完全に破られた。
黒が拳を握り締め、不機嫌な顔をする。
「俺だってあのくらい・・・。」
そして、完全に望みが絶たれたリディプス。
もはや呆然とし、その眼にはそれまでの卑劣ささえも消えていた。
「・・・終わり・・だね。」
「ああ。終わりだ。長かったぜ・・」
「ハイパーモード、アルティメットアーマ!」
二人の最強戦士がリディプスを狙う。
「消えろ・・・カラミティアーツ!!!!!!!」
「最後だ!ノヴァ・ストラーーーーイク!!!!!」
「おいおいおい・・俺達を忘れんじゃねえぜ!ファイナル・テンフィンガー!!!!!」
「馬鹿鴉、行っくぜぇ!!ブラックバード・レボリューション!!!!」
「エナジー・トライアングル!!!」
地球最強の5人の超強力必殺技・・それら全てがリディプスの顔面に命中した。
そして、5人の技はそのまま「協力」し、最強のファイナルストライクへと変貌を遂げた。
「う・・ぐ・・gww-k-g。g-@w・4^・・・!!!!!!!!」
リディプスの発したこれは呪文ではない。
もはや、声をまともに発することもできない。
ファイナルストライクが終わり、虫の息よりも死に近づいているリディプス。
それを見て、ゼロが言い放つ。
「最後の一撃を放つに最もふさわしいのは・・お前だ!!」
「なるほど。確かに俺があいつを倒すべき・・かな?」
「ふ・・hぎゃい・・がうy・・」
スパイダーがリディプスの目の前に現れた。
「一緒に生まれて・・散々利用されて・・最後は大事な「あいつ」を傷つけやがってよ・・
ここいらでおしおき、しちゃおうか?」
その時、スパの体が光り輝いた。
「な・・なんだ!?」
「どうしたんだ!?ま、まさかあの光は・・!」
「超フォースメタル・・か!?」
スパの持っていた超フォースメタルが、スパの体に吸収された。その結果、スパイダーは神の力を得た。
「へ・・お前を倒すにふさわしい・・か。たしかに、この力ならお前を倒すのにふさわしいな。」
「ス・・ぱ・・」
「うおおおおーーーーーーっ!!!!!!!!!!」
スパイダーは、バリヤーを張りながらの拳による一撃を加え、リディプスの顔面から背中にかけて貫いた。
リディプスの眼に、最後にスパイダーが映った。
その直後、リディプスの眼にはなにも映ることが無くなり、・・・そのまま爆発した。
コマンドミッション。ギガンティス島事件。
この戦いは後にその2種類で呼ばれることとなる。
イプシロン達リべりオン軍はボロックを除いてイレギュラー認定が取り消された。
そして、リディプスならびにその部下達はデプスドラグーンを除き全てイレギュラー認定を受けることになった。
ハンター上層部によれば、イプシロンは行いは間違っていたが自分達の考える平和のために戦っており、
リディプスは完全に私利私欲のために戦っていたからだという。
そして、戦士達は帰るべき星に帰ってきた。
まずは、ハンターベースの最上階、最初にゴッドリディプスと戦った部屋に降りたった。
「終わった・・のか?」
マシが聞くと、6人全員が首を縦に振った。
「そうか・・終わったか・・鋼鉄のマッシモも嬉しいぜ!!!
(見ててくれたか、マッシモ!俺は・・いつかあんたより強くなって見せるぜ!!)」
「師匠、最終決戦活躍できた?」
「あたりめーだろ。俺を誰だと思ってやがる!」
「ハハハ・・でもさ、まさか僕が新世代のプロトタイプだったなんて、この戦いに参加してよかったよ。」
「どーでもいーだろそんなこと。お前はお前、俺の弟子なんだからよ!」
「師匠の口からそーゆー台詞が出てくるなんて思わなかったよ・・ハハハ・・。」
「平和・・素敵な言葉ですよねっ♪」
シナモンも笑顔で飛び跳ねる。でも・・
「うっ・・・」体力がかなり減っていて、ふらついてしまった。
そして倒れそうになるシナをホーが受け止める。
「危ない!・・ふう。大丈夫・・ですか?」
「は、はい・・ありがとうございますっ!」
「う・・・あ、はははは、はい!!!」
シナに笑いかけられ、久々に赤面してしまったホーだった・・。
「う~後でゼーラさんに嫉妬されてメチャクチャなことされるような気がする・・」
「大丈夫ですか?怪我しても私が回復してあげますから元気出してくださいね!」
「ははは・・ありがとうございます・・」
「スパイダー・・・夢じゃ・・無いんだよね?」
「あぁ。俺はここにいるぜ?足もあるしな。」
「良かった・・・う・・ううう・・・!!!」
「マリノ・・・・・!?」
マリノはスパイダーの胸の中で泣いた。
スパイダーも、自分の胸の中で泣くような相手と出会えたことからか、
それとも生きて会うことができたからなのか・・嬉し涙が、一滴。
そして、Xとゼロは互いの手を叩き合った。
部屋の中に、心地よい響きが伝わる。
その音を聞き、全員が2人の方向を見て、表情を綻ばせた。
「さ~て、そろそろ家に帰りませんか?心配していらっしゃるかたがたも大勢いるでしょうし。」
「そうだな、それじゃ・・帰ろう!」
「ちょ、ちょっとまって。あっちに二人だけの世界に行っちゃってる人たちがいるんだけども・・」
アクが指差す先に、泣くのをやめたスパリノが互いに見つめ合っていた。
「しかたねーな。おい、スパイ・・モガ!」
「せっかくのいいシーンを台無しにすることも無いでしょう。」
二人を「こっちの世界」に引き戻そうとするマシをヴァジュがとめた。
「おい!二人はほっといて早く来い!どうせ後からすぐ来るって!」
ゼロもはやくアイリスに会いたいのか、全員を急かす。
「早く行こうぜ・・アイリスが待・・う!!」
・・・ゼロが、血を吐いて倒れた。
二百十六話「単身赴任、終了。」
ゼロが倒れた理由は、リディプスの呪文によって引き起こされたウイルス状態だった。
Xやアクはバインドやブラインドがすぐ解けたが、ゼロはずっとウィルス状態のまま戦い続けていたのだ。
すぐにハンターベースの医務室に連れて行かれワクチンプログラムとシナモンのエンジェリックエイドで回復したものの
しばらくの間、眠り続けた。
「う・・・・アイ・・リス・・?」
「あ・・起きたっ!?」
2時間ほどで起きたゼロ。
そのすぐ後に待っていたのは、妻・アイリスの喜ぶ顔と嬉し涙だった。
その顔に、ゼロは申し訳ない気持ちで一杯になった。
自分の勝手で無茶をし続けた結果、最も大事な存在に多大な苦しみを与えていたことを初めて知った。
いや、それまで少なくとも結婚してからのゼロは自分の戦いに無理があったことなど一度も無かった。
そこがアイリスの気持ちを考えることを忘れていたのかも知れない。
「アイリス・・心配かけ」「やめて!」
「・・・アイリス?」
「その先は言わないで。あなたからそんな言葉は聞きたくないの。」
「・・・・・。」
「大丈夫よ・・私、信じてるから。あなたは絶対に私のところへ帰ってきてくれるって。ずっと信じてたから・・・えっ?」
ゼロは、何も言わずにアイリスを抱きしめた。
その目には何か透明なものが光っている。
「あなた・・」
アイリスは抱きしめられながら、そっと腕をゼロの背中に近づけ、そっと抱きしめた。
「お帰りなさい、あなた。単身赴任、お疲れ様。」
「ただいま・・・・ありがとう、アイリス。」
「たいちょおおおおおおっ!!!!!!」
「お目覚めですか・・お疲れ様でした。」
「おい!ゼロの目が覚めたってよ!!」
「やった!宴会だぁ!!」
医務室のドアの前には、大勢の仲間達がゼロを待っていた。
そして、ゼロが目覚めたことを知り、一気に廊下が沸いた。
「やっと・・・本当に終わったな。」
「ああ、あとは・・ハンターベースを直さないとな。」
Xとシグナスが話している。
「リディプス・・あんなことを考えていたとはな。
・・X、奴の言っていたことが間違っているとイレギュラーだと・・言い切れるか?」
「・・・」
Xの脳裏に、スカーフェイスの言葉がよぎる。
『イレギュラーとは、歴史のみが決めるものだ。」
「イレギュラー。本当にそうなんだろうか・・でも・・
でも絶対、絶対に犠牲の上に成り立つ正義なんて存在しないんだ・・・!!」
「そうか。・・そうだな。すまん、リディプスとは何度か議論したことがあってな、
奴の言う事にも一理はあったかと思ったが・・・」
そこに、スパが話に入ってくる。
「変わろうとすること自体にイレギュラーなんかないだろ?あいつもやり方がおかしかっただけさ。
考え方もな。それと、一番悪かったのは・・」
「一番悪かったのは?」
「運、かな?俺と一緒に生まれたくせに、俺様みたいなイケメンとは全ッゼン似ても似つかぬマヌケ面・・うおっ!?」
今度はマリノが現れ、スパの耳たぶをつまむ。
「ったく、こんなとこで何バカやってんだい!はやく修理、手伝いな!」
「あ、ああ、今すぐやるって。・・あ、あともう一個あいつが一番不幸だったのは・・」
「いいから行くよっ、ホラ!」
「・・・マリノと会えなかったこと、だな。」
「・・・・・な、何言ってるんだい!早く行くよ!」「お~お~、照れちゃって~♪」
「バ、バカ!」
真っ赤になってしまうマリノ。
スパにからかわれながら二人仲良く(?)修理手伝いに行くのだった。
修理中のアクとガウディルに、お茶を持ちながらシナモンが聞く。
「あの・・・」
「どうしたグワ?シナモン。」
「フェラムさん、見ませんでした?」
「いや、知らんグワ。顔も知らんしのう。」
「そーいやいなかったよね、あの戦いで起きたあたりにはもう居なかったような・・・。」
「そんな!まだお礼も言っていないのに・・」
「あ、そっか。最後の戦いで超フォースメタル抜いてくれたの、あの人だっけ。」
「何処にいるんでしょうか・・・?」
空を見上げるシナ。
雲が流れる青い空に、鳥のようなものが一羽、飛び去っていった。
「フェラムさん・・・?」
そしてその頃、マシはナナやアル達と話している。
「ってなわけで、俺は通路に立ちふさがる敵をぶっ飛ばしてやったってわけだ。」
腕を組みながらこの戦いでの自分の活躍を語る。
「なるほど・・流石の活躍だな。」
「『鋼鉄のマッシモ』さん、お見事です!」
それぞれマシを賞賛する面々。
「ははは!ありがとよ!!」
「では、その力を見込んで君に頼みがある。」
「おお、なんだ?何でも言ってくれぃ!!」
「・・・修理作業を手伝ってくれ。」
「え?」
「さっきから自慢話ばかりで、作業が進まないんですよ!!!」
「わわっ!!す、すまん!やるから怒るな~~~!!」
と、言うわけで修理は終わった。
1週間後、ギガンティス島の面々がそれぞれ島へ帰っていく。
シナ、マリ、マシ、スパがそれぞれ別れの言葉をかけた。
「みなさん・・お別れは寂しいですけど・・また会いましょうね!」
「また遊びに来るよ~。じゃあね、みんな!」
「俺のことを忘れるなよ!俺は『鋼鉄のマッシモ』だ!!」
「世話ンなったな、そんじゃま、あ~ばよっ!!」
それぞれ、船や飛行機に乗って帰っていった。
ゼロはX、アク、そしてアイリスと子供たちとともに、その船や飛行機を見えなくなるまで見続けた。
そこに、アイリスがつぶやく。
「・・・・あなた。」
「・・・・なんだ?」
「チュッ♪」「・・・・・・・!」バタッ
「わわっ!?パパどうしたの!?」
「パパがまた倒れちゃったぁ!!!」
「大丈夫よ、うふふ・・・♪」
愛妻からのキスをうけ、お久しぶりに、何年ぶりかで・・・・気絶した。
コマンドミッション編、完。
そして、第二部終了。
ELITE HUNTER ZERO